東京下町・新小岩駅の不動産屋二代目のつぶやき

東京の下町・葛飾区新小岩で今年創業49年を迎えました不動産屋の二代目が気ままに書き綴った独り言ブログです。ブツブツ・・・

歌舞伎:「双仮名手本三升 裏表忠臣蔵」

2025年01月19日 09時37分34秒 | 歌舞伎の話

十三代目團十郎の歌舞伎「双仮名手本三升 裏表忠臣蔵(ならべがきまねてみます)」夜の部を新橋演舞場へ観に行った。

【みどころ】海老蔵時代より「伝統の継承」と「新時代の歌舞伎の創造」を胸に、古典作品の面白さを現代のお客様に感じていただくべく古典の再構成を続けてきた團十郎。その團十郎が次に選んだのは「忠臣蔵」の世界。七代目市川團十郎が天保4(1833)年に初演した『裏表忠臣蔵』は、通常上演されている『仮名手本忠臣蔵』を「表」とし、創作場面を「裏」として加え上演し、当時大当たりとなった作品。今回、その七代目團十郎の精神を受け継ぎ、現代に合わせた形の「裏」をつくり上げ、十三代目團十郎としての意欲と魅力にあふれる『裏表忠臣蔵』を上演します。権力を嵩に着て、権力を乱用する足利家第二の権力者高師直。師直に恥辱を与えられ、無念な思いを由良之助に託し命を絶つ塩冶判官。主君である塩冶判官を亡くし、師直への仇討ちを堅く誓う大星由良之助。師直に言い寄られるが、断ったことで夫が切腹まで追いやられてしまう顔世御前。勘平への純粋な恋心が、塩冶家を潰すまでのきっかけをつくってしまうおかる。純粋な気持ちをもちながら、歯車の掛け違いから運命が狂っていく早野勘平。世の中の“善”を否定し、生きることに絶対的な執着を見せる斧定九郎。 身分も立場も考え方も異なる登場人物が、それぞれの「忠」を追い求め、生き方を選びとり、その運命が交錯する。江戸時代に実際に起きた赤穂事件をもとにして誕生した「忠臣蔵」が、なぜ人形浄瑠璃、歌舞伎、映画とさまざまな形で約300年にわたりこれほどまでに観る人を熱狂させてきたのか。運命に翻弄された人々が辿った人生の物語とそこに宿る熱い思いが今、蘇る―。

2023年7月以来の團十郎を楽しみに出掛けた。これまで本ブログで忠臣蔵関連は映画「身代わり忠臣蔵」和菓子「切腹最中」落語「忠臣ぐらっ」歌舞伎「元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿」映画「四十七人の刺客」歌舞伎「仮名手本忠臣蔵・大石最後の一日」歌舞伎「仮名手本忠臣蔵・山科閑居」歌舞伎「盟三五大切(忠臣蔵外伝)」歌舞伎「元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿」と数多く登場する程、説明無用の人気の演目である。四役早替り宙乗り相勤め申し候との通り、團十郎が四役を何度も何度も演じ分けるのだが、まるでマジックを観ているような驚きの早替えで、お約束の宙乗りまで堪能させてくれる。雪での大立ち回りで終演後に前列の観客は雪(紙)まみれ(上画像左下)になるほどで男性でも惚れ惚れする程の艶っぽさも加わりエンターテイナーぶりはやはりレベル違いの面白さであった。

さらにぼたん姉弟の幻想的な舞は実に素晴らしかった。

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歌舞伎:「新春浅草歌舞伎」

2025年01月13日 09時34分48秒 | 歌舞伎の話

新春浅草歌舞伎を浅草公会堂へ観に行った。

【みどころ】第1部第2部ともに上演するのは『絵本太功記 尼ヶ崎閑居の場』です。明智光秀の謀反を題材に、戦乱の世に生きる光秀一家の情愛と悲哀が胸を打つ重厚な義太夫狂言の傑作を第1部、第2部それぞれ異なる配役でお届けします。第2部では曽我十郎と五郎兄弟の仇討ちに春の七種の行事を織り込んだ早春の爽やかな空気と風情が漂う舞踊『春調娘七種』、無類の酒好きの次郎冠者と太郎冠者が両手を棒に縛られながらも酒にありつこうとする姿をおかしみと格調高さを織り交ぜて魅せる舞踊『棒しばり』といずれも名作を取りそろえての上演です。恒例の「お年玉〈年始ご挨拶〉」では、各部の開演前に出演俳優が年始のご挨拶を申し上げますので、こちらもぜひお楽しみください。浅草の町とともに歩み続け、愛され続けている正月の風物詩「新春浅草歌舞伎」が2025年、新たな輝きを放ちます。歌舞伎の魅力が凝縮された時代物、舞踊の名作の大役に若手花形俳優が果敢に挑む、熱気あふれる清新な舞台にどうぞご期待ください!

