3-4で敗戦。
悪辣なカミサマがシナリオを書いていて、その通りになって落胆する様を見て嘲笑っているのでは?---今年で15周年のカターレを応援してきて、そんなふうに感じたことは1度や2度ではなく。むしろ、「おお、カミサマありがとう感謝します!」などというシチュエーションの何倍、何十倍も、そんな憂き目に遭っている気さえしますが。
2-0で折り返した後半に、一挙4失点と暗転。
まさに、「上げて、落とす」。
頑張っても報われない試合は、あります。逆転負けを喫してしまう試合も、あります。
けれど。
なぜ、それがよりにもよって、首位攻防戦でなくてはならないのか?
ここぞ!という試合でなくてはならないのか?
他の試合で負けて良いわけではないにせよ・・・やり切れない、ダメージの大きい敗戦となってしまったのでした。
九州地方をはじめとした各地で大雨の被害もでているような天候で、試合会場の愛媛県においても雨の影響は避けられず。水がたまってボールが走らないやりにくさを強いられながらの試合となりました。
人違いで警告処分取り消しという、ちょっと腑に落ちない目に遭った大畑ですが、今節もスタメンに。
いつもならば末木と坪川のボランチコンビであるところ、脇本とシルバを起用。右サイドは松岡が控えに回り、椎名がスタメンに。
この愛媛戦のあと中2日で天皇杯新潟戦、そこからまた中2日で琉球戦と続く連戦にあたり、それを見越した選手起用であったのかもしれません。
そんななかで、やはり目を惹いたのが大野。昨シーズンの同カードでの逆転勝利の立役者。いやがおうにも活躍に期待が高まりました。
すると、そんな願いが通じたか。
27分、左サイドからの安光のクロスを柳下が折り返すと、それを大野が頭で押し込み、先制に成功。
その余韻も冷めやらぬ29分。ゴールラインぎりぎりから吉平が右足アウトサイドでボールを残すと、低い軌道のそれにヘッドで飛び込んだ大野。見事に決めて、追加点。
先の古巣対決となった京都戦に続いて、期待をかけていた愛媛戦でも2ゴール。
まさに、“持っている男”っぷりを発揮した大野の、素晴らしい活躍。
電光石火の2ゴールで、首位攻防戦で勝利を近づける大仕事をやってのけたのでした。
2-0で試合を折り返し、勝負の後半。
そう、京都戦がそうであったように。2点をリードしたとして、勝敗は試合終了のホイッスルが鳴るまでわからない。まずは、この後半立ち上がりをしっかりとーーー。
・・・そう思っていた矢先に。
50分、後半開始から投入のMF疋田 優人に、起用に応えるゴールを決められてしまうと。
僅か3分後、FW深堀 隼平に同点ゴールを決められてしまうことに。
まるで、前半の2ゴールをやり返されてしまったかのような展開で、試合を振り出しに戻されてしまったカターレ。
おいおい、「2-0は危険なスコア」とか、そういうのいいから。この展開で逆転負けとか、あっちゃならないから。
そうだ、ここからだ。ここからカターレのの底力が問われるところ。なんとしても勝ち越しゴールを挙げてーーー。
71分、今瀬がペナルティエリア内でファウルを取られ、痛恨のPK献上。
先の岩手戦に続くPK阻止を期待したものの。再び深堀に決められるかたちで、痛すぎる逆転ゴールとなってしまいました。
この日の愛媛は、出場停止の松田に加えて、主力FWであるベン ダンカンも欠場。ならば自分が!と気合の入っていたであろう深堀に、してやられてしまったかたち。
さらに、それだけにとどまらず。
同点、逆転に向けて前がかりになっていたカターレに、隙を突いてカウンター。
81分、三度、深堀。試合を決定づけるようなハットトリックをかまされ、4失点目を献上してしまったのでした。
なんで、この試合でなんだ。
頑張っても報われない試合もある。逆転負けのしあいもある。
けれど、なぜそれが、よりにもよって「ここぞ!」という試合にかちあうのか・・・。
悪辣なカミサマの、嘲笑、せせら笑いが聞こえてくるような展開。
それでも。
選手たちが試合を投げ出してしまうことはありませんでした。
最後まで必死にプレーし続ける姿勢に、曇りはありませんでした。
91分、交代出場の松岡のクロスを柳下が体ごと飛び込み、意地のゴール。
ただ、反撃及ばず試合終了。
勝てた試合、勝たねばならなかった試合を落とし、今季初の連敗となってしまったのでした。
首位攻防戦で敗れ、6ポイントマッチ、あるいはそれ以上のダメージを被るかたちで首位陥落。前節の富山戦勝利に続いて連勝となった鹿児島にも抜かれるかたちで、順位を3位にまで落とすことになってしまったカターレ。
また、「ここぞ!」という試合で勝てなかったという事実。重いです。
反省すべき点もあれば、至らなかったところもありましょう。悔やんでどうにかなるなら悔やむのもいい。けれど、それだけではどうにもならない。
時は、待たない。
落ち込む間もなく、次の新潟戦はやって来ます。
今節の出場メンバーだけでない、カターレ富山というチームとして、どうこの難局を乗り越えていくのか。
ひとりひとりが、なすべきことをやり遂げる覚悟が、今こそ問われます。
このままでいいわけがない。
乗り越えた先にある栄光を、決して見失ってはなりません。
首位を奪還し、必ずや優勝を成し遂げるために。
落ち込んでいる暇は、ありません。