本日、
。
前回のブログのコメント欄の質問に、「ふかふかな土に仕上げていくコツや今後の方法などアドバイス頂ければと思います」とご質問がありました。
コメント欄では収まらない内容でしたので、ブログの方で私なりの考えや方法についてご紹介してみたいと思います。
1)「ふかふかの土」の正体は?
2)「ふかふかの土」でない場合とは?
3)「ふかふかの土」でない土のつくり方は?
4)「ふかふかの土」にもいろいろな種類がある
5)簡単に「ふかふかの土」にする方法
1)「ふかふかの土」の正体は?
野菜が良く育つ土は、ふかふかです。逆にカチカチの土では野菜の根は良く張ることができず、養分水分、そして酸素を吸収することが難しものです。
Q.よく講座で質問するのですが、人間にとって一番大切なものは、なんですか?
A.「食べ物、水、恋人」も大切ですが、空気(酸素)がもっとも優先順位が高いものです。
酸素がなければ、ものの数分で、死んでしまうのは、人だけでなく、野菜の葉や根も一緒です。
特に、土の中にある根は、酸素が大好きですが、光や乾燥に弱いので、土から顔を出して空気を吸うことができません。
根が、空気が好きな証拠に、野菜の苗のポットを外すと、穴のそばやポットと接している場所、つまり一番空気が吸える場所に根を張っています。
それくらい野菜は空気が好きです。
そのため、プランターや観葉植物に水をやり過ぎたり、皿に水を貯めておくと、根が酸欠で根ぐされを起こして枯れてしまうほどです。
そのため、野菜が良く育つ土は、空気を含み、水を蓄え、養分を保持できる、「ふかふかのしっとりの肥沃な土」が大好きです。
プランターなど容器で、生き物もいない状態で、野菜を育てるためには、「ふかふかのしっとりの肥沃な土」は、赤玉土・ピートモス・鹿沼土・バーミュキュライト・堆肥(化学肥料)などで人工的に物理的につくりますが、
畑や菜園では、それらのものがなくても「ふかふかの土」は、土の生き物、例えばミミズやヤスデなど大型の土壌生物や、バクテリアや菌など目に見えない微生物によってつくられます。
その土の生き物が作ってくれた土と腐植を結びつけたいわゆる「団粒化された土」(団粒構造を持つ土)がふかふかの土の正体になります。
詳しくは拙著『これならできる!自然菜園』(農文協)のp8~11をご参照ください。
2)「ふかふかの土」でない場合とは?
「ふかふかの土」=「団粒構造が発達した土」でない場合とは、単にカチカチなだけでなく、雨が降れば、土の構造が壊れやすく、水たまりができやすいものです。
また、乾燥しやすく、乾燥すればガチガチになりやすく、野菜が天気に左右されやすくなります。
そのような、団粒構造が発達していない土は、「水持ちが悪く、水はけが悪く、養分も抜けやすく、供給しにくい」ため、生育もいまいちなことも特徴です。
逆にいえば、団粒構造が発達した「ふかふかの土」は、「水持ちが良く、水はけも良く、養分も保持されやすく、供給も順調」に行われるため、野菜の生育はよく、味も良くなってきます。
3)「ふかふかの土」でない土のつくり方は?
「ふかふかでない土」=団粒構造が発達していない土は、
①踏み固めた
②土の生き物が少ない、
③土の生き物が働きにくい
④土の生き物が住みにくい(乾燥や紫外線にされされている)
⑤農薬・化学肥料の使い過ぎで、土の生き物がダメージを受けやすい
⑥水が溜まりやすく、いつも加湿すぎる
⑦野菜や草が生えていない
⑧土の生き物のエサがない
⑨酸性が強かったり、アルカリ性が強かったり
⑩腐植がない
つまり、「ふかふかの土」=「団粒構造が発達した土」はその逆ということ。
4)「ふかふかの土」にもいろいろな種類がある
①一時的にふかふかの土
耕したり、山土など客土した場合に見られる一時的にふかふかの状態にしたもの
これらは、一時的にふかふかであるが、土の構造がもろく、団粒構造が発達したわけでないので、すぐに乾燥しやすく、雨が降るごとに、土が硬くなってきやすい。
②堆肥などを入れて、耕した場合
この場合は、一時的に土の構造が団粒化が促進され、団粒構造が発達するが、その後、発達よりも停滞、崩壊されやすく、だんだん疲弊してくるため、定期的に堆肥などを投入する必要がある。
この場合注意したいのが、堆肥の質と堆肥の投入の仕方と堆肥の養分。