新春歌舞伎は2018年以来である。正月三が日翌日の浅草は週末と重なり大混雑の正月一色で仲見世の大渋滞を避けながら先月の鶴瓶落語会以来の浅草公会堂に到着。恒例の年始ご挨拶は染五郎が務め、一幕目は新春恒例の春調娘七種の煌びやかな舞踊を堪能し、二幕目は絵本太功記・尼ヶ崎閑居の場ではフィクションでありながら本能寺の変における謀反と大義名分、討死と別れの盃が哀しくも入り混じる。そして三幕目は2013年8月以来の棒しばりではコミカルな舞踊を披露してくれる。

若手中心の浅草歌舞伎はいつも元気が満ち溢れていて、また観客も和装の方が多くとても素敵である。

【明日1/14(火)~1/15(水)は当社連休となります】

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歌舞伎:「十二月大歌舞伎」

2024年12月07日 09時35分13秒 | 歌舞伎の話

今年5月以来の歌舞伎「十二月大歌舞伎・第二部」に出掛けた。

昨年11月以来今年初の歌舞伎座は前から二列目の花道のすぐ隣の席だった。舞台も花道も近く目の前に獅童がいるだけで少し緊張してしまう。

【みどころ】

一、加賀鳶(かがとび)江戸の粋を感じる、黙阿弥の傑作

 本郷界隈では先日、加賀藩お抱えの鳶と旗本配下の定火消の間で大喧嘩が起こりました。今日も日蔭町の松蔵をはじめ、加賀鳶が勢ぞろい。血気に逸る若い者たちを、頭分の天神町の梅吉が留めます。日の暮れた御茶の水の土手際では、按摩の道玄が通りかかった百姓を手に掛け、懐から金を奪い取ります。小悪党の道玄は、訳ありの仲のお兼と共謀して、姪のお朝の奉公先へ強請りに行きますが、そこに土手際で道玄の落とした煙草入れを拾った松蔵が現れて…。 名作者・河竹黙阿弥による本作は、序幕の加賀鳶たちの圧巻の七五調のせりふをはじめ、道玄の図太い本性をあらわす様子や、松蔵とのやり取り、おかしみを交えただんまりなど見せ場が尽きません。どこか憎めない道玄を中心に、江戸の粋な雰囲気のなかで生きる人々の息吹を巧みに描いた世話物の傑作をご堪能ください。

強盗殺人、脅し、家庭内暴力と極悪非道の緑演ずる竹垣道玄をイヤホンガイドや解説ではどこか憎めないキャラクターと紹介されるのは解せなかったが、雀右衛門演ずる女按摩お兼と共謀した浅はかな脅しは現代の短略的な事件にも通ずる。もしかしてあえてこの時代に上演することに何かしらの意味があるのかも知れない。日蔭町松蔵の勘九郎がまあ御父上そっくりであった。

二、鷺娘(さぎむすめ)儚い恋を描いた、情景あふれる名作舞踊

 しんしんと雪の降る水辺に、白無垢姿の娘が佇んでいます。蛇の目傘を差したこの娘は、人間の男との道ならぬ恋に思い悩む鷺の精で、切ない恋心を次々と見せていきます。恋する男と結ばれた頃の昂揚感から、やがて恋の妄執が甦り…。 宝暦12(1762)年に初演された本作は、恋に迷う女性の姿をさまざまに見せていきます。幻想的な美しさのなかで激しく凄まじく踊る幕切れは特に印象的です。歌舞伎の長唄舞踊のなかでも屈指の名作をご覧に入れます。

鷺の精・七之助の舞とたくさんの早変わりが美しいのだが、座席の位置から時々少しだけ早く早変わりが見えてしまったのが勿体なかった。終演後にクリスマスのイルミネーションに飾られた銀座の街を歩く。これもまた師走の歌舞伎鑑賞の楽しみのひとつである。

