失意の惨敗を喫した鹿児島戦より中2日。ホームスタジアムである県総にて、天皇杯の富山県代表の座をかけ、スーパーシードとして決勝戦を戦うカターレ。昨年に続き富山新庄クラブと対戦します。
丁度1年前に行われた同大会でも富山新庄クラブと対戦していますが、その際には5-0でカターレが勝利しています。
リーグ戦を戦うペースの維持を重視し、いわゆるベストメンバーで臨んだカターレ。前半こそ1-0という僅差であったものの、後半に4得点を挙げ、守っても無失点。県代表の座を掴み、天皇杯出場を果たしたのでした。
そのときと違い、今年はアウェイ鹿児島戦から中2日しかないことを踏まえたならば、そのときと同じメンバーとは考えにくく、これまで出場機会のなかった選手たちが中心となる編成となると見て、ほぼ間違いないでしょう。
正直言って、一抹の不安は覚えます。
コロナ感染の影響で、ということだったのか。これまで不動のスタメンであった鎌田と大畑の両SBがメンバー外となり、代わって鹿山と今瀬が今シーズン初出場・初スタメンとなった鹿児島戦。
けれども・・・鹿児島の好調さを差し引いたとしても、それでも。
掴んだ出場機会に奮起せねばならなかったはずが、今季ワースト4失点。期待を裏切る結果となってしまったのでした。
よもや、「今季初出場だったから仕方ない」などという言い訳などはしないでしょうが・・・。
もしも、試合勘が充分でないということが言い訳として成立してしまうとしたら。
メンバー固定の傾向が強い石﨑監督の方針にあって、控えメンバー中心となることが確実視されるなかでの、この試合。
奮起を期待したいし、これまで出られなかった分、存分にアピールしてほしいと願いますが。
けれど、やはり・・・。
対する富山新庄クラブには、元カターレの佐々木 一輝、窪田 良、松原 優吉、ルーカス ダウベルマンらが所属。
北信越リーグからJFL入りを目指すアマチュアクラブとはいえ、これまで試合に出場してこなかったカターレの若手選手らに比べても、断然Jリーグ経験が豊富な選手が揃っている、という見方もできましょう。
そんなクラブが、プロチームであり古巣でもあるカターレを相手に一泡吹かせてやらんと、全力を以て挑んでくる。
もちろん、プロであり富山県トップカテゴリの意地にかけて、力の差を見せつけて、その挑戦を返り討ちにせねばならないのですが。
「まさか」は、あり得る。
それを、J3初年度であった2015年に、実際に体験しているのだから。
これは、この先カターレがJ2、J1とその活躍の場を移すことになったとしても、なお消えることのないままに残り続ける、傷。いわば呪いのようなもの。
その傷は無かったことには出来ず、消えることなく残り続けます。
翻って、今回。
惨敗を喫した直後、それでなくとも思うように勝てていない今季ここまでのことを思えば、「よっしゃ、プロの力を見せてやるから、どーんとかかって来い!」などと余裕をかましているような雰囲気でもないのではないかと。
むしろ・・・余裕などもってのほか、悲壮感すらにじませながらの対戦となってしまうのでは?という危惧も。
2015年、アマチュアである富山新庄クラブに敗れて天皇杯進出を逃し、プロ失格の烙印を押され。その責めを負うかたちで、当時の岸野監督が解任されました。
同じ4敗を喫した岐阜の三浦監督が解任されたように、ここまでのリーグ戦戦績でさえも危ういと見られるところ・・・もしも、「まさか」が起こったならば。
あるいは、トリガーが引かれてしまうということも・・・ないとは言い切れません。
状況は、予断を許しません。
けれども。
プレッシャーに押しつぶされて自滅、などということだけは、あってはならない。
むしろ、この程度のプレッシャーに負けてしまっているようでは、今後のリーグ戦での逆襲などおぼつかない、と知るべきで。
リーグ戦で優勝する、その目標に嘘偽りが無いと言い切るならば。
出場経験だの、これまでの実績だのを言い訳にしている暇など、ありはしないはずです。
リーグ戦とは違うとはいえ、アマチュアが相手とはいえ、れっきとした公式戦。負けたら終わりの一発勝負。
良くも悪くも、そこで得られる経験値というものは、練習試合のそれと同じであるわけがない。
だったら。
十二分に活躍し、さらに今後の試合出場に向けての糧としていく。
得難い経験、無駄にするわけにはいかない。
期待したいのは、松岡。
昨年の天皇杯1回戦で得点を挙げたものの、その後出場した試合では得点なし。
確かに、FWとして大野、吉平、川西らに割って入っていくことは、現段階では厳しいこともあるかもしれませんが。
それでも。
着実に、実績を積み上げていかねばなりません。その先の試合出場、その先のJ初得点でしょうから。
だったら。
絶好のアピールチャンス、それを逃す手はありますまい。
得点なくして勝利なし。その真理を、自らの活躍を以て、体現してほしいです。
新型コロナ感染の影響で、2020年はレギュレーション変更で不参加、昨年2021年は無観客試合となった富山県サッカー選手権。
3年ぶりに有観客試合として執り行われることとなりますが。
今シーズンここまで、なかなか期待にじゅうぶん応えられていないカターレ。そこに先の大敗とくれば、不安に駆られるファン・サポーターも少なくないでしょうが。
しかし、だからこそ。
だからこそ、懸命にプレーする姿をもって、懸念の払しょくに努めねばならないことは、道理。
だったら。
勝利以外ありえないというプレッシャーを、いかに跳ねのけるか。
綺麗ごとでもなんでもなく、なりふり構わず勝ちにいかねばならない試合。それと、いかに真摯に向き合えるか。
富山県サッカー界最強の座を、堅持せよ!
「まさか」など、無い!!
強いカターレを、納得の勝利で!!!
勝たれ!!!富山!!!!!