無農薬・自然菜園(自然農法・自然農)で、持続できる自給自足Life。~自然な暮らしの豊かさの分かち合い~

信州の大地で自然農と自然農法で育てる自給農園で、日々の営みや生命を通して感じることや想うことを発信するブログ。

水やりに関して 

2013-07-12 08:56:48 | 自然菜園の技術 基本
本日、

いつもありがとうございます。竹内孝功です。

自然農の菜園をコンサルした際に、水やりをしないのが基本だけれども、水をあげないと枯れてしまいそうというご質問、相談があり、以下の文を書きました。

熱い中、熱中症のならないよう気をつけながら、以下の水やりについて一読いただき、参考にしてみてください。


【水やりに関して補足説明】

1)「水やりは基本的に必要ないように育てる」。が基本です。
では実際に、水やりが必要ない用にどのように育てるかは、以下の点が重要です。

「無暗に水やりをしない。」
へたに水やりをすると、水をあげないと育たない、根がみずのあげた場所にしか育たず、適当に水やりをすると、かえって根が浅く、枯れやすい根になるか、あげた場所にしか根が行かず、根性無しになってしまいます。

そのため、7~10日の間に、水が全く降らない異常気象や野菜が枯れてきたときなどは、株元の草刈りをし草マルチを厚くしてから、夕立のごとく1つの作物にバケツ半~1杯ほどたっぷりと3回に分けて深く深くしみこませ、根を深く張れるようにします。

「野菜の生長に合わせて株下の草を刈り、草マルチを徹底する」
どんなに丁寧に水をあげても、所詮人知の為すこと。野菜の根が育つには、適切な保湿と一定の空気量、つまり水分50~60%の土が最適。

みずやりでは、一時的な補いに過ぎない。そこで、野菜の生長に合わせて(外葉の真下に根が来ている)、株元の草を刈り、それを草マルチにすることがもっとも、野菜の根を深く、たくましく育てます。水をあげなくても育つ根を育てる基本です。

「草マルチを厚くする、必要があれば米ぬかなど補う」
野菜の育ちにくい畑は特にそうですが、生き物が単純化していたため、ミミズやヤスデなどが乏しく腐植や団粒構造が発達していないため、根を育てる水や養分などの持続力がとても乏しいものがあり、時に水やりをしないと最低限の生命も維持できない状況があります。

亡骸の層はいきなりはできませんし、毎日の営みの中で確実に育つものでもあります、現時点では、せっかく集まった生き物や野菜や草の根に水分や米ぬかを補って現状維持しながら野菜を育ててもらっておりますが、

本来は、水も米ぬかも草と野菜を同時に育て、生き物を増やし、それらが亡骸の層として数年後には、水やりも米ぬかさえも要らない自然農を本格化できる畑にするために、何よりも大切なのは、草マルチです。
 
 亡骸の層は、草マルチだけでなくそこに生き物が集まり、野菜の根が張ってこそできます。
いわば、里山の樹の下に落ち葉(草)が何年にもわたり重なり落ち葉の層(草マルチ)され、菌糸やカブトムシの幼虫が落ち葉の層を食べ、分解し、腐植(亡骸の層)となり、巨木を自然に育てます。

 野菜の育ちにくい畑の場合、野菜を育てるのであれば、野菜の株下に草を刈って敷いても生き物が集まりにくく、そのきっかけとして生き物に餌を撒く感覚で、米ぬかなど草マルチの上から補って、亡骸の層を積極的に作っていく必要があります。

 草マルチを重ねいくと、亡骸の層ができてきます。そうすると、土は腐植が多くなり、団粒化してきます。
この団粒化した土が、発達すると拙著にもあるようにマクロ団粒構造※p10参照になると、水やりも不要になってきます。
今年のためには、水やりも必要ですが、来年以降のためであれば草マルチが今から必要です。

「自然に耐えたものから自家採種」
→厳しい環境に耐えて生き抜いた美味しい野菜から自家採種することで、その環境に合った野菜のタネが採れます。
 毎年刈ってくるタネは、違う環境で、化学肥料や農薬、水を駆使し、自然農に向いているものはほとんどございません。

結論
つまり、水をあげないことで、根が深く張れる野菜が育つ。そのためには、野菜の生長に合わせ、株元の草を刈って敷いて草マルチし、その根の働きをサポートします。
そのことで同時に、草マルチの層が厚くなり、生き物が集まり、亡骸の層が重なります。そして育った野菜からタネを自家採種してどんどん自然に育つ環境を整えながら同時に野菜そのものも進化してもらいます。

しかし、野菜そのものが育たない場合、刈って敷く草も育たない場合、もしくは刈って敷いた草を分解する生き物が単純化している場合は、水やりや米ぬか、緑肥作物など補ってあげないと、野菜が育たず、亡骸の層もできず、種も自家採種できず、自然に育つ営み自身が育たないので、結局毎年育たないことが続きます。


★「近視的に水やりをする」のは、「砂漠に水を運び野菜を育てること」に似ています。
☆「将来を見据えて、草と野菜を共に育て、その草を刈って敷くこと」で、「砂漠を緑化し、オアシスに変え、周囲もオアシスを広げていく」ような水やりをはじめ補いを行うこともできます。

自然は正直なので数年後に結果が出ます。

自然農のいう自然の営みの中で、食べ物を育てることは、都会という砂漠を緑化しオアシスにし、持続可能な里山を育てることに似ています。
自然農は、農作業そのものだけにあるのではなく、自然をどう捉え、自然に生かされる人としてどう生きるのか生き方そのものが問われます。

今日のために水を撒きますか?

未来のために今できることはなんですか?



7/14(日)穂高養生園で行われる自然菜園の入門体験講座
持続可能な自然菜園入門講座~畑と田んぼからはじまる食卓~

●日程:全8回 第2または第1日曜日(13時~17時)
7月14日、8月11日、9月8日、10月13日、11月3日
●参加費:単発参加 1回3600円(税込)※ワーク参加費、温泉入浴込み
     全8回参加 26000円(税込)
●夕食を追加する場合:上記の参加費+2100円(税込)
※上記の料金には宿泊費は含みません。
コメント (8)
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