これは、うちの自然堆肥(落ち葉堆肥)です。
チョコレート色で、堆肥の腐敗実験(上の瓶右)をした結果、無臭に近い森の臭いがしたため、完熟堆肥であり、腐植や腐植の元を多く含み、土の団粒構造の発達に貢献してくれそうな堆肥。
堆肥の腐敗実験をして、悪臭や腐敗臭がする、未熟もしくは腐敗した堆肥を投入すると、腐敗菌が繁殖しやすく、根も病気がちになったり、病虫害が増えたりするため、団粒構造が発達するかもしれないが、野菜が育ちにくくなるので、使用を避けたい堆肥。
また、堆肥を深く10㎝以上深く投入すると、微生物は酸欠になり、活動しにくくなり、逆に堆肥を散布してすぐに浅く鋤き込まずに放置すると、乾燥や紫外線によって、堆肥の住む微生物が死んだり休眠に入ってしまい効果が半減しやすい。
また、カリウム過剰の畑に、カリウムを多く含む牛フン堆肥などを入れると、カリウムの過剰害としては、拮抗作用によるカルシウム、マグネシウムがかえって吸えない欠乏症がでやすくなったり、
鶏糞堆肥と書いてあっても、実際には乾燥鶏糞のみで、未発酵状態で、堆肥というより化学肥料並みのチッソを置く含む肥料であり、土の団粒化は促進しずらいものだったり、
堆肥であれば何でもよいわけでもない。
畑の状態や育てつ作物によって、どのような養分を多く含む材料を使っているか吟味することが大切です。
③長期的に土の生き物が住みやすく、働きやすく、エサもある状況
この場合、土の生き物が絶えず活動=生命の営みを繰り返すので、自然に土が団粒化が促進され、年々土が良くなっていく、つまり、どんどん「ふかふかの土」になっていく仕組みを持っている畑といえる。
例えば、自然農などに見られる不耕起(自然耕)の畑の場合、機械や鍬で耕されることがないため、生き物が安定的に住め、作物を育てながら草を刈っていく際に、根菜以外の根は土から抜かないため、土の中は絶えず根を張り、根が枯れて土に帰っていくまさに土の生き物にとってゆりかごであり、墓場であり、土はどんどん腐植に富み、土の団粒化は促進されていく。
5)簡単に「ふかふかの土」にする方法
ここで勘違いしてほしくないのは、耕さなければいいわけではなく、土の生き物が住みやすい環境が維持され、促進されていることが大切なのです。
つまり、耕さない≠自然耕
耕さないことよりも、自然に耕される=生き物が住んでくれ、生命の営みをつづけられる環境づくり


野菜があり、根は抜かず、刈った草は株元に敷かれていき、時に雨が降らない期間が多ければ、草マルチが重ねられ、水をたっぷり注がれ、生き物が安定して生きていける環境が守られること。
また、土の生き物が少ない場合、良質な完熟堆肥を浅く鋤き込み野菜を育て、刈ったばかりの草を草マルチにし、その上から土の生き物のエサとして、米ぬかを最低限補い、生き物が増えるきっかけを作り育てる。
そうすることによって、野菜の根は乾燥から守られ、草マルチの下は、安定して生き物が住みやすい酸素の多い乾燥しずらい環境ができ、結果「ふかふかの土」団粒構造が発達していく。

コンパニオンプランツやその地域風土、季節に合った野菜を混植することによって、さまざまな野菜の根の働きや複雑な環境ができ、多種多様な生き物が生息できる場が生まれる

また、刈って敷く草がなければ、緑肥作物などを育て、その草を刈って、草マルチの材料にしたり、
緑肥作物の中でもマメ科のものは、根に根粒菌や菌根菌など菌を寄生させ、土を肥やしたり、
イネ科のものは、土を根で、葉で両方で団粒化を促進してくれる。
簡単にいえば、野菜を育てながら、その株元に、刈った草を敷く、草マルチをすると、自然とそこに土の生き物が増え、自然と耕され、草マルチが腐植になり、乾燥を防ぎ、土がどんどん団粒化され、団粒構造が発達していき、土がどんどん「ふかふかの土」に変えられており。
やったことといえば、野菜の株元に草を敷く。それだけで、草が自然と堆肥になり、土が団粒化していく。

堆肥造りはとても大変で、技術が必要で、時間も場所も材料も必要。
野菜が良く育たない場合や、土の生き物がいない、少ない、単純な場合は、自然堆肥をクラツキしたり、浅く投入して、最低限の野菜が育つ環境、土の生き物を導入してくるには最適だが、手間がかかる。
野菜に草マルチするだけで、堆肥ができ、土がフカフカになっていく。
ポイントは、野菜の株元に刈った草を敷きながら、野菜をしっかり育てること。
ただ、草を刈って敷いただけでは、その効果は半減化する。
土は自然に良くなっていく、それを邪魔しないこと。きっかけをつくって、守ってあげること。
とてもシンプル。

