『子どもたちに今、何が起こっているのか――。公立小中高校生による暴力行為が昨年度、山梨県内で303件と過去最悪を記録した。 教師の指導に従わず暴力に訴える児童や生徒たち。「感情をコントロールできない子どもたちが増えている」。現場の教師や教育の専門家らはそう口をそろえる。こうした子どもたちがなぜ増えているのか、その背景に何があるのかを探った。暴力行為の実態、数字以上 県内の小学校に勤める50歳代のある女性教諭は、けんかの仲裁に入り、児童から拳で顔を殴られ、あざをつくったことがある。県教委に「暴力行為」として報告してはいない。「傷害だが、警察が来るような事態にはしたくない。暴力行為の実態は数字以上に多く、より深刻だ」と打ち明ける。 「やつがにらんできた」と言って友達に急に殴りかかる。突然、教室の机をけ散らす。相手が泣いているのになおもたたき続ける。そんな暴力行為をする児童が数人いる。 こうした児童には父親が母親に暴力をふるうなど家庭環境に問題があるケースもある。問題行動を注意すると、すぐに学校に乗り込んでくる「モンスターペアレント」もいる。現場が疲弊し、子どもたちに十分向き合えないなど教師の側も問題を抱えてはいるが、この教諭は「家庭環境が児童の行動に深く影響しているのではないか」と訴える。 児童に対しても、親に対しても「なだめすかしながらの指導」になりがちだ。精神的に参って転任した同僚もいた。教諭は「教師たちは疲れ切っている」と力無く語った。 都留文科大の副学長で、文学部初等教育学科の高田理孝(みちたか)教授(教育心理学)は、10年ほど前、保育園の学級崩壊が問題化した時の園児らが現在中学生になっていることを例に挙げ、「家庭の教育力が低下している。家庭や地域での教育力を高めないと子どもの暴力行為は減らない」と指摘している。02年度から増加傾向 統計が残る1997年度以降でみると、県内の公立小中高生による暴力行為は、2002年度から増減しながら増加傾向にある。08年度は全体の合計が303件と初めて300件を突破して過去最多となり、小学校(24件)と中学校(211件)でも最多となった。 県のスクールカウンセラーを務める山梨英和大人間文化学部の窪内節子教授(学校臨床心理学)は、カウンセリングに訪れた小中学校で、「普通」の子どもたちが理由もなくバケツを蹴ったり教諭に罵声(ばせい)を浴びさせたりする現状を目の当たりにしてきた。「自分の気持ちを表現するコミュニケーション能力が不足している」と断言する。 その理由として、窪内教授は、外ではなく家で遊ぶ子どもが増えた影響を指摘する。鬼ごっこや缶けりなど外遊びにはコミュニケーション能力を育む「ルール」がある。だが、近年は保護者が犯罪被害を恐れるなどして外で子どもを遊ばせなくなった結果、「子供たちは家でテレビゲームをするしか選択肢がなく、コミュニケーション能力が養成されない」という。 さらに、不況で大人がストレスを抱え、親が子どもをどなったり、たたいたりする例も増えているといい、窪内教授は「親が子どもと言葉で意思疎通ができなくなっている。子どもは無意識のうちにストレスがたまり、親と同じ方法でストレスの発散をしようとしているのでは」と分析している。 学校心理士で山梨大教育人間科学部の鳥海順子教授(障害児教育)は、少子化の影響を指摘する。 子どもは、少子化で数が減り、常に親や教諭など大人の目の届く環境に置かれるようになり、大人の評価に過敏になっている。小さい頃から「大人から常に良い評価を得たい」と思いながら生きているが、小学校高学年になると、いつも良い評価を得られる訳ではないことに気づく。 大人が期待する理想の自分になれない「実際の自分」を突きつけられ、ストレスを抱え込んだ結果、ちょっとしたことでキレやすくなるとみている。』(2009年12月2日 読売新聞)
先生でも小学校の児童の喧嘩の仲裁に入るのがなかなか難しいと思います。初めの内に止めないと殴り合いが始まってからでは先生も殴られる事も多いと思います。小さい頃から子供達同士外で遊んで、り言い合いをしたり、口喧嘩をしたりする子供達同士の係わり合いや コミニュケシーョンが無いのではない無いでしょうか。子供達同士が喧嘩もした経験が無いので、殴り合いになれば、相手が泣いていようと怪我をしようと止め方も知らないのではないでしょうか。昔は年上の子供が、喧嘩になっても程の良いところで止めに入ったりして、毛がしなかつたと思います。にらんだから喧嘩になるなんて、中学生のゴンタの喧嘩の仕方と変わりませんが。直ぐに切れたりして、心に余裕が無いのかも分かりませんね。理由もなくバケツを蹴ったり先生に罵声を浴びせる児童は私の小学校時代はいなかったと思います。今の先生より、先生の方が強くてそんなことしたら殴られたと思います。その場で叱ることも大事では有りませんか。子供達が外で遊んでいると心無い非常識な大人に怪我をさせられたり、殴られたりいたずらをされる無用心な時代なのでお母さん達も外で、子供達を遊ばせられない時代なので無理も有りませんか。テレビゲームや携帯ゲームで遊んでいるだけでは子供達もストレス解消や気分転換出来ないのでは有りませんか。子供は風の子、元気な子で夕方まで子供達同士が、伸び伸びと安全に遊べる場所が必要と思います。世界同時不況の影響で、親御さんも仕事ののストレスや欲求不満を身近にいる子供達にぶっつけ、当たり散らさないようにして下さい。モンスターペアレントの問題は、子供の躾や教育は親の責任と言うことを忘れ学校に保護者としての責任を転嫁しています。自分の子供なんですから家庭教育の範囲内の事は、保護者が責任を持つべきです。学校に家庭教育の問題まで持ってこられたら校務で忙しい先生も疲れ参ってしまいます。自分の子供に責任を持たない無責任な保護者がいつの間にか今の日本で増えたと思います。親や先生から見て、褒められたり、良い子供になろうと考えずに完全な自分を求めずにありのまま自分見つめて、日常生活を送って欲しいと思います。教育現場の担任の先生方が、気軽に子供達と裃を脱いでよきカウンセラーとして話し合え、保護者ともざっくばらんに話し合い解決を見出せる対話のある明るい学校になればと思います。