◼️「ふたりのマエストロ/Maestro(s)」(2022年・フランス=ベルギー)
監督=ブルーノ・シッシュ
主演=イヴァン・アタル ピエール・アルディティ ミュウ・ミュウ キャロリーヌ・アングラーデ
オーケストラの指揮者として名誉ある賞を受けたドニ・デュマール。母とビジネスパートナーの元妻は祝福してくれたが、偉大な指揮者である厳格な父フランソワ・デュマールは会場にも現れなかった。そんな父の元に一本の電話が入る。それは念願だったミラノ・スカラ座の音楽監督就任の依頼だった。当然、父は上機嫌。しかしその翌日、スカラ座の総裁に呼び出されたドニは、監督の依頼は父ではなくドニにで、秘書がデュマール違いで伝えたミスだと告げられる。ドニは父の誤解を解き、関係を修復することはできるのか!?
あらすじを読んで、チラシの絵柄を見れば結末の落としどころは確かにわかってしまう。でもそこに至るまでの人間ドラマがこの映画の見どころ。父も息子もこだわりある人だから、自分の思いばかりを押し付けがち。それに修復すべき関係は親子だけではない。ドニはバイオリニストの恋人とのすれ違いもあるし、父は大役オファーが来たことでパートナーへの感謝を今さらながら形にしたい。そんな彼らの間で接点となってくれるのが息子や元妻だったりする。
父が息子に語る真実は驚きの展開だが、予想以上に動揺することもない。それだけ父に与えられたことの大きさが、ドニにはあるんだろうな。ドニの母役ミュウミュウは若い頃に奔放な役柄が多かった人だけど、年齢重ねてからの仕事は素敵なお婆ちゃんが多い。
補聴器を装着する場面のサウンドの使い方も丁寧なつくりで好感。また、全編に流れるクラシックは耳になじみのある有名曲が多いので、クラシック音楽詳しくないからとこの映画を敬遠する必要はないと思う。派手さはないけれど、人間模様にほっこりしたい向きにはお勧めできる。
結末が宣材でバレバレだとしても、サマーシーズンの長尺活劇大作で疲れた身体には、この上映時間と音楽はちょっとした癒しになったかも。こんな感想を書く僕は、ちょっと夏バテ気味なのかもしれないな。
あらすじを読んで、チラシの絵柄を見れば結末の落としどころは確かにわかってしまう。でもそこに至るまでの人間ドラマがこの映画の見どころ。父も息子もこだわりある人だから、自分の思いばかりを押し付けがち。それに修復すべき関係は親子だけではない。ドニはバイオリニストの恋人とのすれ違いもあるし、父は大役オファーが来たことでパートナーへの感謝を今さらながら形にしたい。そんな彼らの間で接点となってくれるのが息子や元妻だったりする。
父が息子に語る真実は驚きの展開だが、予想以上に動揺することもない。それだけ父に与えられたことの大きさが、ドニにはあるんだろうな。ドニの母役ミュウミュウは若い頃に奔放な役柄が多かった人だけど、年齢重ねてからの仕事は素敵なお婆ちゃんが多い。
補聴器を装着する場面のサウンドの使い方も丁寧なつくりで好感。また、全編に流れるクラシックは耳になじみのある有名曲が多いので、クラシック音楽詳しくないからとこの映画を敬遠する必要はないと思う。派手さはないけれど、人間模様にほっこりしたい向きにはお勧めできる。
結末が宣材でバレバレだとしても、サマーシーズンの長尺活劇大作で疲れた身体には、この上映時間と音楽はちょっとした癒しになったかも。こんな感想を書く僕は、ちょっと夏バテ気味なのかもしれないな。