毎日が真夏日では作業内容の取捨選択もする。切羽詰まったのは水田雑草と言われる「コナギの抜去」なのだが既に二回実施しているのだ。開花寸前だし早めの抜去を必要としているものの、手首に火傷があるから泥水に浸けるのはまだ憚られる。ましてや「水田皮膚炎」の発生した現場でもあるから猶の事だ。
そんな事から日陰作業が出来る刈り草の細断を行う事にした。例年、集積した刈り草はそのまま土に帰していたのだが、今期にはバタフライガーデンを設えた事でマルチング代わりにカサスゲを敷いてみたのだった。それはそれで良かったものの草抜きをしなければならない段階で長いカサスゲのままだと絡まって厄介だったのだ。故にひと手間掛けで押し切りで細断した、と言う訳である。
押し切り作業をしたのは少年期に牛の飼葉を作っていた当時以来なので半世紀以上も昔の話だ。それでも押し切り作業を始めると身体が覚えていて、ひと切りするたびに握った枯れ草の束を回転させている。こうしないと刃から外れた部分が切り外れで残ってしまいかねないのだ。
飼葉は朝夕の二食だったか三食だったか記憶には無いものの、牛小屋の前から飼い葉桶を引き寄せて押し切りを載せ藁束や青草を切り刻み襖と塩を加えて混ぜ合わせてから牛の届く場所へ置いていた。芋や大根などの農産物は押切ではなく先端がS字になった刃物を突き立てて刻んでいたのだ。当時は小学生でも行っていた家事でもあった。
ちなみに題は実在の場所や人物等々には全く関係のない小生の個人的経験値からの感想である事をお断りしておきたい。

➡