本日、時々。
週末は、シャロムヒュッテであずみの自然農塾でした。
今週末は、Azumino自給農スクールです。
先日、Azumio自給農スクールの生徒さんから以下のような質問が寄せられました。
Q.「土づくりついて質問があります。
現在、農薬・肥料たっぷりで野菜を作っている畑で、
話を聞いていたら、ねずみ対策に「ねずみ殺し」をまいたり、
雑草とりが大変なので、畑の端は雑草取りが大変なので除草剤をまいたりしているという、とても悲しい状態でした。
畑を見に行きましたが、雑草はほとんど生えておらず、スギナがちらほらあるだけ。
野菜自体は、畝を作って、今はじゃがいも・里芋・さつまいも・ねぎが植えられてました。
昔からの農家さんで、おばあさんが一人で耕してます。
このような大変な状態の畑から有機栽培や自然農を目指すには、どんな方法で、何年くらい努力して行えば、
なんとか思ったような土に再生する事が可能でしょうか?」
無農薬栽培を志す方からの質問です。
今までの昔ながらの有機農業が戦後崩壊し、現在のいわゆる慣行農業の農薬・化学肥料・除草剤漬けになって50年以上経ちました。
ご質問いただいたような畑は、日本の至る所にあり、日本の伝統の農業は失われつつあります。
戦後の食糧難に伴なって、食料生産のために、農薬・化学肥料が導入され、
酸性が強く、ミネラル不足の日本の農地に、石灰や苦土石灰、リン酸肥料の多用が推進されいまだに、
その時の指導が基本的にそのまま推進され現在に至っています。
私は科学者ではないので、完全な答えはいえませんし、
残留農薬についてもどの程度残留し、何年で回復するなどはっきりとはわかりません。
しかし、私ならそのような農地をお借りできたなら、以下のように取り組み、現在自然農・自然農を行っています。
参考にしてみてください。
A.私の場合、大きく分けて3つの道を選びます。
1)現状で育てやすいものを育てながら、土づくりを兼ねて草を生やし草マルチをたっぷりし、ゆっくり土を回復させる方法。
2)土壌分析などをし、過不足を有機資材で調整し、緑肥作物を併用させ、はじめの1年は土の回復に専念する方法。
3)土壌分析などをし、過不足を有機資材で調整し、最初の年は、ネギや麦や大豆など穀類を育て土の回復をはかり、
2年目からは、緑肥作物と野菜を同時に育て、緑肥作物を草マルチしていく方法。
3つの方法はお好みです。
いずれにせよ、今まで戦後の続けられてきた農薬・化学肥料・除草剤で土は疲弊しています。
生き物も単純化したり、激減していることでしょう。
そこで、現状で育てやすいものや、土を回復してくれる作物を優先的に育て、緑を増やします。
緑を増やし、草マルチすることで、生き物も増え、土が回復してきます。
農地の状況によってもことなり、1)~3)のやり方によっても異なりますが、
やり始めて2~3年以上経つと、生えてくる草が変わってきます。野菜の育ちも変わってきます。
火を起こすのに似て、最初は火がつかず、広がるまでに時間がかかりますが、変わり始めてくると一気に変わる時がきます。
以下は、その参考にしてみてください。
1.まずは、養分(化学性)がどの程度偏っているのか、現状を調べます。
ホームセンター・農協などで、簡易でいいので土壌分析をします。
その結果の数値を観て、土の化学性の現状を知ります。
見どころは、野菜が育ちやすいEC(水分に溶けた窒素養分の目安)が1.0~2.0かどうか、
PHが、5.5~6.5かどうか。などです。
足りなければ、有機肥料を足したり、
過剰であれば、むやみに資材を投入せず、ライムギやネギなど植えて引き算をしたり調整します。
2.次に、土のタイプ(物理性)を活かします。
土には、砂地、火山灰土、粘土土など様々な土質があります。
手でこよりを練ってみて、長く細く伸ばせるようであれば、粘土が強く、肥料や水の持ちが良い重い土の傾向がありますが、
余りに粘土が強いと、水はけが悪く、乾燥するとひび割れるような土かもしれません。
