人も来ぬ熱暑の山は草いきれ作業はまさに火山針山
人もなき空しき家は草枕旅にまさりて苦しかりけり 大伴旅人
山青葉ウツギ花散る久々に花の絨毯踏みし入る山
わが園に梅の花散るひさかたの天より雪の流れ来るかも 大伴旅人
沼傍の草露崩し密やかに羽化すアカネを見るは眼福
ぬばたまの夜霧の立ちておほほしく照れる月夜の見れば悲しさ 大伴坂上郎女
夏の野の繁みに潜むキリギリス猛暑なるゆえ聴く音涼しき
夏の野の繁みに咲ける姫百合の知らえぬ恋は苦しきものそ 大伴坂上郎女