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キノコの師匠から天然マイタケが贈られてきた。山梨の山奥で命がけでゲットした貴重なマイタケだ。オラも数十年前に参加したことがあるが、迷子になったり遅れたり採りたてのキノコ料理を無心したり、迷惑をかけっぱなしのキノコ修業だった。さすがに、現地に駆け付けるほどの体力はないが、オラと年齢が近いにもかかわらず今年もタフなおじさんたちは崖をよじ登って大量のマイタケをゲットしたようだ。
師匠のブログからの画像には見事な天然マイタケが写されている。送られてきたマイタケはおそらくそのうちの一つに違いない。それほど見事な姿のマイタケだった。マイタケの発生場所はほぼ決まっているようだが、毎年発生するとは限らない。だから、それぞれの大木の位置情報や発生した年を覚えておかなくてはいけない。しかし、奥山の中でそれを覚えておくのは常連者でないととても覚えられない。オラにはミズナラの大木と言っても同じようにしか見られない。
大自然がそこにあること自体が奇跡なのだ。そこが開発されたり観光地になったり戦場になったりしたらマイタケをはじめとしたキノコ群は絶滅してしまう。森全体を支えているのはじつはきのこ系の菌類だというのはあまり知られていない。
さっそく、和宮様はマイタケ料理に腕を振るう。やはり、マイタケは天ぷらが一番のようだ。栄養素も香りもそこに閉じ込められ、それが旨さや歯ごたえにもなるという。「幻のキノコ」と言われたマイタケが人工栽培されたのが1970~80年代。それ以降、普通にスーパーにも置かれるようになった。それはそれなりにマイタケ愛の極致でもある。それを汗を流しながら危険を覚悟しながら天然マイタケをゲットしていく心意気はさらに小気味いい極地でもある。
マイタケは、腸内細菌を活性化してからだの免疫力を高めるのをはじめ、抗がん・抗酸化作用、糖尿病対策などいいことずくめの食品でもある。だからといって、食べ過ぎると胃に負担をかけてしまう。それはマイタケに限らずキノコ全般にも言えるが。
マイタケの炊き込みご飯も二日連続していただく。香りも歯ごたえも旨味も三拍子そろった料理となった。ついでに、高価なサンマも調子に乗って食べてしまった。
ついでながら、マイタケを食べて踊ったほど喜んだということを、いにしえの「今昔物語集」に記載されていてそれが名前の由来となったらしい。それが最近では、食べたキノコは毒キノコの「ワライタケ」を食べたからではないかと言われているそうだ。話題がつきないマイタケである。