こよりができないようであれば、水はけがよく、肥料分を保持できにくい、砂や火山灰土など軽い土の傾向があり、
農作業はしやすいのですが、肥料切れや乾燥しやすいかもしれません。
いずれにせよ。土に腐植が増え、生き物が増え、土が「団粒構造」と呼ばれるミミズのコロコロしたフンのような土になれば、
水持ちがよく、水はけがよく、肥料保持能力がよくなります。
そのために、堆肥など投入する方法もありますが、草をある程度生やし、根を抜かず、刈った草を野菜の根元に敷く「草マルチ」
をすることで、根は自然と分解され土を柔らかくし、
草マルチはいずれ自然堆肥になり、その下にミミズなどが集まり、土の腐植が富み、団粒化してきます。
3.とにかく、単一の野菜だけを育てようとすると、どうしてもバランスが崩れやすいので、
色々な野菜や緑肥作物など相性を考えながら混植栽培し、草マルチを重ねていけば、生き物が多様化し、
害虫だけでなく、害虫を食べてくれる益虫や、ただの虫などがバランスを自然と整えてくれます。
「土は1日にならず」です。
土づくりというより、野菜が育ちやすい「野良」を畑に再現、復活できるように野菜が育つ環境を育ててみてください。
自然は雄大です。ゆっくりですが、確実に回復します。
その回復を妨げず、促進するような配慮が、「野良仕事」(野を良くする事に仕えること)です。
自然力が回復した畑は、気持ちがよく、野菜も美味しく、育てるのも楽になります。
このブログはその参考になればと思って書いております。
少しでもお役にたてば幸いです。
Azumino自給農スクール
育苗コース、田畑コース、畑コース、田んぼコースを選べます。
「無農薬・ずくなし家庭菜園講座」
カルチャーセンターをはじめ3つの講座。
メルパルクカルチャー、城山教室(長野市)は、5月7日(月)、
NHKカルチャーは、5月9日(水)です。
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週末は、シャロムヒュッテであずみの自然農塾でした。
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先日、Azumio自給農スクールの生徒さんから以下のような質問が寄せられました。
Q.「土づくりついて質問があります。
現在、農薬・肥料たっぷりで野菜を作っている畑で、
話を聞いていたら、ねずみ対策に「ねずみ殺し」をまいたり、
雑草とりが大変なので、畑の端は雑草取りが大変なので除草剤をまいたりしているという、とても悲しい状態でした。
畑を見に行きましたが、雑草はほとんど生えておらず、スギナがちらほらあるだけ。
野菜自体は、畝を作って、今はじゃがいも・里芋・さつまいも・ねぎが植えられてました。
昔からの農家さんで、おばあさんが一人で耕してます。
このような大変な状態の畑から有機栽培や自然農を目指すには、どんな方法で、何年くらい努力して行えば、
なんとか思ったような土に再生する事が可能でしょうか?」
無農薬栽培を志す方からの質問です。
今までの昔ながらの有機農業が戦後崩壊し、現在のいわゆる慣行農業の農薬・化学肥料・除草剤漬けになって50年以上経ちました。
ご質問いただいたような畑は、日本の至る所にあり、日本の伝統の農業は失われつつあります。
戦後の食糧難に伴なって、食料生産のために、農薬・化学肥料が導入され、
酸性が強く、ミネラル不足の日本の農地に、石灰や苦土石灰、リン酸肥料の多用が推進されいまだに、
その時の指導が基本的にそのまま推進され現在に至っています。
私は科学者ではないので、完全な答えはいえませんし、
残留農薬についてもどの程度残留し、何年で回復するなどはっきりとはわかりません。
しかし、私ならそのような農地をお借りできたなら、以下のように取り組み、現在自然農・自然農を行っています。
参考にしてみてください。
A.私の場合、大きく分けて3つの道を選びます。
