浪の刻過ぎて慟哭つづく酷
人は去る釜は破れて山河のみ
忘れたい記憶の中に命あり
さいなまれ悪夢と言えど腹に置く
熟して落下が始まった国光は、この台風で全て落果してしまった。リンゴの木も実がないとさっぱりしたものだ。
カキは幸いにも被害がなかった。一部は色付いてきたからもぎ取って初物をいただいた。カキは好物なのである。
苗を購入した時、品種は「次郎柿」とのことだったが、着果するようになってから未だに疑っている。それは着色すると直ぐに軟化してしまうからだ。
店頭に並んだ次郎柿は着色しても硬さを保っている。この相違が疑いの理由である。と言っても、軟らかくズブズブになった果実も大好物であるから不満はないのだが、取り遅れると容易に落果してしまうのが悔しい。
薬剤散布をしていないから、タオルでゴシゴシ拭いてかぶりつく、これは至福の一瞬である。リンゴや梨もそうだが、皮をむくと食べる楽しさが半減する。花火や焚き木の放射能を心配する輩の気が知れない。
家でリハビリ三昧では面白くないから、現場主義で行うことにした。まあ、片手杖でなんとか移動可能になったから言える事だ…。
初日は、平坦部をも見回って急な運動量増大だったせいか、足裏がジンジンと熱くなってきたので昼には帰宅。眠くも無かったが昼寝をやってみたら、目覚めたのが午後4時だった。やはり極端な運動量増で疲労はあったようだ。夜の睡眠に差し支えるかと懸念していたけれど、いつも通りだったから、やはり身体には負担だったのだろう。
それに学んで、2日目は約2時間の平坦地の坪刈りとした。20本ほどの幼樹に絡まって覆っているクズやヤブカラシ、ママコノシリヌグイ、カナムグラ等をを取り除いた。地面は竹の廃材で覆われているから足を置く場所にはことのほか気を使った。不用意に左足を下ろすと膝関節が逆に曲がりそうになる事があり、これは大変痛いのだ。
どっちにしても太腿の周囲は左右差2cmは十分にあるから、筋力低下は致し方ない。使うことで回復を促すことになるが、単なる運動よりはさっぱりする。覆われて見えなかった樹形が顕わになって、見た目もさっぱりした。木々はもっと開放感があったろう。
春に植えたエノキは裸根で到着し、梅雨明けまで芽出しが無かったのだが、寝込んでいる間に一本を除いて復活していた。一山越えた地区の小学校でオオムラサキの放蝶をしているから、何時かこのフイールドにオオムラサキが飛翔するのを楽しみにしているのだ。オオムラサキならぬオオボラフキが跋扈する可能性も多々ではあるけれど…。