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歌舞伎:「歌舞伎町大歌舞伎」

2024年05月16日 09時45分14秒 | 歌舞伎の話

歌舞伎町のシアターミラノ座で「歌舞伎町大歌舞伎」を観に行った。

第一幕曽我兄弟の仇討を題材にした作品で、荒事の豪快な趣向と華やかさを併せ持つ長唄の舞踊「正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)」に続き、七夕の夜、牽牛と織女の前に現れた流星が雷の夫婦と子供、婆の四人の騒動の様子を踊り分ける軽妙洒脱な舞踊と舞踊流星(りゅうせい))」【第二幕】落語の「貧乏神」を題材にどこか憎めない貧乏神をはじめ、個性豊かな登場人物たちが織り成す世話狂言の新作歌舞伎「福叶神恋噺(ふくかなうかみのこいばな)」

昨年オープンしたばかりの東急歌舞伎町タワーのシアターミラノ座に初めて訪れた。当館にとって今回初の歌舞伎興行とのこと。第一幕の「正札附根元草摺」では鶴松と虎之介が元気よく舞い、「流星」では勘九郎が雷四役をコミカルに演じ、勘九郎親子三人が同じ舞台で躍動する舞踊二本立て。第二幕は憎めない大工辰五郎役を虎之介が演じ、七之助の艶っぽさはさらに増していた。

ホームページに歌舞伎町という名称についての説明が書いてあった。
元々新宿では1945年に空襲の被害を受けた後、戦災復興事業として劇場や映画館などの娯楽機能を集中させようという動きがあり、この地に歌舞伎の劇場の誘致を図っていたことから「歌舞伎町」と命名されました。歌舞伎の劇場建設は実現しなかったものの、1956年には当時都内最大規模の劇場・新宿コマ劇場、座席数、広さともに日本一を誇った映画館・新宿ミラノ座を擁する新宿東急文化会館(後の新宿 TOKYU MILANO)が開業するなど、エンターテインメントの中心地として発展。新宿コマ劇場は2008年、新宿 TOKYU MILANOは2014年に閉館しましたが、2015年には新宿東宝ビル、そして2023年には東急歌舞伎町タワーが開業するなど、「エンターテイメントシティ歌舞伎町」を目指し、街づくりを推進しています・・・とのこと。

いつの間にかまた知らないビルが誕生していた・・・

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スーパー歌舞伎:「ヤマトタケル」

2024年02月11日 09時38分26秒 | 歌舞伎の話

新橋演舞場でスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」を観た。

【みどころ】「古事記」を題材に哲学者梅原猛が書き下ろし、日本神話のヤマトタケルの波瀾に満ちた半生と伝説を大胆な構想のもと、独創的なドラマとして築き上げた本作は、昭和61(1986)年2月4日に新橋演舞場で初演され大きな反響を呼び、“スーパー歌舞伎”を演劇界の新たなジャンルに打ち立てた歴史的な作品です。これまで数々の再演、練り直しての上演が行われてきましたが、今回は初演に立ち返り、壮大なストーリーを丹念に描き出します。中村隼人と市川團子が小碓命後にヤマトタケルと大碓命、中村米吉が兄橘姫、弟橘姫の姉妹を演じるなど清新なスーパー歌舞伎『ヤマトタケル』にぜひご期待ください。

2018年以来の新橋演舞場でスーパー歌舞伎は2015年以来である。昨年亡くなった二代目市川猿翁(当時三代目市川猿之助)創始した独創的演出によるスーパー歌舞伎の記念すべき第1作に、猿翁の孫である團子といずれも父が初演に出演していた隼人、米吉が挑んだ。演舞場では来月まで続くロングランで、中村隼人と市川團子のWキャストでタケルであったが、今回は隼人タケル版を鑑賞。

「人間は傲慢の病にかかる」というのがこの作品のキーとの隼人のコメントにも納得の内容で、いつも持ち歩くように言われた草薙の剣をこれまでの数々の戦いぶりから手放した傲慢さが命取りとなる。歌舞伎独特の台詞回しではなく現代語なのでとても分かりやすく、早変わり、宙乗りや舞台展開など楽しませてくれる。また弟橘姫役の中村米吉が本作品でも女性と見間違えるほどだった。カーテンコールがあるので最後まで席に座ってましょう。

