キュウリの収穫が日課になった。毎日20本以上を収穫しては、食べきれないので近隣や友人に食べてもらっている。主食は、米ではなく塩麹のキュウリ漬けだ。収穫と同時に病変が出ている葉をカットしていくのも大きな仕事となっている。そんなとき、派手なカメムシが葉に乗っていた。
珍しいカメムシだなと図鑑を見るがなかなか発見できないでいた。それはそのはずで、どうも「アオクサカメムシ」の幼虫のようだった。成虫はいつもよくみている緑一色のカメムシなのに。背中の目玉模様はやはり脅しの警戒信号なのだろうか。薄紅色がなんとも上品に見える。
頭の脇にある目玉はかわいく見える。幼虫の華麗さは人間の若さと同じ。おとなになるとどんどん個性をなくし、地味な「その他大勢」になっていく。そして、害虫に、老害に。
野菜を吸汁するカメムシの猛威は農家にとっては致命傷ともなる。そっくりなファッションを装う「ミナミアオカメムシ」は、田んぼの害虫として駆除の対象となっている。そこで使われる農薬が、ミツバチ激減の理由ともなっている。カメムシの多様性は認めるが食害は認可できない。