今年のフキノトウの生育は気候不安定のせいか思わしくない。今年は全部で20個くらいはできたのだろうか。往年は100個を超えていたのに。近所の放置された所には立派なフキノトウの群落が出ているが人様の土地なので見るだけなのが残念。
だから、まずは採らないでがまんしていたのに、誰かがその芽を盗んでしまっていたのだ。被害は5~6個くらいだった。フキノトウは数年すると移動するように思えた。開拓者としてはたくましいが、同じ場所にいるのは飽きっぽいのではないかと推察している。5~6年もすると、その場所からいつのまにか消えてしまうことがある気がする。
さて、その犯人だが、どうもフキノトウのそばにいたのはタヌキではないかと当局はマークしているようだ。しかし、様子に元気がない。ふつう、人間に見られたらすぐ逃げるのだが、その気配がなかった。正面の毛並みは立派だったが、腹側は疥癬病にかかっているようだった。食べ物が見つからない冬だったからだろうか。カメラを向けるとスタスタと茂みに帰っていった。
あわてて、畑の脇の生き残ったフキノトウを収穫しててんぷらにする。フキノトウはもう終盤になっているようで今を採り残すと食べるチャンスはなくなる。
温かいかけそばの上に、てんぷら・フキノトウを乗せ、畑で採れた「のらぼう菜」と近所からいただいた「ユズ」を添えていただく。今年初めてのフキノトウの味を堪能する。長い冬の寒さを越え、この苦みこそ春の到来を納得させてくれる。