1-0で勝利!
同カテゴリ対決となった天皇杯1回戦。だからこそ負けられないという気概を力に変え、見事に勝利!
2回戦進出を果たし、J1・神戸への挑戦権を獲得したのでした。
気温27.3℃、強い日差しが照り付けるなか、1年ぶりの高岡スポーツコアで行われたこの試合。
リーグ戦から1週のインターバル、そして相手の藤枝が同カテゴリとあって、やはり予想通り、メンバー編成も大きな変更は無く。
先のYS横浜戦からの変更として、ここ最近は戦列を離れていた大畑がスタメン復帰、これまでは途中出場であったシルバが初のスタメン起用となりました。
前週に続き吉平がキャプテンマークを巻くなかで、キックオフ。
リーグ戦とは異なる大会、異なる会場ながらも、試合の雰囲気というものは、まさしく「ホーム藤枝戦」と言えるものであったかと。
カターレの前からのプレス、藤枝のパスワークと、リーグ戦のそれと変わらないそれぞれの持ち味がぶつかり合うことに。
吉平が前線から積極的に走り回って、相手を自由にさせず。藤枝も要警戒のベテラン・鈴木 惇が起点となって的確にパスをさばくなど。約1か月前のアウェイ藤枝戦でも見た光景が、高岡スポーツコアでも繰り広げられることに。
そんななか、目を惹いたのがシルバのプレーぶり。
簡単にボールを失わない、競り負けない体幹と、視野の広いパスを出せるテクニックを併せ持ち。やはり前からの仕掛けで機能する川西、姫野らとの連携ぶりは、確実に相手にプレッシャーを与えていました。
そして、先制点が生まれたのが17分。
ボール奪取からの攻勢、シルバがクロスを上げると、それを吉平が頭で合わせ、見事にゴール!
「彼なら必ず良いボールを出してくると信じてニアに走り込んだら、そのとおりドンピシャのボールが入ってきた。僕は触るだけだった」という連携が決まり、先制に成功したのでした。
それにしても、吉平。
1ヵ月前のアウェイ戦でも古巣・藤枝からゴールを決めて勝利に貢献しましたが、またしても。前所属クラブとして、他にも増して気合の入る相手ではありましょうが・・・見事な、藤枝キラーっぷり。
決めるべき選手がしっかりと決めて先制という理想的な展開で、優位に立ったのでした。
ただ。
ここまでのリーグ戦で、リーグ最多得点を挙げながらもワースト3位という失点が足を引っ張っているカターレ。
そのなかで、悪癖とも言えるシチュエーションが、「せっかく得点したのに、直後に失点してガッカリ」というもの。
先制からわずか数分、まさか・・・と思っていたら。
警戒していた鈴木のキックがクロスバーを直撃、肝を冷やすというシチュエーションが。危うく悪い意味でのお約束にはまってしまう危機を、なんとか回避に成功。
これがもしもこれまで通りであったなら、まったく別の展開となっていたのではなかろうかと。
とにもかくにも事なきを得て、リードを保ち。
動揺も最小限、やるべきことをやるという信念のもと、集中したプレーを続けたのでした。
スコアは1-0のまま、後半戦へ。
相変わらず照り付ける日差し、気温の高さに懸念されるところの、消耗。
それでも、大畑、林堂、鹿山という背番号に3のつく3バックを中心に、粘り強い守備を見せ。
そして、変わらずに果敢に走り回って前からプレッシャーをかけ続ける吉平。そのプレーぶりに、どれだけ後ろの選手たちが楽になったことか。感嘆をもって見ていました。
同点、逆転を目指す藤枝の攻勢に、守備の時間が長くなるカターレ。
それでも集中を切らすことなく、相手に決定的なシーンを作らせず。
本当に・・・なんというか、リーグ戦の戦いぶりそのままだな、と。
あるいは、これが天皇杯の試合であることを忘れかかる、というか。
そうは言うものの、これは天皇杯の試合。
引き分けは無く、90分で決着がつかねば延長戦へ。
そう、どんなかたちであれ失点して追いつかれてしまえば、その可能性は大いにあるという。
もちろん突き放す追加点を挙げて試合の行方を決することが出来れば、それに越したことはなかったものの。
攻め込まれる展開が続くなかでは、なかなか良いかたちには持ち込めず。
交代策にしても、延長の可能性も考慮しながらとなれば。
難しい時間が続きました。
それでも。
カターレ選手たちの集中力が途切れることは、ありませんでした。
最後の最後まで、アディショナルタイムの4分までゴールを割らせることなくしのぎきり。
そして、試合終了。
虎の子の1点を守りきり、見事に勝利。同カテゴリ対決を制し、1回戦突破を決めたのでした。
この試合のMVPは、間違いなく吉平。
先制ゴールにして決勝点となった得点もさることながら、78分に交代するまで全力プレーを続けてチームを盛り立てた闘志。それがなにより素晴らしかったかと。
これまでの悪しきジンクスにハマって同点に追いつかれていては、どうなっていたかわかりません。それほどに、紙一重の試合ではありました。
けれども、勝った。勝利を手にしたのは、カターレ。
この試合で得られた成果をリーグ戦にもフィードバックし、さしあたっては次週の相模原戦の勝利へと繋げていかねば。
2回戦進出を成し遂げ、6月1日にノエスタで開催の神戸戦へとコマを進めるカターレ。力を見せて掴み取ったこのチャンス、存分に活かさねばなりません。
富山県代表として、そしてJ3代表として。真っ向勝負にかかる期待は、大きいことかと。
その期待に応える活躍、ぜひともみせてほしいです。
戦いは、続きます。