森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

老狸

2008年12月14日 | 自然観察日記
 人生は山あり谷あり・・・。なかなか厳しい現実が目の前に横たわっていて、直接の関係はないけれど、金融危機に合わせたかのように襲い掛かっきます。真冬に向かっているこの季節、話材も乏しいことをあって、ブログの更新もすっかり遠のいてしまいました。毎回訪れていただく方々には期待を損ねてしまい恐縮しています。春には、毎日このブログが更新できるようになっていることを私自身祈っているところです。
 少しばかり気持ちに余裕が出た薄日射す日、新年を迎えるためガラス拭きをしようと戸を開けると、そこに老いさらばえたタヌキがかすかな日差しを浴びています。最初は警戒しその場を立ち去ったものの、すぐに戻ってきて私が作業する足元にうずくまります。アップで見ると哀れな姿、この冬は越せそうにない雰囲気を漂わせています。
 生あるものは必ず死があります。このタヌキの姿はごく普通にある自然の一断面というのは頭の中ではよく理解しています。しかし、今はもう少し違った感情が胸に刺さります。死ぬときは醜く孤独なものなのだなぁ・・と、このタヌキを見ながらしみじみと感じてしまいました。