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歌舞伎:「歌舞伎座新開場十周年・吉例顔見世大歌舞伎」

2023年11月12日 09時46分30秒 | 歌舞伎の話

先月に引き続き、歌舞伎座で6年ぶりの再演となった「極付印度伝マハーバーラタ戦記」を観に行った

【みどころ】ここは神々の世界。神々は人間界を見下ろし、争いを繰り返す人間たちを嘆きます。そんななか、人間界に救いの手を差し伸べたのは太陽神(たいようしん)。象の国の幼き汲手(くんてぃ)姫に子を授け、その子、迦楼奈(かるな)を、平和を以って人間界を平定する救世主として君臨させようと試みます。しかし、汲手姫は迦楼奈を出産するも、赤ん坊の迦楼奈をガンジス川へ流してしまいます。そして、太陽神と対立する帝釈天(たいしゃくてん)は、力を以って世界を支配するべきだと、こちらも汲手姫に子を授けます。帝釈天の子の名は阿龍樹雷(あるじゅら)。歳月は流れ、亜照楽多(あでぃらた)と羅陀(らーだー)夫婦に育てられた迦楼奈は天性の弓の才能を秘めた青年へと成長を遂げます。ある日、迦楼奈は太陽神から、迦楼奈こそが人間界の救世主であるとお告げを受けます。自らの宿命を悟った迦楼奈は、弓の修業のために家を出る決断をし、旅立つのでした。 都では、王族として育てられた百合守良(ゆりしゅら)、風韋摩(びーま)、阿龍樹雷ら五人の王子と、従兄弟にあたる鶴妖朶(づるようだ)王女の姉弟による王位継承争いが勃発。仙人久理修那(くりしゅな)の助言により、王位にふさわしい者が誰かを競う武芸大会が開かれることとなります。都へやってきた迦楼奈もその武芸大会に出場し阿龍樹雷王子と相対しますが、その様子を見た汲手姫は、自らがガンジス川に捨てた幼子が迦楼奈だと気づき…。 激化の一途を辿る王位継承争いに巻き込まれながらも、自らの使命を全うすべく葛藤する迦楼奈。来たる決戦のとき――同じ母をもつ兄弟でありながら、それぞれの使命を背負い人間界に生を受けた迦楼奈と阿龍樹雷はついに雌雄を決する戦いへと向かい…。
 「マハー」は「偉大な」の意、「バラタ」は「バラタ族」を表し、「偉大なバラタ族」の物語である古代インドの神話的叙事詩「マハーバーラタ」。平成29(2017)年に『極付印度伝 マハーバーラタ戦記』として歌舞伎座で上演されると、古代インドの壮大な物語と歌舞伎との新たな融合が大きな話題となりました。初演から6年の時を経て、あの熱狂と興奮が再び歌舞伎座に帰ってきます。自らの運命と向き合い、その使命を胸に懸命に生きる者たちの葛藤を描いた、神と人間が織りなす壮大な物語にご期待ください。

世界最長インド叙事詩なのでガンジス川が登場するのだが、不思議なほど新作歌舞伎との違和感は感じられない2015年以来の花道がもうひとつある「仮花道」において対峙した演者さんたちの「( 台詞を数人で順々に言う)渡り台詞」が観客の頭上を飛び交う。主演の尾上菊之助、中村隼人の躍動感、坂東彌十郎の存在感の中、女形の中村芝のぶに惚れ惚れしてしまう。戦乱の現代において、この演目のように「平和を以って人間界を平定する救世主」の出現に期待する。

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歌舞伎:「 歌舞伎座新開場十周年・錦秋十月大歌舞伎」

2023年10月06日 09時38分39秒 | 歌舞伎の話

7月以来の歌舞伎鑑賞へ出掛けた。ちなみに女人禁制の歌舞伎本公演において寺島しのぶが出演することで話題となった午前の部「ではない」午後の部である。

【みどころ】

一、双蝶々曲輪日記

対照的な力士が魅せる粋と意地~大坂堀江の角力小屋は、人気力士の濡髪長五郎と素人力士で名を上げた放駒長吉の大一番に、多くの見物客で賑わっています。取り組みの結果は、なんと放駒が勝利する番狂わせ。実は濡髪は、自分を贔屓にしてくれている山崎屋の若旦那与五郎と恋仲である遊女吾妻との仲を取り結ぶために、わざと勝ちを譲ったのです。これを知った放駒は悔しさに憤り…。人気力士の風格と貫録をあわせもつ濡髪、小柄で若々しさが際立つ放駒。二人の性格や力の差が巧みに表現され、その好対照が魅力的な人気の場面です。力士の達引を描いた世話物の名場面をお楽しみいただきます。

