森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ユズリハの実を見て思う

2008年07月25日 | 自然観察日記
 よく知られたユズリハです。放射状の葉の並びが美しいですね。縁起物としてお正月に飾られるものですが、実を含めて有毒植物らしく、家畜が食べて事故が起こったという話があります。
 それはそうと、このユズリハは長岡の東山の「自然観察林」という公的に整備された園の中にあるものを写したものです。そもそも越後には矮性のエゾユズリハというのが普通にありますが、高木になるユズリハはありません。これは西日本の種です。「自然観察林」を整備するために、わざわざ植えたものです。これ以外にもいろいろなものが植えられました。
 でも、何か変ですね。「自然」を観察するのにそこにはないものを植え込むなんて・・。「植物園」ならそれもありかな。「自然観察林」となるとやっぱり変です。それも、そこの植生を考慮して移植されたというならまだしも、業者の持ち合わせの樹種を植えたようだというのですから・・いやはや。一昔前の公的事業の一端です。
 おまけに移植したユズリハはほとんどが雪に痛めつけられて、見る影がありません。いづれ適応しないものは消えていきます。ゆっくりと時間をかけて、あるべき姿に戻っていくと考えられています。人の過ちを自然は直していくんでしょうね。