無農薬・自然菜園(自然農法・自然農)で、持続できる自給自足Life。~自然な暮らしの豊かさの分かち合い~

信州の大地で自然農と自然農法で育てる自給農園で、日々の営みや生命を通して感じることや想うことを発信するブログ。

土づくり農園づくりのヒント

2015-08-26 07:22:28 | 自然菜園の技術 応用
本日、の予報。


先日のブログ「ふかふかの土」とは? できること、やってはいけないこと
のコメント欄に以下のご質問をいただきました。


Q.「はじめまして。土つくり大変興味深く拝読しました。
夏野菜がおわりこれから本格的に土つくりと秋まきの野菜に取り組んでいきたいのですが、どのような手順がいいのかわからなくなってしまいました。

野菜をつくるのに150坪ほど土地があるのですが緑肥で土つくりをする部分と野菜をつくる部分、どのようにデザインするのがよいかヒントをいただきたいのですがよろしいでしょうか?
本などふむふむと読んでいていざ実践しようと思うと季節的にふさわしい土つくり、種まき、苗床準備などに悩んでしまっております。

野菜も雑穀から葉物までいろいろとやりたい気持ちが焦るばかりです。
なんだかまとまりませんが、すてきな記事を読んであらためて土つくりに取り組みたいと思いコメントさせていただきました。」





A.実際に見て、相談に乗るなどコンサルすると具体的にその畑とその方に合った形の農園プランをご紹介できると思うのですが、一般的なデザインのヒントをご紹介します。

そうですね。秋は土づくり、堆肥づくり、畝立て、緑肥播き、プランを立てなおす、来年以降のプランを立てるのにとてもよいい季節です。


ステップ1)最終的にどのような農園にしたいのかを現時点で決める
→私なら、農園をいくつかの区画に考えて、ここは野菜区画。ここは、雑穀区画、果樹区画、通路ややりきれないところは緑肥区画。

ステップ2)農園の現状を見る
→夏野菜が良く育った場所であれば、そこは今年の秋から来年まで冬野菜(越冬・春・秋野菜)ができる。良く出来なかった場合は、根菜以外の野菜を育てる場合には完熟堆肥など必要量を浅く鋤き込み、2~3週間馴染ませてから、秋冬野菜の種まき。

生えている草や野菜の生育状況をみたり、簡易土壌分析をし、土が化学的にどのような状態か確認しておく。

ステップ3)最終的にしたい農園になるために、最低3年かかりますから、3年間かけて準備する

1年目:プランを立ててから、農園が理想になるように、区画づくり、畝立て、緑肥播き、堆肥などのテコ入れ
→夏野菜が良く育っていたら、野菜を育てながら土づくり(草マルチ+α)
→野菜が良く育っていなかったら、完熟堆肥やクン炭など必要なものを入れて、生き物が住みやすい場を調える
→まだ手付かずだったり、抜本的に土づくりしないといけない場合は、緑肥を選び、緑肥で土づくりしたり、夏野菜の草マルチの刈り場にしたりする
→完熟堆肥づくりにチャレンジしてみる ※翌年以降使える

2年目:実際に理想的なプランに向かって実行し、反省点を改善し、修正していく
→実際にやってみて、なぜうまくいかなかったのか、原因を見つける。改善する
→うまくいった場合、3年目に、より良くなるために、今できることをし、してはいけないことはしない。
→実際にやってみてプランそのものが自分や地域風土に合っていない場合、ステップ1にもどる
→自家採種にチャレンジしてみる

3年目:野菜による野菜のための土づくりを続けていく
自然菜園の場合、相性の良い混植とどんどんよくなる菜園プラン、そして草マルチを重ねていくので、野菜を育てるだけで、次の野菜が自然に育つようになりやすくなるので、次の野菜のことも考えてプランを考えて育てます。
→夏野菜にたっぷり草マルチを重ねながら育てると、次の冬野菜(春・秋)が良く育つので、夏野菜の草マルチを徹底する
→自家採種を3年位重ねると、その畑に合って在来化してきます。土づくりだけでなく、種の育成も大切です。
→良く育たない場合は、抜本的に改善したり、2年目にもどってもう少し時間がかかるのかもしれません。

3年でよくなれば、元々よい土だったり、お世話が適切だったりした結果だと思います。
元々良くない場合は、5年かかるかもしれませんし、それは未知数です。

そのため、3年は目安で、3年後を見据えた土づくり、合わせてプランが必要だということをご紹介したいです。



化学肥料・農薬の場合は、どのような場所でも技術があまりなくとも、一様に結果を出せ、毎年栽培プランを考えることができるのが特性です。

ところが、自然に育てようとすると、落ち葉が積み重なってできる「腐葉土」は3~5年かけてキノコの菌糸などが分解して、多くの生き物が関わってできるように、
1年単位で土づくりを考えるのは難しいものです。

またインスタントみそ汁のように、お湯を決まった量注げば誰でもできるように、手づくりの味噌汁が誰でも同じ味にならないようなものです。
つまり、ダシの取り方、具の切り方入れ方、味噌の種類、味噌の入れ方、火の調節によって同じ材料でも味が違ってくるのが手づくり味噌汁です。

そのため、自然に育てたい方は、こうすればこうなるという考え方は絶対ではなく、上手下手もあり、入れるタイミング、量、季節によって異なってきます。
手づくりでなくては出ない味があるように、自分に合った自然な育て方を時間をかけて見つけていってください。
コメント (20)
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