二、菊

菊の精たちが魅せる秋を感じる華やかな舞踊~色とりどりの菊が咲き乱れるなかに、菊の精が姿を現します。菊の精たちは、あどけない少女の様子や恋を知り染めた町娘の風情など、菊を愛でた曲にのせて、次々と華やかに踊ります。秋にふさわしいひと幕をご覧いただきます。

三、水戸黄門

ご存知、水戸黄門が悪を成敗する!~さきの中納言・水戸光圀公(水戸黄門)は、お供の佐々木助三郎(助さん)と渥美格之進(格さん)を引き連れて、お忍びで四国の讃岐にやって来ました。助三郎と格之進は金毘羅宮の境内でお蝶という美しい娘に出会いますが、お蝶が長次という男であることが露見したうえに、財布を掏られてしまいます。一方、水戸の百姓老爺に身分を偽ってうどん屋にいた黄門様は、そこで領主松平頼常に対する領民たちの不満を耳にします。実はこの頼常こそ黄門様の長男。果たして黄門様一行は藩の内部ではびこる悪の根源を成敗することができるのか…。 二代水戸藩主・水戸光圀が諸国を漫遊しながら世直しを行う勧善懲悪の物語は、すでに江戸時代から講談などで人気を博し、映画やテレビドラマも多数制作されるなど、世代を超えて愛されてきました。歌舞伎座での初演から48年ぶりに演出を一新してお届けする人情味あふれる物語にご期待ください。

花道横の席で第一幕目の「双蝶々曲輪日記」が始まる。獅童演ずる濡髪長五郎の存在感の大きさに圧倒される。ただあんなことされたら巳之助演ずる放駒長吉だって黙っちゃいられんわな。第二幕目「菊」では菊の精たちの舞を堪能し、第三幕目はお馴染みの「水戸黄門」を高身長の彌十郎が演じる。48年ぶりの再上演であったが現代語での芝居は分かりやすく、さらに舞台に金毘羅山の石段や芝居小屋(金丸座?)がセットで登場するので親近感をもちながら、そして最後はしみじみとさせてくれた。またイヤホンガイドで今回の舞台が現在の栗林公園であると知る。

とにもかくにも最近本当に人情ものには弱くなっていけねぇな~

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歌舞伎:「 歌舞伎座新開場十周年・七月大歌舞伎」

2023年07月08日 09時55分32秒 | 歌舞伎の話

今年三月以来の歌舞伎を観に行った。

【みどころ】

1.神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし)

純粋な娘が命を懸け、極悪非道な父に立ち向かう 渡し守の頓兵衛は、足利と新田の争いで、褒美の金欲しさに新田義興の命を奪った強欲者。ある日、義興の弟義峯が恋人の傾城うてなと一夜の宿を乞いに偶然にも頓兵衛の家を訪れます。頓兵衛の娘のお舟は、気品あふれる義峯にひと目惚れ。一方、義峯の素性を知った頓兵衛は、金目当てにその命を狙い…。江戸時代に活躍した才人、平賀源内が「福内鬼外」という筆名で書いた義太夫狂言の傑作。極悪非道な父頓兵衛と愛しい人を命懸けで守ろうとする娘お舟の姿が対照的に描かれる、見せ場に富んだひと幕をお楽しみください。

2.神明恵和合取組(かみのめぐみわごうのとりくみ)

