全20クラブがホーム&アウェイ2回戦総当たりで対戦する今季J3。その1巡目最後の対戦として、ロートフィールド奈良にて6位・奈良クラブと対戦します。
天皇杯の再開試合から中2日の連戦。準備期間の短さが懸念されるものの、それでも。
敗れはしたものの、J1クラブを相手に胸を張れる試合を完遂したこと。その手応えを力に変えて。
そして、今シーズンの最大の目標であるところのJ3優勝・J2復帰を成し遂げるためにも。
勝って昇格圏でのシーズン折り返しとすべく、奈良との初対戦に挑みます。
昨シーズンのJFL優勝という実績を引っ提げ、これまでJリーグクラブの無かった奈良県で初のJクラブとなった奈良クラブ。
そのJFL優勝メンバーを軸としたチーム編成とし、継続路線を選択。それが功を奏すかたちで、開幕ダッシュに成功。一時は首位に立つなど、その実力をリーグに示しました。
かつてYS横浜で点取り屋として名を馳せ、昨シーズンのJFL得点王にしてMVP・浅川 隼人を中心に、ここまで25得点。(カターレ30得点)
そして、注目すべきは守備の固さ。試合数以下となる15は、14であるFC大阪に次ぐリーグ2位となっています。(カターレ21失点)
得失点差+10は、リーグ最多タイ得点のカターレの9を上回るリーグトップでもあります。
なんというか、J初参戦ながらも自分たちのカラーというものをしっかり持っているチーム、というところでしょうか。
もちろん、対戦する他のクラブも手をこまねいていたわけではなく、奈良対策をしっかりと講じたところ、6月は未勝利と停滞。しかし、7月に入ると福島に5-0の圧勝、連続負けなしを続けていた岐阜にも1-0で勝利と連勝。不調から持ち直して、さらに上位進出・・・というところで。
前節は、最下位の相模原を相手に2-0とリードしたものの、そこからよもやの逆転負け。手痛い敗戦を喫してしまったのでした。
ホームで立て直しを図る今節。もちろん、まだシーズンの折り返し地点、優勝を狙うにもまだまだ可能性がある以上、2位の富山を撃破して差を詰めるためにも、気合を入れて待ち構えていることでしょう。
対する、カターレ。
鹿児島・愛媛との上位直接対決で連敗、首位陥落という厳しい状況を突きつけられたものの。
それでも、天皇杯3回戦から中2日という日程で臨んだ前節・琉球戦に勝利。得点こそ1点にとどまったものの、相手に仕事をさせない自分たちのペースで試合を進め、無失点。首位奪還に向けて、大きな勝利を手にしました。
そして、今節もやはり中2日、今度はアウェイ。しかも折からの猛暑のなかで15時開始試合というキツイ条件ではあるものの、それでも。
ホーム開催ではあったものの、こちらにほとんどアドバンテージが無いままに格上の新潟を逆転せねばならない、しかもたった15分でーーー結果的に達成できなかったものの。キツ過ぎる条件戦に敢然と挑み、それを戦いきったという実績があります。
それに比べたら、想定の範囲内でのキツさ程度が、どうだというのか?
気力は、充実している。ならば、それをしっかりと勝利に、勝ち点3として積み上げるべく、気を引き締めねば。
今節の出場メンバーについては、正直言って予想しかねるところはありますが。
なにせ、中2日の連戦とはいえ、15分ほどしか戦っていない新潟戦を思えば、全員が途中出場のようなもの。これまでも、途中出場の選手が翌日のトレーニングマッチに出場とか、よくある話でもあったので。
そんななか期待したいのは、吉平。
カターレきってのムードメーカーであり、気持ちの入ったプレーぶりでチームを活性化させる力というものは、誰もが認めるところ。
リーグトップクラスの守備力を誇る奈良。その守備をこじ開けて得点をもぎ取っていくにあたっては。
綺麗な連携から華麗な崩しを経て美しいゴールを挙げる・・・なんてことは、そうなったらいいね、くらいで、必須条件じゃない。
いかに、泥臭くとも必死な攻撃を展開し、相手の守備を上回って得点を奪うか?
それを考えても、まさにうってつけの人材であるのが、吉平という選手であり。
そして、「PK絶対決めるマン」としての期待。
1点を争う攻防のなかで、果敢に攻めることでPKを獲得する場面も、充分に想定できます。そのときに、特に信頼度の高いキッカーである吉平が決めてくれたなら。
先の新潟戦でも、追いついてPK戦というシチュエーションを想定しての練習もしていたことでしょう。結果としてPK戦とはならなかったものの、それでも。
“いつものように”、強心臓っぷりを発揮してのゴールは期待していきたいところです。
今節、他会場では鹿児島-愛媛戦という上位直接対決があります。
どちらにとっても負けられない、勝つしかない一戦ではあるものの、勝って勝ち点3を積み上げられるのは1チームのみ。プレッシャーのかかる試合で、どちらも勝ちきれずにドローという展開も、充分にあり得るところかと。
その鹿児島-愛媛戦が行われるのが、日曜の18時。今節でいちばん遅い時間帯です。
一方、土曜日の15時開始という、今節で最も早い時間帯に行われる奈良-富山戦ですが。
よりにもよって夏のクソ暑い時間帯に、などという愚痴のひとつも吐きたくなる条件も、考えようによってはメリットにもなり得ます。
つまり。
勝ってカターレが暫定首位に躍り出たならば。必然、鹿児島も愛媛も、それを意識せざるを得ないはずです。
勝ち点4差を追う鹿児島は言うまでもないとして。勝たねば首位陥落確定で、リーグ前半戦首位ターンを果たせなくなる、という愛媛にも、プレッシャーをかけられます。
そう考えたならば、中2日で土曜15時開始というスケジュールも、あながち悪いものではないようにさえ思えてきます。
だったら。狙っていくよりほかないでしょうよ!
天皇杯で3回戦に進出したJ3クラブはカターレと岐阜だけ、さらに3回戦を2回やって連戦、なんてのはカターレだけです。
普段通りに1週間のサイクルでリーグ戦対策を講じることが出来なかった、ということでは、不利な条件であったとも言えるかもしれません。
けれど。
連戦は、決してデメリットばかりではなく。
真剣勝負のなかで、チームが成長するチャンスを得たということでもあります。
実際、先の琉球戦では、その成果の一端を感じ取れました。
5試合ぶりに無失点を達成しましたが、それも相手の拙攻というよりは、自分たちのしっかりとした守備がもたらしたもの、という確信もあったくらいで。
今節、準備期間が充分であった奈良のほうが有利という見方もできますが、だからといってそれが絶対的なアドバンテージとも思いません。
奈良が、2点差を逆転負けというショッキングな敗戦を喫した前節を引きずることがあったなら。高い守備力をモットーとする奈良から、首尾よく先制ゴールを奪い、その自信を揺るがしたなら。
自ずと、結果もついてくることでしょう。そう信じます。
FC大阪に続き、新参チームを撃破せよ!
昇格圏内ターンを確定させ、シーズン後半戦のスタートダッシュにつながる連勝を!
暑さに屈せぬ熱い試合を!
勝ちきる強さを、見せつけろ!!!
勝たれ!!!富山!!!!!