水域の池毎にオーバーフロー部はあるが単なる水域の区分のような仕切りでは水位の差は少ないからオーバーフロー部で漏水しても大事になる事は少ない。こういう場所の漏水で差し障るのは地下の漏水ネットワークに接続してしまった場合だけで、でもこれはこれで根絶させるのはほぼ不可能である。
今回のオーバーフロー部での漏水は段差がある箇所で、この段差が洗堀の促進につながり漏水しやすい環境を形成する。この日対処しなければならなかったオーバーフロー部の漏水箇所は二つ池前段の沈泥分水池のオーバーフロー部と棚田部のオーバーフロー部だ。どちらも洗堀で落込み部との落差が50cmにも達し、それを緩和するために丸太やコンクリート廃材などを敷き並べたりしても度々積み重なった水流浸食は漏水を顕在化させるだけである。
この二カ所も水見回りの度に泥土で押さえて来たけれど漏水孔まで潰してはいないので焼け石に水、業を煮やしてと言うより切羽詰まって土嚢で仕切り対応したのである。言わば土嚢が新しい前段のオーバーフロー部となって、本来のオーバーフロー部はそのまま二次的、二段目のオーバーフロー部となした。これで漏水孔を潰さなくてもとりあえずは水位を確保できる。
本来のオーバーフロー部の前段に設えるのか後段に設えるのかの判断はあったものの、段差が大きい箇所だと一旦仕切りの梁材を露出させ新たに粘土質で押し積みしなければならず、まだ水域の除草が控えている現状では簡便さで済ましたのだ。
何列か高低差を付けた杭列を設え、その間に建築廃材のコンクリートやレンガ片を敷き詰め傾斜を緩和し洗堀防止をしたいけれど杭だけで何十本、ガラだけで一輪車数台分は確保が必要で、この箇所にそれだけの手間暇は回せない。結局は同じことの繰り返しで水商売は自転車操業なのであった。
採土場 ➡
二つ池沈泥分水部 棚田部