江戸の男たちが火花を散らす、鳶と力士の真剣勝負  品川の遊廓。め組の鳶と四ツ車大八ら力士たちは些細なことから喧嘩になり、鳶頭の辰五郎がその場を収めます。しかし数日後、芝居小屋で喧嘩が再熱。一触即発の睨み合いとなるも、江戸座の座元喜太郎に止められます。気持ちが収まらない辰五郎は、密かに仕返しを決意。愛する妻と幼い子どもに別れを告げ、争いに決着をつけるため命知らずの鳶たちと芝神明へ向かい…。 「火事と喧嘩は江戸の華」を体現する粋でいなせな江戸風俗をたっぷりと味わえる世話狂言の傑作。大詰での鳶と力士の大立廻りも見せ場の一つです。江戸っ子の心意気を描いた人気作を上演いたします。

3.新歌舞伎十八番の内 鎌倉八幡宮静の法楽舞(かまくらはちまんぐうしずかのほうらくまい)

趣向を凝らした迫力あふれる新歌舞伎十八番  夜な夜な物の怪が現れるという鎌倉の荒れ寺に、怪しい風とともに現れたのは一人の老女。以前は都の白拍子であったと語る老女は舞を舞い始めます。やがて老女の姿が見えなくなると、次々と物の怪が集まり…。劇聖と謳われた九世團十郎が制定した新歌舞伎十八番の一つ。平成30(2018)年に新たな着想により復活上演された本作を、九世團十郎没後120年という節目の年に上演します。河東節、常磐津、清元、竹本、長唄囃子の五重奏など、豊かな音楽性とエンターテインメント性あふれる、目にも耳にも楽しいひとときをご堪能いただきます。

二幕目の「め組の喧嘩」は2015年以来で、前回は人間国宝・尾上菊五郎、今回は市川團十郎のめ組辰五郎を満喫。文化2年に芝神明社で起きた事件を題材にしているとのこと。

三幕目では團十郎の七変化と共に、團十郎・長女ぼたん・長男新之助との親子三人での舞が微笑ましく、「我らが父13代目にさも似たり」の台詞にはつい口元が緩んでしまった。変化舞踊と早替わり、早戻しなど実に優雅で贅沢な時間だった。

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歌舞伎:「 歌舞伎座新開場十周年・三月大歌舞伎」

2023年03月11日 09時37分20秒 | 歌舞伎の話

歌舞伎座新開場十周年・三月大歌舞伎の第一部「花の御所始末」を観に行った。

【解説】シェイクスピアの名作に着想を得た、“悪の華”を描く異色作!庭いっぱいに美しい花木が植えられ人々から「花の御所」と呼ばれる、足利幕府の室町御所。太政大臣・足利義満の次男・足利義教は、将軍の座を手に入れるべく計略を巡らせています。管領・畠山満家と手を結び、世継ぎである兄の義嗣が謀反を企んでいるという嘘の噂を父に密告。さらに、妾との時間を楽しむ父を寝所で殺害すると、今度はその罪を義嗣にかぶせて亡き者に。思惑通り将軍の座を手に入れた義教の独裁はエスカレートし、ついには手を結んでいた満家をも手にかけます。月日は流れ、自らが殺めた父や兄らの亡霊に毎晩苦しめられる日々を送る義教のもとに突如一揆の者たちが乱入し…。 昭和の黙阿弥と称される宇野信夫が、シェイクスピアの『リチャード三世』から着想を得て書き下ろした本作は、六代目市川染五郎(現・白鸚)の主演で昭和49(1974)年に帝国劇場にて初演されました。暴君と恐れられた足利六代将軍義教を描いたスケールの大きな史劇で、目的のためには手段を選ばぬ冷酷非道な男義教が一気に頂点まで上り詰めていく様子、そして、欲しいものはすべて手に入れたはずの義教が次第に狂気に苛まれて末路を迎えるまでをスピーディーな展開でドラマチックに描き出します。“悪の華”の魅力を描いた異色作をご堪能ください。

史実とは異なるストーリーとのことだが、義教(幸四郎)の極悪非道ぶりや暴君感に期待したものの、比較的ソフトに感じたのは令和の時代だからなのだろうか?また満家()の不憫な処遇には年齢的に色々と考えさせられるシーンであった。ただ安積行秀(愛之助)のリベンジにもう少し痛快感があれば良かった。

「よしのり」「よしつぐ」「よしみつ」に「みついえ」と配役名がなかなか難しいと感じていたらイヤホンガイドでも説明があり、足利義教、足利義嗣、足利義満と足利家には皆「義」が付くのだが、畠山満家には付かないとの説明があった。付かないと言われても・・・