前回のブログのコメント欄の質問に、「ふかふかな土に仕上げていくコツや今後の方法などアドバイス頂ければと思います」とご質問がありました。
コメント欄では収まらない内容でしたので、ブログの方で私なりの考えや方法についてご紹介してみたいと思います。
1)「ふかふかの土」の正体は?
2)「ふかふかの土」でない場合とは?
3)「ふかふかの土」でない土のつくり方は?
4)「ふかふかの土」にもいろいろな種類がある
5)簡単に「ふかふかの土」にする方法
1)「ふかふかの土」の正体は?
野菜が良く育つ土は、ふかふかです。逆にカチカチの土では野菜の根は良く張ることができず、養分水分、そして酸素を吸収することが難しものです。
Q.よく講座で質問するのですが、人間にとって一番大切なものは、なんですか?
A.「食べ物、水、恋人」も大切ですが、空気(酸素)がもっとも優先順位が高いものです。
酸素がなければ、ものの数分で、死んでしまうのは、人だけでなく、野菜の葉や根も一緒です。
特に、土の中にある根は、酸素が大好きですが、光や乾燥に弱いので、土から顔を出して空気を吸うことができません。
根が、空気が好きな証拠に、野菜の苗のポットを外すと、穴のそばやポットと接している場所、つまり一番空気が吸える場所に根を張っています。
それくらい野菜は空気が好きです。
そのため、プランターや観葉植物に水をやり過ぎたり、皿に水を貯めておくと、根が酸欠で根ぐされを起こして枯れてしまうほどです。
そのため、野菜が良く育つ土は、空気を含み、水を蓄え、養分を保持できる、「ふかふかのしっとりの肥沃な土」が大好きです。
プランターなど容器で、生き物もいない状態で、野菜を育てるためには、「ふかふかのしっとりの肥沃な土」は、赤玉土・ピートモス・鹿沼土・バーミュキュライト・堆肥(化学肥料)などで人工的に物理的につくりますが、
畑や菜園では、それらのものがなくても「ふかふかの土」は、土の生き物、例えばミミズやヤスデなど大型の土壌生物や、バクテリアや菌など目に見えない微生物によってつくられます。
その土の生き物が作ってくれた土と腐植を結びつけたいわゆる「団粒化された土」(団粒構造を持つ土)がふかふかの土の正体になります。
詳しくは拙著『これならできる!自然菜園』(農文協)のp8~11をご参照ください。
2)「ふかふかの土」でない場合とは?
「ふかふかの土」=「団粒構造が発達した土」でない場合とは、単にカチカチなだけでなく、雨が降れば、土の構造が壊れやすく、水たまりができやすいものです。
また、乾燥しやすく、乾燥すればガチガチになりやすく、野菜が天気に左右されやすくなります。
そのような、団粒構造が発達していない土は、「水持ちが悪く、水はけが悪く、養分も抜けやすく、供給しにくい」ため、生育もいまいちなことも特徴です。
逆にいえば、団粒構造が発達した「ふかふかの土」は、「水持ちが良く、水はけも良く、養分も保持されやすく、供給も順調」に行われるため、野菜の生育はよく、味も良くなってきます。
3)「ふかふかの土」でない土のつくり方は?
「ふかふかでない土」=団粒構造が発達していない土は、
①踏み固めた
②土の生き物が少ない、
③土の生き物が働きにくい
④土の生き物が住みにくい(乾燥や紫外線にされされている)
⑤農薬・化学肥料の使い過ぎで、土の生き物がダメージを受けやすい
⑥水が溜まりやすく、いつも加湿すぎる
⑦野菜や草が生えていない
⑧土の生き物のエサがない
⑨酸性が強かったり、アルカリ性が強かったり
⑩腐植がない
つまり、「ふかふかの土」=「団粒構造が発達した土」はその逆ということ。
4)「ふかふかの土」にもいろいろな種類がある
①一時的にふかふかの土
耕したり、山土など客土した場合に見られる一時的にふかふかの状態にしたもの
これらは、一時的にふかふかであるが、土の構造がもろく、団粒構造が発達したわけでないので、すぐに乾燥しやすく、雨が降るごとに、土が硬くなってきやすい。
②堆肥などを入れて、耕した場合
この場合は、一時的に土の構造が団粒化が促進され、団粒構造が発達するが、その後、発達よりも停滞、崩壊されやすく、だんだん疲弊してくるため、定期的に堆肥などを投入する必要がある。
この場合注意したいのが、堆肥の質と堆肥の投入の仕方と堆肥の養分。


