開会式は伝統を重んじる国、イギリスらしい演出だった。
これで史上初の3回目の五輪開催とあって余裕さえ感じさせ、“世界はひとつ”のコンセプトが演出でよく理解できる感動的な開会式だった。
前回の北京五輪の開会式は、これでもかこれでもかといえる演出で、驚きはしたが、個人的に感動は覚えなかったのはなぜだろう。
ロンドン五輪開会式は、歴史と伝統を再現する田園風景や産業革命を再現するなど、新興国にはできない重厚な趣があった。
1964年の東京オリンピック開会式では、国立競技場に整然と入場行進する各国代表の姿があったが、あれから50年近く経った今、開会式そのものが年を追ってショーアップされ、開会式前の華麗で賑やかなショーが注目されるが、入場行進も自由な雰囲気の軍隊の行進風景を思い浮かべるものでなくなったのは、大変良いことだ。
それに、7人の若手選手がそれぞれの複数の聖火台に火を点し全ての火がひとつになるシーンは、テレビの画面にじっと見入っていた。
さすが、イギリス。古い国だが新しい発想もできる伝統の強さを見せていた。
それは、年齢層によっても感じ方が異なると思うが、私にはこれまでで最高に近い大きな感動を与えるものだった。
すでに競技が始まっている。
五輪金を目指すなでしこJAPANも第1次リーグ第2戦強豪とのスウェーデンとの一戦は、まもなく午後8時キックオフ予定。暑い土曜夜だ。