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歌舞伎座新開場十周年壽 初春大歌舞伎

2023年01月20日 09時38分22秒 | 歌舞伎の話

2019年10月以来の歌舞伎鑑賞へコロナ禍以降初めて出掛けた。

第三部の幸四郎、七之助出演の「花街模様薊色縫 通し狂言十六夜清心」を花道横の席から鑑賞。イヤホンガイドの解説によると江戸城御金蔵破りの事件にからませていたので、幕府の命により35日間で上演禁止となり、「歌舞伎あるある」の舞台や背景・時代を変えた設定にて上演とのこと。

それぞれ悪事を働く僧清心(極楽寺所化清心後に鬼薊の清吉・幸四郎)、遊女十六夜(扇屋抱え十六夜後におさよ・七之助)、俳諧師白蓮(俳諧師白蓮実は大寺正兵衛・梅玉)の三人だが、中でも恩を仇で返す十六夜に無性に腹が立ちつつ、劇中の台詞にもあるような「芝居のような」展開でエンディングを迎えた。久しぶりの歌舞伎で二時間余り浮世離れを満喫出来た休日だった。

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歌舞伎:「芸術祭十月大歌舞伎」

2019年10月27日 09時45分52秒 | 歌舞伎の話

歌舞伎座で「芸術祭十月大歌舞伎(昼の部)」を歌舞伎座へ観に行った。

【みどころ】一、廓三番叟(くるわさんばそう)洒落た趣向の華やかな祝祭舞踊 吉原の座敷で、傾城、新造、太鼓持がそろい、それぞれを翁、千歳、三番叟に見立て、艶やかに踊ります。天下泰平や五穀豊穣を祈念する厳かな「三番叟」を廓の情趣に仕立て直した、華やかで賑々しい舞踊をご覧いただきます。

二、御摂勧進帳(ごひいきかんじんちょう)荒事の豪快さに満ちた、もうひとつの勧進帳 山伏に姿を変えて奥州平泉を目指す源義経一行は、加賀国安宅の関で、関守の富樫左衛門と斎藤次祐家らの詮議を受けます。弁慶の忠義に心打たれた富樫は、義経一行と見破りながらも通過を許しますが、斎藤次の疑いは晴れず…。弁慶が番卒の首を天水桶に投げ込み、金剛杖で芋を洗うような動きを見せることから「芋洗い勧進帳」とも呼ばれ、勇猛な弁慶が稚気に富んだ泣き姿を見せるなど、大らかさにあふれる荒事のひと幕です。

三、蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)華麗な早替り、変化に富んだ舞踊劇 源頼光が病に伏せ、家臣の碓井貞光と坂田金時が館の警護にあたっています。そこへ、どこからか小姓寛丸が現れ出て、すぐさま姿を消すと、太鼓持愛平、座頭松市が次々に現れては頼光の寝所へ忍び入ろうと目論みます。その寝所では、頼光が傾城薄雲太夫と逢瀬を楽しみますが、実はこの薄雲の正体は…。一人の俳優が5役を演じ分ける早替りや、千筋の糸を繰り出しての迫力ある立廻りがみどころのひと幕にご期待ください。

四、江戸育お祭佐七(えどそだちおまつりさしち)鳶と芸者、もつれる恋の行く末は…賑わいを見せる鎌倉河岸の祭礼で、「お祭佐七」の異名をとる鳶の佐七と芸者の小糸は、束の間の逢瀬を楽しんでいます。佐七は、小糸に力づくで迫る侍の倉田伴平から小糸を助け出し、二人は夫婦同然の生活を始めます。しかし、鳶の頭である勘右衛門が小糸を連れ戻しにやって来て…。神田祭の祭礼を背景に、いなせな鳶と小粋な芸者が織りなす恋模様。江戸の情緒漂う世話狂言の名作をご堪能ください。

歌舞伎鑑賞は今年の三月以来ですっかりご無沙汰である。千秋楽三日前の歌舞伎座で解説イヤホンを耳に差し込み幕が開く。第一幕は色鮮やかな祝祭舞踊が繰り広げられ、第二幕は首ちょんばが何とも可愛らしい芋洗い勧進帳で楽しませて貰い、第三幕では愛之助の早変わりの五変化で魅了され、午前の部ラストの第四幕ではお祭佐七(菊五郎)の何とも早合点な行動に唖然としながら終了。今回は四幕もあったので、ひと幕が60分前後の構成だったので私にとってはとても快適な時間配分であった。