これは、うちの自然堆肥(落ち葉堆肥)です。
チョコレート色で、堆肥の腐敗実験(上の瓶右)をした結果、無臭に近い森の臭いがしたため、完熟堆肥であり、腐植や腐植の元を多く含み、土の団粒構造の発達に貢献してくれそうな堆肥。
堆肥の腐敗実験をして、悪臭や腐敗臭がする、未熟もしくは腐敗した堆肥を投入すると、腐敗菌が繁殖しやすく、根も病気がちになったり、病虫害が増えたりするため、団粒構造が発達するかもしれないが、野菜が育ちにくくなるので、使用を避けたい堆肥。
また、堆肥を深く10㎝以上深く投入すると、微生物は酸欠になり、活動しにくくなり、逆に堆肥を散布してすぐに浅く鋤き込まずに放置すると、乾燥や紫外線によって、堆肥の住む微生物が死んだり休眠に入ってしまい効果が半減しやすい。
また、カリウム過剰の畑に、カリウムを多く含む牛フン堆肥などを入れると、カリウムの過剰害としては、拮抗作用によるカルシウム、マグネシウムがかえって吸えない欠乏症がでやすくなったり、
鶏糞堆肥と書いてあっても、実際には乾燥鶏糞のみで、未発酵状態で、堆肥というより化学肥料並みのチッソを置く含む肥料であり、土の団粒化は促進しずらいものだったり、
堆肥であれば何でもよいわけでもない。
畑の状態や育てつ作物によって、どのような養分を多く含む材料を使っているか吟味することが大切です。
③長期的に土の生き物が住みやすく、働きやすく、エサもある状況
この場合、土の生き物が絶えず活動=生命の営みを繰り返すので、自然に土が団粒化が促進され、年々土が良くなっていく、つまり、どんどん「ふかふかの土」になっていく仕組みを持っている畑といえる。
例えば、自然農などに見られる不耕起(自然耕)の畑の場合、機械や鍬で耕されることがないため、生き物が安定的に住め、作物を育てながら草を刈っていく際に、根菜以外の根は土から抜かないため、土の中は絶えず根を張り、根が枯れて土に帰っていくまさに土の生き物にとってゆりかごであり、墓場であり、土はどんどん腐植に富み、土の団粒化は促進されていく。
5)簡単に「ふかふかの土」にする方法
ここで勘違いしてほしくないのは、耕さなければいいわけではなく、土の生き物が住みやすい環境が維持され、促進されていることが大切なのです。
つまり、耕さない≠自然耕
耕さないことよりも、自然に耕される=生き物が住んでくれ、生命の営みをつづけられる環境づくり


野菜があり、根は抜かず、刈った草は株元に敷かれていき、時に雨が降らない期間が多ければ、草マルチが重ねられ、水をたっぷり注がれ、生き物が安定して生きていける環境が守られること。
また、土の生き物が少ない場合、良質な完熟堆肥を浅く鋤き込み野菜を育て、刈ったばかりの草を草マルチにし、その上から土の生き物のエサとして、米ぬかを最低限補い、生き物が増えるきっかけを作り育てる。
そうすることによって、野菜の根は乾燥から守られ、草マルチの下は、安定して生き物が住みやすい酸素の多い乾燥しずらい環境ができ、結果「ふかふかの土」団粒構造が発達していく。

コンパニオンプランツやその地域風土、季節に合った野菜を混植することによって、さまざまな野菜の根の働きや複雑な環境ができ、多種多様な生き物が生息できる場が生まれる

また、刈って敷く草がなければ、緑肥作物などを育て、その草を刈って、草マルチの材料にしたり、
緑肥作物の中でもマメ科のものは、根に根粒菌や菌根菌など菌を寄生させ、土を肥やしたり、
イネ科のものは、土を根で、葉で両方で団粒化を促進してくれる。
簡単にいえば、野菜を育てながら、その株元に、刈った草を敷く、草マルチをすると、自然とそこに土の生き物が増え、自然と耕され、草マルチが腐植になり、乾燥を防ぎ、土がどんどん団粒化され、団粒構造が発達していき、土がどんどん「ふかふかの土」に変えられており。
やったことといえば、野菜の株元に草を敷く。それだけで、草が自然と堆肥になり、土が団粒化していく。

堆肥造りはとても大変で、技術が必要で、時間も場所も材料も必要。
野菜が良く育たない場合や、土の生き物がいない、少ない、単純な場合は、自然堆肥をクラツキしたり、浅く投入して、最低限の野菜が育つ環境、土の生き物を導入してくるには最適だが、手間がかかる。
野菜に草マルチするだけで、堆肥ができ、土がフカフカになっていく。
ポイントは、野菜の株元に刈った草を敷きながら、野菜をしっかり育てること。
ただ、草を刈って敷いただけでは、その効果は半減化する。
土は自然に良くなっていく、それを邪魔しないこと。きっかけをつくって、守ってあげること。
とてもシンプル。