5月はじめのアウェイ鹿児島戦で4失点の惨敗を喫し、どうなってしまうのかと気をもませたカターレでしたが。
その後の県選手権決勝、リーグ戦第9節、そして先週の天皇杯1回戦と、富山県内3連戦で3連勝。
完璧な内容ではない。けれど、着実に歩みを進めている実感がこもっている、5月ここまで。
最終週、公式戦4連勝・リーグ戦2連勝とすべく、アウェイでSC相模原と対戦します。
2020シーズンに最終節の結果を以て2位に滑り込み、J2昇格を成し遂げた相模原。
しかしながら、そのJ2初挑戦となった21シーズンは、通常とは違って4クラブが降格対象となるレギュレーションのなかで、19位。降格クラブ中最上位ながらも、1年でJ3に舞い戻ってしまうという憂き目に遭ってしまったのでした。
1年での復帰を期して臨むこととなった今シーズン。J1・J2経験者を多く編成することで、速やかな復帰を成し遂げる方針を固めていた・・・のですが。
思惑は外れ、なかなか思うように勝てず。さらには選手10人が新型コロナ感染の影響を受けてチームが機能不全に陥るという不運も重なり。
不振の決定打となったのが、19日に開催延期ぶんとして開催された第7節・YS横浜戦。
直近の15日、第9節の富山戦で5失点と、散々な結果となって未勝利を継続してしまったYS横浜が相手。それでなくとも、同じ第9節で岐阜に敗戦を喫してしまっていたなかで、巻き返さねばならない試合。
必勝を誓って臨んだにもかかわらず、結果はスコアレスドロー。不振脱却は果たせず。
それを受けて、チームを指揮していた高木 琢也監督の解任を決断。後任として薩川 了洋U18監督を異動させることに。
かつて相模原の監督を務めていた薩川氏の再登板。長野や琉球でも指揮を執っていた豊富な経験に、再建を託すこととなりました。
そして迎える今節。新体制の初戦としての、ホーム富山戦。
監督交代という“劇薬”、荒療治を施したからには、低迷云々を言っている場合ではないと。是が非でも勝利と言う結果を求めんと、気を引き締めていることかと。
なんというか・・・気持ちは、わかる。本当に、我が事のようにわかる。
4年まえ、2018シーズンのこの時期。
開幕から不振を極め、ゴールデンウイークの鹿児島戦での敗戦をもって当時の浮氣監督が解任されたカターレ。
後任の安達監督のもと、県選手権決勝をはさんで迎えたリーグ戦・アウェイ鳥取戦で。
覚悟をもって挑み、3-2で勝利。再出発へとかける意思を示す白星を挙げたのでした。
そのときのカターレにとっての鳥取戦が、今節の相模原における富山戦。そう捉えることが出来ましょう。
それを思うとき、「下位に低迷しているチームにはサクッと勝たないと」などと、安易に考えることなど出来ません。
船山 貴之をはじめとしてJ1・J2での実績も豊富な選手も揃っており、力を十全に発揮したならば、むしろ低迷こそが不自然とさえ言えるチームであるならば、余計に。
それでなくとも。
ここまで4勝1分け4敗の10位というカターレ。昨シーズン、2敗でシーズンを首位で折り返しながらも優勝できなかったことを思えば・・・他クラブの不振がどうとか、揶揄しているような余裕などありはしません。
優勝を目指すチームでありながら、それにふさわしい戦績を残せていないのだから。
相手には相手の事情もありましょう。けれどそれは、浮上を期さねばならないカターレが停滞する理由になってはならないのです。
おそらくは、前週の天皇杯1回戦・藤枝戦を踏襲したメンバー編成となるであろうカターレにあって。
その1回戦突破の立役者となった吉平、そしてリーグ戦3戦連続ゴール中の川西に4戦連続が期待されるなかで。
ここは敢えて、大畑、林堂、鹿山の、背番号に3のつく“3バック”に期待。
ここまで16失点、極度の得点力不足にあえぐYS横浜にすら失点しているというデータは、当然相模原も取得しているなかで。
勝利に向けて遮二無二得点を狙ってくるであろう相模原を、いかに封じ込めるか。
封じ込めつつ、リーグトップ総得点の攻撃力に、どうつなげるか。
YS横浜に無失点でいられなかった富山、ではなく、5得点でボコった富山。そのYS横浜から無得点に終わってしまった自分たち―――それを、思い出させてやろうじゃないかと。
前述の、今回とある意味似ているのでは?という2018年鳥取戦においては。
鳥取のフェルナンジーニョ、レオナルド、ヴィートル ガブリエルというブラジル人トリオが攻撃の脅威として立ちはだかってきたなかで、“第4のブラジル人”・ルーカスがカターレ初ゴールを決めて先制。それも8分という早い時間帯に、というところが、勝因として大きかった。
逆の立場となる今節、勝利を掴むためには。
そのパターンを、相手にやらせないことが肝要。むしろ逆に早い時間帯に先制して、相手に「やっぱダメなのかも」という印象を植え付けるくらいでないと。
そのためにも、守備の安定は不可欠。
攻勢にさらされながらも、しっかりと無失点に抑え込んで勝利を手にした天皇杯1回戦のように。
今節もまた隙のない守備でもって相手を封じ、無失点を成し遂げてほしい。そう願います。
先の話をすると、今節から中2日で天皇杯2回戦・神戸戦を戦うことになるカターレですが。
それに気を取られて「下位の相模原なら、まぁ大丈夫だろ」などと油断するなど、言語道断。あってはなりません。
もしも、どうしても意識がいくというならば、それはそれで考え方ひとつ。
現在、神戸もまたJ1にて極度の不振にあえぐチーム。リーグ戦ではない天皇杯とはいえど、脱却のヒントを得るためのてがかりとして、おろそかにはしないはずです。
言いかえるならば、現状打破を目指すクラブとの2連戦とも。
むしろ、上位で安穏としている相手のほうがやりやすかったのでは?という感すらあるなかで。
けれど、それを言うならば・・・カターレだって、他クラブのことをとやかく言えないはずです。
優勝を目指すにあたり、上位とは差をつけられてしまっている現状。
それを打開していくにあたり、相手云々よりもまず、自分たちを厳しく律しなければならないことは、言うまでもなく。
だったら。
やるべきことは、明白です。
一切の妥協なく挑み、必ずや、勝つ。
そして、自分たちの成長にもつなげる。
言い方として適切かはさておき・・・それでも、敢えて言えば。
優勝するということは、他クラブを蹴落とすということ。
相手が不振、不安といったネガティブさを露呈してしまっているとしたら、それを容赦なく突くべき。
前の試合で5失点をくらったYSに無得点で勝てなかった?
だったら、あんたらも5失点をくらってみるか?
それくらいの意気込みで臨むべき。
相手の不振脱却に付き合っている暇など無く、むしろ自分たちの現状改善に全力を挙げねばならないのだから。
不振脱却への意志、わかるからこそ、跳ね除けろ!
一戦必勝、力の限り!!
勝たれ!!!富山!!!!!