ヤポネシアンレゲェ

新しい日常を追い求めるギター弾きホワイト教授のゆるゆる人生散歩日記。目指すは架空のリゾートミュージックアイランド。

生まれ持ってきたもの

2008-11-13 19:35:50 | Weblog
中国語の “ゆう”、  韓国語の “恨”、 ブラジルの “サウダージ”、  ロシアの “トスカ”

これらの国には、それぞれ心萎える状態を言い表す言葉があり、大切な感情の表現として尊ばれ、悪い感情を表す言葉ではないと言われています。

はて、この日本では、、、、?

そう最近、冷たい風と共に私のもとにやって来た『暗愁』

どこかの病院の講演会で、五木寛之氏が言ってました。
寂しいような切ないような心の萎えた状態を表すこの「暗愁」という言葉は、日清・日露戦争を経て、合理化の波の中で消えていった。
そして、永井荷風が最後に使い、敗戦と同時に死語となり完全に使われなくなった。

戦後は暗愁なき時代、マイナス志向はこころと体によくない、泣くこと悲しむこと、嘆くことは、新派的、義理人情的、封建的といわれるようになり、古い価値観を捨てて、日本は影のない明るいだけの世界を目指して走り続けてきたのです。

でも私の場合、ギンギラギンの太陽の元、毎年長い長い夏をノー天気のお気楽極楽生活を送ってしまう反動か、必ずその死語となったアイツがやって来ます。
日本に生まれ、日本に住み着いている日本人の宿命なんでしょうか。生まれつき背負ってきたものなんでしょう。


 ブラジル音楽にサウダージが必要なように、日本の音楽にも「暗愁」のような味 わいは不可欠。
 歌でも作ることにしようかな~。

 今年は、あとライブ演奏を4本こなしたら終わり、それ以上は何も望まないよう にしよ。

アイツがやってきたときには、身をすくめて納得する、肩を落とし、背中を丸め、しゃがみこんで何度も何度も大きなため息をつく、するとほんの少し肩の重さが軽くなる。そのときに立ち上がって歩けばよいのだ。


年末は、シーパンドンのデット島&コーン島のやさしい人々に会えるはず。
ラオスの最南端、カンボジアとの国境が隣接するメコン川流域、数千もの島々の中の小さな島へ。