1)現状で育てやすいものを育てながら、土づくりを兼ねて草を生やし草マルチをたっぷりし、ゆっくり土を回復させる方法。
2)土壌分析などをし、過不足を有機資材で調整し、緑肥作物を併用させ、はじめの1年は土の回復に専念する方法。
3)土壌分析などをし、過不足を有機資材で調整し、最初の年は、ネギや麦や大豆など穀類を育て土の回復をはかり、
2年目からは、緑肥作物と野菜を同時に育て、緑肥作物を草マルチしていく方法。
3つの方法はお好みです。
いずれにせよ、今まで戦後の続けられてきた農薬・化学肥料・除草剤で土は疲弊しています。
生き物も単純化したり、激減していることでしょう。
そこで、現状で育てやすいものや、土を回復してくれる作物を優先的に育て、緑を増やします。
緑を増やし、草マルチすることで、生き物も増え、土が回復してきます。
農地の状況によってもことなり、1)~3)のやり方によっても異なりますが、
やり始めて2~3年以上経つと、生えてくる草が変わってきます。野菜の育ちも変わってきます。
火を起こすのに似て、最初は火がつかず、広がるまでに時間がかかりますが、変わり始めてくると一気に変わる時がきます。
以下は、その参考にしてみてください。
1.まずは、養分(化学性)がどの程度偏っているのか、現状を調べます。
ホームセンター・農協などで、簡易でいいので土壌分析をします。
その結果の数値を観て、土の化学性の現状を知ります。
見どころは、野菜が育ちやすいEC(水分に溶けた窒素養分の目安)が1.0~2.0かどうか、
PHが、5.5~6.5かどうか。などです。
足りなければ、有機肥料を足したり、
過剰であれば、むやみに資材を投入せず、ライムギやネギなど植えて引き算をしたり調整します。
2.次に、土のタイプ(物理性)を活かします。
土には、砂地、火山灰土、粘土土など様々な土質があります。
手でこよりを練ってみて、長く細く伸ばせるようであれば、粘土が強く、肥料や水の持ちが良い重い土の傾向がありますが、
余りに粘土が強いと、水はけが悪く、乾燥するとひび割れるような土かもしれません。
こよりができないようであれば、水はけがよく、肥料分を保持できにくい、砂や火山灰土など軽い土の傾向があり、
農作業はしやすいのですが、肥料切れや乾燥しやすいかもしれません。
いずれにせよ。土に腐植が増え、生き物が増え、土が「団粒構造」と呼ばれるミミズのコロコロしたフンのような土になれば、
水持ちがよく、水はけがよく、肥料保持能力がよくなります。
そのために、堆肥など投入する方法もありますが、草をある程度生やし、根を抜かず、刈った草を野菜の根元に敷く「草マルチ」
をすることで、根は自然と分解され土を柔らかくし、
草マルチはいずれ自然堆肥になり、その下にミミズなどが集まり、土の腐植が富み、団粒化してきます。
3.とにかく、単一の野菜だけを育てようとすると、どうしてもバランスが崩れやすいので、
色々な野菜や緑肥作物など相性を考えながら混植栽培し、草マルチを重ねていけば、生き物が多様化し、
害虫だけでなく、害虫を食べてくれる益虫や、ただの虫などがバランスを自然と整えてくれます。
「土は1日にならず」です。
土づくりというより、野菜が育ちやすい「野良」を畑に再現、復活できるように野菜が育つ環境を育ててみてください。
自然は雄大です。ゆっくりですが、確実に回復します。
その回復を妨げず、促進するような配慮が、「野良仕事」(野を良くする事に仕えること)です。
自然力が回復した畑は、気持ちがよく、野菜も美味しく、育てるのも楽になります。
このブログはその参考になればと思って書いております。
少しでもお役にたてば幸いです。
Azumino自給農スクール
育苗コース、田畑コース、畑コース、田んぼコースを選べます。
「無農薬・ずくなし家庭菜園講座」
カルチャーセンターをはじめ3つの講座。
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