トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

泥水池3の除草

2024-10-23 | 水辺環境の保全

 泥水池3への侵出植物の勢力は旺盛で精力減退の孤爺としてはますます辟易するのであるが、そうそうしょぼくれても居れないので一大決心をして褌は既に使わないからゴムの緩くなったパンツを上げズボンで押さえ池に入ったのだった。世間大方の心象ではチャッチャと抜き取る程度のイメージなのだろうがそうは問屋が卸さない、降ろさなくても降り気味なのがゴムが弱ったパンツなのである。まあ、それは横に置いといて草勢のすさまじさは手抜きなど出来る状態では無いのだった。この夏の猛暑でも水の切れなかった水域は侵入植生の勢いは半端ではない、のであるがこれが本来の野生野草というものであって最適な状態と言わなくても「まあまあ」に保つにはそれなりの活動努力が必須である。しかし今夏の暑気はすさまじく耄碌気味のご老体を晒すことは出来なかった結果でもある。

 そんな手太楽で軒並みランナーを伸ばし上になり下になりしつつ水面を覆ってしまった。手で抜こうにも葉や茎に細かいざらつきがあって素肌だと傷になるし、結局は四本鍬を打ち込んで引寄せ引寄せ溜まった頃合いで引きずって陸に上げ場外搬出となる。根回りには泥を抱えていてそれらを一緒に移動させるので重い事重い事、難儀この上も無いのである。水域の中は浮力も多少は作用するし底との接地面は泥土なので潤滑剤代わりになるのだが脚が抜けにくい。だから「オットットーッ!」は絶対発生させてはならない環境下での作業だ。

 バランスを崩し「オットットーッ!」ともなれば足の一歩が出ないのでそのまま泥中に身を投げ出す事になる。そうなったら最後、着替えが無いのでスッポンポンで運転し帰宅だ。過去には厳冬期に棚田の氷で滑り沈してカメラまで損なった前科があるから油断はしないのである。この時は周囲は無人だった事を幸いに畦で衣服を脱ぎ絞り、運転席には肥料袋を敷き帰宅したのだった。すぐさま湯を張り入浴したのである。そんな手太楽にならぬためには曳き出す速度は遅くするけれど仕方がない。この日も抜き始めて残り1/3程度の処で作業は終了させた。

 少し早めに終了したのは極厚のコピー用紙が必要だったからで、これは街中の文具店まで行かないと入手できないのだった。購入できれば現在製本中の資料が完成させられる。隣り沢からの取水が不可能となった暁には我がこのフイールドは終焉の時であって、言わば過去帳になるかならないかの瀬戸際でもあるのだ。そんななんやかんやで日々是好日には遠い労後であり達成感も無ければ起精漢でも無くなった。色即是空空即是色、万物の中の塵芥のような輪廻の中の微塵に過ぎない存在は、それでも姥捨て山で栄光の夢を見るのを捨てきれないが梅の栄枯を見ている程度のレベルだ。