無農薬・自然菜園(自然農法・自然農)で、持続できる自給自足Life。~自然な暮らしの豊かさの分かち合い~

信州の大地で自然農と自然農法で育てる自給農園で、日々の営みや生命を通して感じることや想うことを発信するブログ。

モグラ・ネズミ対策

2016-10-26 10:12:14 | 日々の自然菜園
本日、


一昨日、ついに初霜が降りました。






軽い霜でしたので、日中には復活しましたが、これで季節がゴロリと冬に転がった感じです。
この時期までに、ネズミ、モグラ対策が済んでいるかで、被害が拡大するか、終息するのかが決まるって知っていましたか?



最近、ブログでも出版社さんからも「モグラ」対策のお問い合わせが多々ありましたので、ここでざっと私が知る範囲で、モグラ・ネズミとの共存についてまとめてみたいと思います。

私は専門家ではないので、誤りなどがありましたら、コメント欄にお寄せください。


この写真は、田んぼの畦に住んでいたモグラと遭遇した時の写真です。

モグラに関しては、冤罪が多く、菜園ではそんなに悪さをしないので、対策は難しくないものです。


この写真のように、モグラ塚と呼ばれる盛り土や、掘った穴が隆起しているようであれば、住んでいるのはモグラです。

モグラは、肉食動物のため、ミミズやカナブンの幼虫などを毎日食べています。

そのため、サツマイモや野菜の根っこがやられる被害は、モグラではなく、ネズミや昆虫の幼虫によるものと考えてもいいと思います。




そのため、モグラ塚がない場合に穴がったら、ネズミの可能性が高く、モグラの冤罪だといえます。




これら写真の穴は、ハタネズミ(畑ネズミ)で、自分で掘って植物の根や野菜、昆虫など雑食します。

一見するとかわいいネズミですが、
ネズミの被害は、せっかく野菜が育ったのにショックですよね。





家ネズミと呼ばれるネズミは、主に家や河川など水とエサがある環境で、冬眠せずに働くネズミで、モグラの穴などを利用して畑の野菜に被害を与えたり、
保存した野菜や穀類を食べ、被害を出します。


このようなフンがあれば、住んでいると思われます。


有機農家さんの知恵の結晶でもある「踏み込み温床」も「ネズミの温床」になりやすく、






発芽したばかりの苗がやれるケースが後を絶ちません。


育苗後、踏みこみ温床を壊すとネズミの保育場になっている場合が多いものです。


踏みこみ温床の場合、早期にネズミの経路に、粘着テープを置くと、捕獲しやすいものです。

まとめると
穴があり、畑の野菜などの被害がある。

①モグラ塚がある→モグラもいる→モグラの穴をつかって、アカネズミなどが野菜を食べ被害が出ている。
②モグラ塚はない→モグラはいない、ネズミがいる。→自分で土を掘るネズミがいる。



【モグラのみの対策】
モグラは、縄張り意識が高く、春の繁殖期をのぞけば、一定の面積に1匹しかおらず、そのモグラの通路が野菜の直下などになければ、野菜に被害をもたらすことはない。
また、モグラは、12時間以上虫などを食べていないと餓死してしまう。

つまり、モグラのいる畑で、モグラの被害がある畑は、未熟有機物が多く、ミミズや分解者が大発生しているため、モグラの行動範囲が野菜の根本付近にもあり被害になっている。
また、未熟有機物が多い畑=モグラの被害が多い畑は、未熟有機物により、病虫害の被害も併発しやすい。

そのため、未熟有機物の大量投入を控えたり、逆に、生ごみバケツ(モグラのレストラン)を畑の隅に設けてその周辺のみモグラが好む環境を用意し、モグラが野菜の下を通らないようにするとよい。

通常は、500㎡前後に1匹なので、モグラのレストランでのみ食事してもらい、他のモグラの侵入を防いでもらうために、飼いならすのも手です。


春の繁殖期など新規のモグラなど数が多い場合、モグラは、通常良く通る通路と、そうでない通路があるため、(使い分けている)
穴を潰してもすぐに直してしまう穴は、良く通る穴なので、上のモグラ捕獲器で捕獲するのも手。


