『宮城県立の中高一貫併設校としては2番目となる仙台二華中学校・高校が来春開校する。中学校の願書の受け付けは10日に締め切られ、競争率は10倍を超す見通しだ。学校側は「進学面を含めた中高一貫校の特色への期待の高さが結果につながった」とみている。 二華中高の母体となる宮城二女高(仙台市太白区)。願書の受け付けが始まった4日、受験を希望する児童の保護者が相次いで訪れた。この日だけで約300件となり、定員の80人を超えた。このペースはその後も大きく落ちることはなかった。 県内初の公立の中高一貫校・古川黎明中は開校初年度の2005年度に5.6倍、今春開校した仙台市立仙台青陵中等教育学校は6.31倍なので、10倍超は極めて高い数値だ。 学校側が7月に開いた説明会は1290組が申し込み、民間が実施した「二華中模試」には毎回、1200~1500人程度が参加。二華中高の開設担当者は「これまでの反応を考えると、出願数は予想の範囲」と語る。 県教委の高橋仁・高校教育課長は「伝統校をもとにした新設校であることやカリキュラム、仙台駅に近い地理的条件などが魅力に感じられたのでは」と分析する。 学習塾グループ「仙台進学プラザ」の担当者は「織り込み済みの数字。全国的に見ると、公立中高一貫校の初年度の倍率は高くなる傾向がある」と話す。首都圏の新設の一貫校では、10倍を超えるケースが多い。 二華中の人気の背景として、高い進学実績を持つ宮城二女高が母体であることを指摘。ブランド力が生きた格好で、「その分が(母体のない)青陵中等教育学校との差として出ている」。 県立の中高一貫併設校のうち、中学校は「学力検査を行わない」と定めており、複数の基準で選抜する。 その方法は、総合問題と作文、集団面接からなる適性検査を来年1月9日に実施し、その結果に調査書と志願理由書を加味する。 総合問題は「与えられた課題を理解し、これまでの体験や身に付けてきた力を基に、論理的に考え、的確に判断し、解決する力や表現する力など」を問うとしている。 09年度の場合、大きく3問に分かれ、教科横断的な設問が並ぶ。 「田んぼが米をつくるだけでなく、ほかにも大切な役割を果たしている〈中略〉。その役割とはどのようなことか」 「日本の食料自給率の状態から、日本の食料について心配されることは、どのようなことか」 ただ、今回のような高倍率では、3問の総合問題では差がつかない恐れがある。今春約17倍だった千葉県立千葉中は2段階選抜、いわゆる「足切り」をしたうえで選抜した。 高校教育課の高橋課長はこの手法について「課題があるようであれば検討したい」と話している。』2009年12月15日アサヒコム
1904年5月7日の設立の伝統有る男女別学の宮城県立第二女子高等学校を県立の中高一貫校としないと中高一貫校としての難関国立大學への合格者を出す事は至難の業と思います。今年の仙台第二女子高等学校は、宮城県内の県立女子高等学校ではトップ高校ですが、今年の大學進学実績は、北海道大学2名、東北大学28名、弘前大学4名、岩手大学10名、宮城教育大学11名、山形大學18名福島大学12名 、新潟大學2名です。東京大学や京都大学にどれだけ現役合格者をどれだけ出せるかどうかが今後の中高一校としての将来性占うことになると思います。地方で、私立の進学実績を上げている伝統有名中高一貫校が無い場合は公立高等学校で進学実績を上げている高校を中高一貫校に衣替えしないと難関国立大學への合格者数を増やすことは、現実には大変難しいと思います。仙台市初の中高一貫校として平成21年4月9日に開校した仙台市立青陵中等教育学校の中高一貫校としての評価は、6年後と言うことになり、なかなか前途多難ではないかと思います。卒業生がどれだけ国立難関大学に合格者が出せるか、未知数と言わざるを得ません。東京都の新設の中高一貫校では、10倍を超えるケースが多く、保護者にも人気が出たらしいですが。公立の新設中高一貫校からの卒業生がどれだけ難関国立大学に合格者を出せるか、答えは6年先にと言うことになります。公立の新設中高一貫校が出来たからと言って、難関国立大學に合格出来る保障は有りません。新設の場合、伝統有る公立のトップ校、塾では1番校と言っていますが、1番校より合格者を多数出せるかが評価の基準になります。私立の中高一貫校より学費が公立なので、不況の折ですから保護者は助かりますが。公立の新設中高一貫校は、大學合格実績を予測すれば未知数と言うことになります。公立の新設中高一貫校に入学すれば、難関国立大学に合格できると信じるのは早計過ぎます。公立の中高一貫校は、私立の有名中高一貫校に比べて歴史が浅く、少子化の18歳人口の減少期を見越し、優れた指導力の有る良い先生を集め、6年間のカリキュラムを充実させ、週休5 日制も取り入れず授業に力を入れています。 教育の成果は、直ぐに出ない。花を育てるのに1年、木を育てるのに10年人を育てるのに50年と言われています。私立の有名中高一貫校は、年々難関国立大學への合格実績を長い視野から見据え今日の合格実績基盤を作って来ています。公立の中高一貫校が、私立の有名中高一貫校と肩を並べれる日が来るのには、最低10年以上は、かかるように思えてなりません。教育は、木の年輪と同じではないでしょうか。ドイツを代表するお菓子バウムクーヘンと同じです。長年の積み重ねで、教育的効果を学力テストの点数や偏差値に結び付けてすぐに出せるものではないと思います。