内在のアルケミストが働き出す・・・・・平成25年7月5日
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著者はしがきから
わたしは 1894年に極東を訪れた
11人の調査団の一員であった。3年半にわたる
極東滞在中、ヒマラヤの大師たちに接触した。
大師は私たちが 偉大なる法則の働きを実証
されるのを実際に見るために、大師がたの
生活の中に親しく入り込むことを許してくれた。
その村に着いた日は大雨で ずぶ濡れだった。
ある居心地の良い家に案内され、温かさに
くつろいだ。
暖房機といっても、ストーヴがあるだけ。
調査団が食卓につくころ、エミール師とともに、
5名の同行者が 部屋に入ってきた。
彼らが どこから、入ってきたのか、まったく
わからなかった。
なぜなら、いつものように、出入口のない方向
から突然 姿を 現わしたからだった。
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食卓には、気がつくと、いつの間にか、おいしそうな
菜食中心の食べ物が乗っていた。
何故、エミール師たちが 動物食をとらないのか、
と隊員が、聞いたことがある。
その答えは
“自我意識のある動物は一切たべない”(118)と
いうことだった。
食事がすむと、調査員のひとりが、エミール師に、
この家の暖房の仕組みを尋ねた。
すると師は、
“みなさんが感じるこの部屋の暖かさは、ある力
からくるもので、この力に私たちは、誰でも、
接触してそれを使用することができます。
しかもこの力は、どんな機械よりも強力です。
人間はこれに接触して光、熱、その他すべての、
機械の原動力としてこれを使用できるので、
私たちは、それを宇宙力と呼んでいます。
貴方がたでしたら、きっと、永久運動と
なづけるでしょう。
私たちは、また、それを、普遍力、あるいは、
神力とも呼んでいます。”(119)
その後でエミール師は 彼らを、師の一行とともに、
約200マイル先の師の家に招待したいと申し出た。
そこで、師の母堂に紹介しようというのである。
師は母堂について語った。
“わたしの母は 肉体を完成して、肉体のままで
高級霊界に出入りして 最高の教えをうける
ことができます。
そのために 母はいつも不可視の世界に住んで
いますが、最高のものを受けたいと願っている
ところから、好んでそうしているのです。
最高の教えを受けているために、これだけ、多く
私たちを援助することができます。
手っ取り早く言えば、母は今では、皆さんの
いう、天国、つまり、第七天におります。
こういっても、みなさんには、神秘の神秘としか
響かないでしょう。
しかし、あえて申し上げると、この天界について、
神秘などというものはありません。
天界といても、それは、意識中のある場であって、
すべての神秘が啓示されるところです。
このような、意識の状態に達した人々は 俗人
からは見えない所におりますが、現実界に戻って
感応力の在る人と話したり、教えたりすること
ができます“(121)
結局、この日の心地よい師の家の温暖装置も
どうして、厨房なくして、完成された食事が
目の前に出てきたか、調査団は エミール師から、
確かな答えを得ないままだった。
ただ、無から有を生み出すという法則、(彼らは、
クリスチャンなのでキリストを例にとって)
大師はこう語った。
”まず、霊によって、生まれ変わることが必要である。
それが為されれば、自分の思うところ、願うところ、
たちどころに目の前に、発現するという仕組みだと
・・・・・
それが 霊によって生まれることだ”
大師は説く。
“わたしたちがキリスト意識を持ちうるのは、
心または、想念の働きによるものです。
この想念の力で、キリスト意識が自分の中に
あるということを、まず、認めれば、自分の肉体
を変質させ 進化させることができ、
死という変化も体験しないで済ませられる
でしょう。
それは、人間が心の中に描く力、理想を描く力、
考える力、凝視するものを実現する力がして
くれます。
まず、キリストは我が内にありと知ること、
観ずること、あるいは信じること、イエスの
教えの本当の意味を悟ること、
私どもの身体が 神の像に似せて造られ、
神と一体であると知り、神が見給うが如くに、
われわれの身体を神の完全な身体と融合させる
ことによってできます。
私どもは完全なる 神の身体を理想として描き、
考え、かつ、それを実現しました。
私どもは本当に霊の王国の中に生まれ変わって
きているのです。
この方法で、私どもがすべてのものを、本来の
心的普遍原質にいったん還元してから、再び、
具象化できるのです。
それを 純粋な、霊的な、完全なるものとし、
心の中で描き続けていると、ヴァイヴレーション
が下がり、やがて完全な形となって、具象化して、
現れ出てきます。
こうして、わたしどもは、一切の疑心、旧態、
罪、過去の生活を消し去ることができます。
それらが何であったか、よかったのか、それとも
悪かったのかは問題ではない。
また、疑心、疑惑、不信、あるいは恐怖を、
自分で、または、他人が山ほど、私どもの周囲の
人生行路の途中に積み上げてあったところで、
何ら問題にもならない。
そういう人たちに、私どもは、こう言います。
‘今、私は、あなたを一切の本源であり、
一切が完全なる相を呈し、
あなたの本源でもある心的普遍原質の大洋に、
あなたを創造した元素に、あなたを還元溶解し、
一体にします。
しかる後、あなたを復帰させ、常に、あなたを
絶対完全なる相として、観じ続けます‘
また、自分自身にはこう言いましょう。
‘旧い秩序になじんだ君を、不完全なるものと
考えていたために、私は、君を不完全な相
にしていることが今、わかった。
しかし、今や真理を悟った以上、私は、君を
神が見給うが如く、完全なる者として、再誕生
させる。
今や、君は完全な者として、生まれ変わった
のである。
今その通りになった(旧約聖書創世記)の
である。’
そうすると、内なる、アルケミスト、即ち
内在の神がこれを受け取り、その責任は元来は
私たちにあるのであるが、
今や神のみ元に還元された、不完全な現象を、
神は変質し精錬し給う。
そして、神の身体の如くに喜びに充ち、完全、
美麗、自由な身体として、私どもに反して
くださる。
このことを、私どもは知らなければならないのです。
最後にまた、これが一切の中に、一切の為にある、
完全なるキリスト意識であるということを
悟らなければ、ならないのです。“
(102~104)
こうして、調査団は、師のいうところの
不可視の世界から忽然とすがたを顕したり、
消したりできる方法やら、思念伝達といった、
今まで師を通して 見てきた事実の研究にもっと、
効果をあげるため、以下のように、取り決めをした。
“食事が終わってから、食卓を離れる前に
わたしたちは、隊を5班にわけ、各藩を、室内の
忽然と出現され食事を供にした、この5人の
方々の指揮下におく手筈を整えた。
この取決めで、私たちは、これまでよりも
広範囲にわたる研究ができようし、仕事も
はかどることになろう。
同時にまた、 姿を消したままでの 移動や
思念伝達といったものも、確かめられること
ができよう。
班づくりは少なくとも、2名を一班とし、
例の5名の方々をそれぞれ、一人ずつ、リーダー
とすることとしたが、そのために、
相互にたいへん 離れ離れにならなければ
ならなくはなったが、この方々は私たちに
非常に友好的で、その方々の御業を確かめる
機会を私たちに与えてくださった。
各班相互の不断の連絡は この方々が取って
くださることになった。“(121)
写真出典 Wikipedia ヒマラヤ山脈より
参考)
ヒマラヤ聖者の生活研究―自由自在への道 全5巻
S54年6月5日第五版 ベアード・T・スポールディング著
仲里誠吉訳 霞が関書房
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