「台風の直撃が有るやもしれぬ」と思い立って地に落ちている千成ホオヅキを拾い集め、ついでにシシトウも収穫した。松葉杖の身では、身を屈める事もならず地面に座り込んでの作業だった。
どちらも姿かたちは似ても似つかぬがナスやトマトと同じ科なのだ。シシトウは理解の範囲だけれど、ホオズキは苞にくるまれている分、同じ科とは思い難い。それでも苞を剥き取ればトマトに近い姿だし果肉の中の種子はナスやトマトのそれに似ている。
でもホオズキの味わいは特別の物がある。最近は食用ホオヅキ等も出回るようになったが、小生などの世代以前は畑仕事の合間に自生しているホウズキで喉の渇きや空腹を満たした現実があった。食用品種の苗が売られたり、レストランのメニューに入って報道されたりする事を散見するが、小生的には感慨も湧かない。野生種が好きだ。
「ほおづき市」で目にする赤いホオズキは、中の果肉を取り出し皮を膨らまし、音を出して遊べたものだが、小生は一回も音を出せた事がない。やっぱり賞味するほうが得意だ。