森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

シュンラン 果実2

2008年12月25日 | 自然観察日記
 揺すると割れ目の隙間から細かな種子が飛び散ります。この果実の中にはどれくらいの種子が入っているのでしょうか。万の単位くらいはあるのではないでしょうか。
 とにかく細かな種子で、カキの種子のような胚乳というものがありません。発芽後に必要な栄養はどうするのかというと、ラン菌という菌類の援助をもらって行っているのです。他には見られない特殊な性質ですね。
 それで、なんでこんな細かな種子を作るのかという一つの考えとして、ラン科植物は熱帯雨林などの森林帯で着生植物として進化したというものです。種子が細かいと風などで他の樹木に容易いに移動でき、そこでラン菌の助けを借りて発芽し着生植物として生活するというものです。植物界にあってもっとも進化した一つの形なのだそうです。

シュンラン 果実1

2008年12月25日 | 自然観察日記
 これは珍しい!シュンランの果実です。葉が刈り込まれていて、ここを管理する人が刈り払ったようで、その後に花を咲かせてここまで成長させたのでしょう。シュンランは里山にはよく見かけるものですが、果実を目にしたのは初めてなのです。幸運ですね。早くに葉を失った個体ですからなおさらです。