2-1で勝利!
初めての対戦となる相手、しかもアウェイ戦。カターレの側だけ中2日で、5連戦の5戦目。猛暑のなかで15時キックオフという、厳しすぎる条件での試合。さらには試合中にイエロー2枚で退場者を出し、1人少ない10人で40分近く戦う羽目に。
首位奪還を目指して負けられない、勝たねばならないカターレにとっては、いろいろな意味でキツい試合となりましたが。
それでも、勝った。勝ちきった。
苦手としていた初物を相手に、やはり今シーズンも苦手としてきたアウェイ戦で勝利。
2連敗から持ち直して2連勝とし、勝ってシーズン1巡目を終えることに。
他会場で愛媛が勝利したことで首位奪還はならなかったものの、それでも。
ピタリと2差で追走、そして昇格圏を維持したまま、シーズンを折り返すこととなりました。
いずれ抜き返し、優勝を成し遂げるためにも。より一層、精進していかねば。
全10試合が行われた今節・第19節にあって、そのうち6試合というから、実に半数上の試合がドロー決着となりましたが。
0-0だけでなく1-1も2-2もあっただけに、一概にそうだとは言えないけれど、それでも。やはり、暑さがプレーのクオリティに影響した部分もあったのではないかと。
その意味で言えば、いちばん大きな影響を受けることになったのがカターレとも言えたわけですが。
前の試合から中2日。アウェイで初めてのスタジアムで、初めての対戦相手。それだけでもやりにくさがあっただろうに、さらに暑い盛りの15時試合開始というのだから。相当に気を引き締めねばならなかったことかと。
スタメンは前節・琉球戦と同じメンバーを起用。特別指定選手のヨシキが、デビュー戦に続き2試合連続スタメンとなりました。
試合時刻頃には薄く雲もかかり、直射日光が照り付けて、というわけでもなかったものの。それでも、凍らせたペットボトル飲料がみるみる溶けるくらいに暑く。やはり、気合だけでなくしっかりとしたコンディション管理をしながら臨まねばならない試合になろう、と。
前節、2-0とリードした状態からひっくり返されてしまい、逆転負けを喫して連勝ストップとなってしまった奈良。その悔しさを晴らさんと臨んだ今節のホーム戦。やはり、気合が入っていました。
エースである浅川 隼人、前節も得点を挙げた嫁坂 翔太を中心とした攻撃には勢いがあり、防戦に回らざるを得なかったカターレ。その勢いに負けて失点してしまっては、さらに攻勢を強めて畳みかけてくることは明らか。劣勢であろうが、しっかりと守り切ることが求められました。
そんななかで、前半の半分くらいで設けられた飲水タイム・・・というより、クールブレイクか。
いつもの飲水タイムであったら、ベンチ前に集まって1分ほどの時間で、というところですが。
メインスタンドの軒下に入り、およそ3分ほどかけてしっかりと休憩。サブメンバーの面々がタオルで扇いだりしていました。
ここまでしっかりとした休憩は、初めて見ましたが・・・よくよく考えたならば、そもそも上位カテゴリではこんな暑い時間帯に試合をすることそのものが無いな、と。
この7月に照明塔の増設に着工、メインスタンドから見て左側の区画が工事に関するパーテーションで覆われていたロートフィールド奈良ですが。そのあたりも含めて、いわゆるJ3の洗礼という部分かと、あらためて認識することに。
大型ビジョンも設置されていないということで、正確な時間はわからなかったものの。とにかく、試合再開。
試合が動いたのは、前半も大詰めの44分でした。
ペナルティーエリアで大野が倒されたとして、PKを獲得。角度のないアウェイゴール裏から見ていてはわからなかったのですが、ファウルでFKかと思っていたら、エリア内であったようで。
もしもJ1みたいに各スタジアムでVAR検証設備が整っていたならば、確認の対象になっていたかもしれませんが。当然のように、J3においては、それも無し。
PKと言えば吉平か?と思ったものの、ここは大野が自らキッカーに。それでも、つい先日の天皇杯再開試合に向けてしっかりと練習もしていただろうし、なんの心配もいらないな、と。
案の定、落ち着いてしっかりと決めきり、先制に成功。奈良の攻勢に晒される時間帯が長かったものの、先に得点を奪ったのはカターレのほうでした。
そして、さらに。
クールブレイクを含めてしっかりと5分取られた前半アディショナルタイムのなかで。
この日初めてのCKのチャンス。直接ゴール前に放り込むのではなく、ショートコーナーを選択。フリーで受けた坪川が絶妙なポイントに蹴り込むと、それに合わせたのが柳下!右足ヒールで押し込むという技ありゴールが決まり、追加点!
勝利を大きく手繰り寄せる2点目が決まり、試合を折り返すことに。
ただ・・・好事魔多し、とでも言うのでしょうか。
後半開始早々の55分。殊勲のゴールを挙げた柳下が、この日2枚目のイエローで退場となってしまったのでした。
いや、身体をぶつけ合って競り合ってはいたよ。けれど、手を上げてケアしながら対処してたよ。手で払いのけた?バランスをくずしながらもたれかかってきた、相手のファウルという場面だよ。
VARで確認の場面だろ!・・・って、そうだ、無かったんだった。
結局、判定が覆ることもなく。ただでさえキツいコンディション下での試合なのに、数的不利で残りおよそ40分くらいを戦わざるを得ないことになってしまったのでした。
どうしても思い出される、愛媛戦の悪夢。あのときも2-0とリードしながら折り返したものの、後半一挙4失点、痛恨の逆転負けとなったのでした。
奈良にとってみれば、前節の敗戦と真逆のシチュエーション。2-0のリードを守れず逆転負けをしたなら、今度は0-2から逆転して勝つしかないだろ!と。
攻勢を加速させる奈良に対し、必死で喰らいついて守る1人少ないカターレ、という展開が続くことに。
しかし・・・。
なんとか我慢を続けていたものの。81分、途中出場のMF桑島 良汰に決められてしまい、1点差に詰め寄られることに。
公式記録で気温32.7℃というこの試合の、まさに疲労もピークという時間帯。
まさに、絶体絶命。ここで崩れてしまっては、同点はおろか、逆転負けすらあり得るというなかで。
それでも。
それでも、全員が集中力を切らすことなくプレーし続け、ゴールを許しませんでした。後半アディショナルタイムには、CKからあわや!という場面もありましたが、田川が気迫のセーブで阻止。
そして、試合終了。
苦しい試合でしたが、見事に勝ちきってみせたカターレ。逆境に屈せずしぶとく勝利し、アウェイで勝ち点3を獲得したのでした。
首位の愛媛も勝利したことで、シーズン前半戦をトップで折り返すこととはならなかったものの。
それでも、しっかりと勝ち点差2をキープ、自力優勝をしっかり狙える状況でいることは、評価されてしかるべきでしょう。
もちろん、まだなにも成し遂げていない。ここでの順位が最終結果とイコールではないのだから。
過去には、シーズンの折り返しで首位もあったし2位もあった。けれど、それを優勝に結び付けられなかった。
今年は、そんな過去を繰り返すわけにはいかず。
合格点という前半戦であったからこそ。シーズン後半戦、この流れをさらに加速させ、これまで成し得なかった優勝へとつなげていくべく。
5連戦となった一連の流れはひとまず終わるけれど、それでも。J1などと違い、ブレイク期間に入るわけでもなんでもなく、次の試合はやってきます。
この7月連戦で得た教訓、そして手応えを、シーズン後半戦に活かしていくためにも。
さらに、精進を続けていかねばなりません。