以下は、ネズミのみ、もしくはモグラの穴を利用したネズミ対策になります。この対策は、モグラにも有効なため、ネズミ対策がモグラ対策にもなりますよ。


畦草刈りが基本。

春や初秋の畦の草刈りは、モグラやネズミの侵入や越冬を減らします。
ネズミやモグラの被害もすぐに発見でき、被害を最小限にしてくれます。

良く刈られた畦では、カラス、野良ネコ、イタチ、キツネ、トンビ、フクロウがネズミやモグラを補食しやすく、24時間警備してもらえます。

トンビやフクロウのいる畑の場合、同時に止まり木なども用意しておくと完璧です。

ヘビが住んでいる場合は、石垣や藪などヘビの生殖領域を残しておくことで、ネズミの穴の中まで追って補食してもらえます。


昔は、野焼きなどで、空き地や畦を焼くことで、ネズミや害虫などを避けてきました。


焼き立てのクン炭などで、野焼きの臭いを再現し、保存する野菜や、踏みこみ温床など新たに入ってくるネズミを避けるのもお奨めです。


ネズミもモグラも野菜の根に集まってくるミミズや昆虫の幼虫が大好きです。

ネズミは、根菜が大好きなので、栄養を溜めた根そのものを食べてしまいます。

そこで、写真はアスパラですが、根の周りなどに支柱を挿すのも効果的で、一直線に掘られないように配置したり、たまに挿し直して移動させます。

もちろん、モグラ対策で効果的なプロペラ扇風機もモグラの経路や野菜の側に、たまに移動させながら挿しておくと効果的です。

【補足】
ネズミの穴の場合に、ブドウなど甘い子供用のチューインガムを一口大に切っていれると、翌日なくなります。
それを1週間位続けていると、ガムを食べにこなくなり、たぶん腸閉塞などで亡くなるという、方法を師匠に教わりました。


うちでは日々、ネズミ、モグラの嫌うコンパニオンプランツのネギを混植することで、日々野菜の根本のガードを固めております。


越冬させないように秋には、ニラやニンニクも混植します。


もし野菜を定植、もしくは種まきする場合、ハタネズミなどのネズミの穴があった場合、




クン炭を焼いたときにできるくず炭をネズミの穴をふさぐように数個入れてから穴の真上にならない場所に野菜を定植、種まきします。

自然な農業をやると、自然にモグラやネズミがやってきます。
それを殺鼠剤やトラクターで耕して対策するのは、最終手段として、なるべく使わない方法をこの20年模索してきました。

その結論が、日々の野良仕事です。
つまり、モグラが菜園を縦横無尽に掘りまくるような畑にするのか、ネズミがどんどん増えて野菜の被害が大きくなって、野菜が育たないようになるのかは、
日々の野菜栽培における管理方法で決まると思います。

どんどん野菜も良く育ち、モグラ、ネズミが多少いても野菜に被害がないのが最良の野良仕事で、些細な日々のお世話でそれができます。

例えば、
1)ネズミなどの食害のあったサツマイモやラッカセイをそのまま土に残す。
2)畦の草を刈らずに、草ぼうぼうの畑にしてしまった。
3)野菜などにネズミ、モグラの被害が出始めて、そのままにして被害を拡大させてしまった。
4)何の対策もせずに、野菜を育てている。
5)未熟な有機物をとにかくたくさん投入したり、やみくもに暑く有機物マルチをしている。
6)収穫しないでそのまま放置している。
7)不耕起栽培で放任している。


1~7)までのものが、いずれか1つあっても被害は拡大しますが、2つ以上あると被害というより人災(餌付けの結果)といってもいいと思います。

ちょうどこの初霜が降りる頃が、来年のネズミーランド拡大するかしないかの瀬戸際ともいえます。
是非、サツマイモ、ラッカセイ、ニンジンなどの収穫時に、被害がある方は、そのままにせず、来年に越冬させない、被害が増えないよう心がけて反省を活かしてくださいね。


2016年内容充実で、
『無農薬・自然菜園入門講座』が第一水曜日長野市城山公民館で18:30~21:30までスタートしています。
城山公民館での「これならできる!自然菜園入門講座」講座が開催です。毎月の野菜と土づくりのテーマで質問時間もたっぷりあるので是非お越しください。

来月は11/2(水)は、18:30~長野市城山公民館で自然菜園講座です。
・野菜の収穫・越冬保存のポイント/菜の花、野沢菜、ニンジン、ゴボウなど
・冬の土づくり/畑の片づけ方、土壌分析、有機物の種類と使い方、冬の米ぬか
利用法
・越冬野菜の越冬のコツ/保温材の使い方、モミガラ、ハコベ、ワラなど

コメント (10)
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