森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

オサシダ

2008年12月17日 | 自然観察日記
 深い雪に覆われる場所でも沢沿いの涯は真冬でもある程度の低温に耐えられれば結構光条件は恵まれる場所が見出せます。特に春先には最初に動き出す環境にあります。面白い植物がこんな環境に生活しています。ここ、貝掛温泉に続く沢筋の涯にびっしりと張り付いているオサシダの群落がありました。枯れた葉も防寒着としてまとい、ところどころに緑葉も配置して条件さえ整えばすぐにでも光合成ができるようにしています。

貝掛 雪景色 1

2008年12月15日 | 自然観察日記
 一つの別れと旅立ちがありました。そんな関わりの中で、湯沢の奥三国に行く機会がありました。
 今年も暖冬なのでしょう、師走というのにこんな山深い所でも積雪がありません。しかし、柔らかい雪が明け方から降っていたのでしょうか、この日の淡雪が木々の梢を花のように飾っています。物悲しい中にも忘れられない美しさがありました。途中、貝掛温泉の入り口近くを散策しながら、その雪景色をカメラに収めてみました。

老狸

2008年12月14日 | 自然観察日記
 人生は山あり谷あり・・・。なかなか厳しい現実が目の前に横たわっていて、直接の関係はないけれど、金融危機に合わせたかのように襲い掛かっきます。真冬に向かっているこの季節、話材も乏しいことをあって、ブログの更新もすっかり遠のいてしまいました。毎回訪れていただく方々には期待を損ねてしまい恐縮しています。春には、毎日このブログが更新できるようになっていることを私自身祈っているところです。
 少しばかり気持ちに余裕が出た薄日射す日、新年を迎えるためガラス拭きをしようと戸を開けると、そこに老いさらばえたタヌキがかすかな日差しを浴びています。最初は警戒しその場を立ち去ったものの、すぐに戻ってきて私が作業する足元にうずくまります。アップで見ると哀れな姿、この冬は越せそうにない雰囲気を漂わせています。
 生あるものは必ず死があります。このタヌキの姿はごく普通にある自然の一断面というのは頭の中ではよく理解しています。しかし、今はもう少し違った感情が胸に刺さります。死ぬときは醜く孤独なものなのだなぁ・・と、このタヌキを見ながらしみじみと感じてしまいました。