突然旅ももう最終日である。
この日は昨日の反省を踏まえて、しっかりと時間通りに目覚めて、早朝から行動を開始する。大浴場で朝の桜島を眺めながら入浴し、ホテルから錦江湾まで散歩する。障害物の何も無い桜島が噴煙を頭に乗せたままで、でぇ~んとそびえ立っている。

それにしても火山灰で涙がポロポロと止まらないことにも慣れた。ちなみに鹿児島県民は、天気予報と同時「風向き」をとても気にされるらしい。また定期的に洗車しないと車が傷むそうで噴煙時にはコイン洗車は常時渋滞するそうだ。また降灰を集めて指定の袋に入れて出す、下記画像のような「宅地内降灰指定置場」なる場所が道路のあちこちにある。

ホテルに戻り、朝食を済ませ、チェックアウトをして、シャトルバスで鹿児島中央駅まで向かう。今回のメインイベントである約3時間半の「桜島自然遊覧コース」に申し込み、駅前から鹿児島市内定期観光バスに乗り込み、ガイドさんの案内に耳を傾ける。(ちなみに桜島コースの他に「かごしま歴史探訪コース」もある)

鹿児島中央駅前に建立されている薩摩藩英国留学生をモチーフにした『若き薩摩の群像』。江戸時代の末期に国禁を犯して海外留学を果たし、日本の近代化のために尽力した薩摩藩の青年藩士17人の銅像で最年少は13歳だそうだ。ちなみにこの留学にはあのグラバーさんも尽力していたそうだ。凄い人なのね。グラバーさんって
バスは鹿児島市内をナポリ通り、パース通りを進み、大正時代からの伝統学校行事である桜島から鹿児島市内の磯海水浴場まで約4.2キロを遠泳することで有名な松原小学校を通り過ぎ、桜島桟橋へ到着し、バスに乗車したままフェリーに乗船する。ちなみに桜島フェリーは24時間運行しており、一日88往復は日本で一番運行数の多いフェリーだそうだ。

そもそも桜島とは・・・現在も活動をしている活火山で、北岳・中岳・南岳によって形成されている複合火山です。鹿児島市の沖合い4kmにあり、もともとは島でしたが、大正3年の爆発により溶岩が流出し、大隅半島と陸続きになりました。活火山の島ですが、約5000人の人が火山と共生して生活しています。(鹿児島市ホームページより)
まず桜島が陸続きなんて知らなかった。そして5000人もの住人がいるなんて驚きである。フェリー運航中のバスの乗車は安全上出来ない為、3階の待合室でわずか15分の船の旅を楽しむ。フェリーの先頭の席に座ると少しずつ桜島が目の前に迫って来る。
到着前にバスに戻り、桜島に上陸する。今回の遊覧コースの良い所は、「降車することがほとんどない」ところで、基本的に車窓からの見物が主となる。この暑さには有難いツアーである。(海にはイルカが普通に泳いでいて、私も目撃出来た)
景観を損ねないよう茶色のローソンの看板、火山灰から守る為に屋根付きのお墓、火山灰が降り積もり頭を垂れている松の木たち、すぐに詰まってしまうので雨樋の無い家が多い・・・等ガイドさんの説明が非常に興味深い。そして桜島上陸の第一歩は島内一の景勝地である桜島岳4合目(海抜373m)の「湯之平展望所(15分停車)」で、南岳と錦江湾を見渡す。その後、温暖な地の海岸に生える常緑の高木「アコウ群」を通り過ぎる。

次に私が今回一番楽しみにしていた「黒神埋没鳥居」に到着するものの、下車はなく、車窓からのみの見学だった。アングルが悪くてよく見えなかった・・・

「旅の里(15分停車)」から「有村溶岩展望所(15分停車)」へと移動すると、ちょうど南岳からモクモクと噴煙が上がった。

溶岩で出来た「ライオン岩」。ライオン岩自体は日本全国でよく見掛けるが、溶岩製を見たのは初めてである。

島内には噴火時に逃げ込む避難壕が大小至る所に設置されている。

その後、平成16年8月21日に地元出身の長渕剛が桜島オールナイトコンサート開催した記念に、建てられた「叫びの肖像」のモニュメントを車中から眺めた。

桜島はここ数年活発な活動を繰り返しているそうで、昨年は過去最高の996回の噴火を記録したものの、今年はそれを上回るペースとのこと。(ちなみに鹿児島弁で火山灰の事を「へ」と呼ぶそうだ)
【桜島周遊のポイント】実際桜島を周遊する際、自力でフェリーに乗り、島内のバスに乗る方法もあるが、(私が調べた限り)島内の港寄りのごく一部のみの周遊となるので、一周したい場合は、今回のように定期観光バスの利用がおススメ(レンタカーもレンタバイク・サイクルも港の出口にある)。ちなみに定期観光バス一日2便しかなく、桜島港からも乗降車可能。また乗車する際は、今回私が座った「運転席真後ろ」がおススメである。上記の「アコウ群」の画像は車内から撮影。
この後、再び桜島港へと戻り、フェリーに乗り、私は市内の天文館で下車し、鹿児島空港行きのリムジンへと乗り込んだ。翌日からの仕事に備え、通常より早い便にした為、最後はバタバタしてしまい、市内の「城山」「西郷洞窟」等を見ることが出来なかったが、それはまたの機会にしよう。
羽田空港へ降下を始め、スカイツリーが夕やけに映え、ディズニーシーのショーが真下に見えた・・・。今回の旅はもうすぐ終了である。
有限会社やな瀬不動産