無農薬・自然菜園(自然農法・自然農)で、持続できる自給自足Life。~自然な暮らしの豊かさの分かち合い~

信州の大地で自然農と自然農法で育てる自給農園で、日々の営みや生命を通して感じることや想うことを発信するブログ。

田んぼ用堆肥の切り返し(1回目)

2016-10-09 12:05:36 | 自然菜園スクール
本日、のちの予報。




今朝の1時間に3mm以上の雨によって、今朝の田んぼは水たまり。
昨日の内に、秋起こしできてよかったです。

雨の日は、田んぼや畑に入らないようにしておりますし、野良仕事もハウス内や家の内職ですが、
まとまった雨の日に最適な野良仕事が一つだけあります。

それが、堆肥の切り返しです。
雨で、曇っといて涼しいですし、堆肥に水分が補われるので、晴れた日続きに切り返すよりも、切り返しが楽になるからです。



ちょうど1週間前の自然菜園スクール、今年度最後の自給稲作の勉強会で、造った田んぼ用の堆肥の1回目の切り返しです。

2日目で60℃を越す順調な発酵始動で、この1週間65~75℃で発酵しておりましたが、昨日から60℃程度だったり、場所によっては50℃位に低下しておりました。

堆肥に必要な要点は、
①チッソ系材料と炭素系材料の体積比が2:8の割り合いになっていること
②水分量が60%前後
③酸素が十分にあること

の以上3点です。

今回の田んぼ用の堆肥は、田んぼ由来の材料、ワラ、モミガラ、米ぬか、が中心です。
その温度が下がってきたら、以上の必要3条件を満たしていないことになります。

つまり、発酵による水分の蒸発などによる乾燥、発酵による酸素不足が起こるため、発酵が低下してしまいがちです。
60~70℃を2カ月程度維持することで、病気や草の発芽の心配のない堆肥を造るためには、切り返しなどが必要です。




1週間後の堆肥の表面は、糸状菌や放線菌など胞子などが目で見れる程度に発酵している場所や、


積み込み場所によっては、


順調に発酵しはじめている場所(上)、


酸素はあるが、水分不足で発酵が止まってしまっている場所(下)など
発酵ムラがどうしても起きてしまうものです。




そこで、乾燥している場所には、ジョウロやバケツで水分を補いながら、


堆肥の山を右奥から手前左に積み直し、酸素や水分、場合によっては、米ぬかを補いながら切り返しという作業を行い、
堆肥の山全体が、ムラなく発酵できる条件を調えてあげます。




堆肥造りのプロたちは、堆肥造りの屋根つきの堆肥場がありますが、

自給用の田んぼ堆肥は、田んぼの脇で、水が自由に使える場所に、堆肥2山できる位のスペースが最適で、
堆肥の材料を混ぜたり、切り返すには2山分のスペースが必要だからです。

奥にあった堆肥の山も、内側の部分は外側に、下に合った部分は上にと切り返すときに、発酵ムラがなくなるように切り返して隣に積んでいきます。

乾燥していた場所には、水を打ちながら、よく発酵している部分と混ぜるなど切り返しによって発酵が全体に広がっていくイメージで行います。


今回は、ワラが裁断してあったこともあり発酵ムラが少なく、順調な感じでした。
※長いままのワラの場合、発酵ムラが大きいので、1週間おきに切り返し、水分調整が必要です。

発酵の3条件を調えてあげることによって、また2~3日後には、60~70℃に復活するでしょう。


現在試行錯誤した結果、屋根つきの堆肥小屋はないので、雨に当たっても、ほどよく発酵でき、養分も抜けないくらいの水分調整に役立っているのが、
1500番以下の薄地のブルーシートです。

これは、適度に堆肥の水蒸気を逃がしつつ、熱を保ちつつ、雨も適度に受け入れつつ発酵してくれるので重宝しております。
梅雨や雪など条件が悪くなる場合は、3000番位のブルーシートでさらに覆うこともあります。

温度を観ながら、今度は2週間後に切り返す予定です。

2週間、3週間、4週間後には、切り返してもだいたい40℃位で安定してきますので、今度は堆肥をそのまま1年熟成して、
来年の稲刈り、脱穀後の秋起こしの際に、切りワラと一緒に鋤き込む予定です。

ちょっと手間ですが、田んぼの草を抑制し、稲がすくすく育つために、これほど無難で、確実な方法もありません。
あと2年後位には、切りワラや堆肥のいずれかだけを土に戻すだけで、毎年楽して美味しいお米を育てられる田んぼになってくれることでしょう。

今年の切りワラの春までにどれくらい分解してくれ、どれくらい草が生えないかが興味津々です。

無農薬の田んぼは、化学肥料・農薬・除草剤を使う稲作と全く逆なので、面白いです。
野菜のことは、雑誌や教室でもいろいろお伝えできますが、稲はなかなかその場がないので、ブログについつい熱がはいってしまいますね。
ご参考にしてみてください。


2016年内容充実で、
『無農薬・自然菜園入門講座』が第一水曜日長野市城山公民館で18:30~21:30までスタートしています。
城山公民館での「これならできる!自然菜園入門講座」講座が開催です。毎月の野菜と土づくりのテーマで質問時間もたっぷりあるので是非お越しください。

来月は11/2(水)は、18:30~長野市城山公民館で自然菜園講座です。
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利用法
・越冬野菜の越冬のコツ/保温材の使い方、モミガラ、ハコベ、ワラなど
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