森町の「アクティ森」の隣のそば処「ほっとり」で手打ちそばを食べる。地元「天方地区」の農事組合法人のお母さんグループ「あじさい」が運営・調理している。地域おこしの一環でコテージも管理している。北海道産そば粉の二八そばだがコシがありうまい。残念ながら森町産ではなかった。
この近郊で作られるそばがきは、「そばぼっとり」と言う。それが「ほっとり」と言うようになったらしい。ちなみに天竜の龍山地区では表面をパリッと焼いて生姜醤油をつけて食べる、佐久間地区では柚みそをつける、水窪地区では丸めて囲炉裏で焼く、など食べ方は多様だ。人をもてなしたり、おやつにしたりの蕎麦の粉文化が江戸から今に伝わっている。
北斎が「栄える都市の番付」として「古着市」で有名だった森町を「前頭」に挙げていたという。二宮尊徳の「報徳社」運動の指導者を多く輩出するなど、なるほど、そんな息吹の痕跡と可能性が秘められているのを確認した森町めぐりだった。