それにしても松也は色気は男でもたまらない。

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歌舞伎:「三月大歌舞伎」

2019年03月17日 10時11分35秒 | 歌舞伎の話

先月に続き、歌舞伎座で「三月大歌舞伎(昼の部)」を観た。

【みどころ】

一、女鳴神(おんななるかみ)松永弾正の娘鳴神尼が、父の仇敵である織田信長に恨みを抱き、雨を降らさぬ行法を用いて龍神を滝壺に封じ込めてしまいます。龍王ヶ峰の岩屋に引き籠る鳴神尼のもとへ、美男の雲野絶間之助が訪ねて来ると、心奪われた鳴神尼は夫婦固めの盃を交わします。鳴神尼が色香に惑っている隙に行法を破ろうとする絶間之助ですが…。荒事の名作『鳴神』を女方で演じる趣向の作品です。豪快な押戻しが登場し、幕切れを盛り上げます。

二、傀儡師(かいらいし)傀儡師が、お七吉三の恋模様や牛若丸と浄瑠璃姫の恋物語、船弁慶などの人形芝居を、自らを人形に見立て次から次へと踊り分けます。大道芸の人形遣い、傀儡師を題材とした風俗舞踊で、それぞれの登場人物を表現する演者の技量が求められます。洒落た味わいのひと幕をお楽しみください。

三、傾城反魂香(けいせいはんごんこう)近江の六角家、高嶋館に召し出された絵師の狩野元信は、御家乗っ取りを企む家老不破道犬の悪計によりしばり付けられます。窮地に立たされた元信が自らの肩先をくい裂き、襖に血を吹きかけて虎を描くと、絵から虎が抜け出てきて難を逃れます。一方、館の外では六角家の息女銀杏の前を守護するために、弟子の雅楽之助が駆けつけます。〈高嶋館・竹藪〉
 山科の里、師匠である土佐将監の館へ、絵師の又平と女房おとくが訪れます。土佐の名字を授かりたいと願い出ますが、言葉が不自由な又平に代わり、口達者なおとくが懇願するも聞き入れられません。絶望した又平は今生の名残に、手水鉢を石塔と定め自画像を描くのですが…。〈土佐将監閑居〉
 絵師が起こす奇跡が鍵を握る、近松門左衛門の義太夫狂言の名作。又平とおとく夫婦の絆が描かれる、おなじみの「土佐将監閑居の場」に、前段となる二場を加えた上演をご堪能ください。

今回初めて二階桟敷席での鑑賞ですぐ真下の花道を観るには前かがみにならなければならないが、靴を脱いで座椅子にもたれかかり、掘りごたつ式の足置きは何とも粋だった。

第二幕・傀儡師では幸四郎単独の舞で魅了し、第三幕・傾城反魂香では幕間を挟み、主役が幸四郎から白鴎への親子リレーとなり、ストーリーの中心が一変するのだが、絵師又平(白鴎)と妻(猿之助)との夫婦の絆が実に素敵だった。男性目線としては第一幕・女鳴神で裏切られた尼(孝太郎)の鬼の形相には背筋が凍り付き、第三幕では甲斐甲斐しい妻に憧れることだろう。ちなみに銀杏の前役の中村米吉の可愛らしさに惚れ惚れしてしまった。

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歌舞伎:「二月大歌舞伎」

2019年02月10日 10時09分21秒 | 歌舞伎の話

昨年8月以来の歌舞伎、「二月大歌舞伎」を歌舞伎座で観た。

【みどころ】一、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)すし屋・・・大和国下市村のすし屋の主人弥左衛門は、旧恩ある平重盛の子息、維盛を奉公人の弥助として匿っています。そこへ現れたのは、勘当の身の惣領息子、いがみの権太。性懲りもなく今日も金の無心にやって来ました。やがて弥助の素性をうかがい知った権太は、褒美欲しさに維盛の首とその妻子を源頼朝の家臣、梶原景時に差し出します。息子の愚かな所業に対して怒りに震える弥左衛門が刀を抜いて権太を刺すと、権太の口から意外な真相が明かされ…。いがみの権太は無頼漢ながら愛嬌も併せもつ役柄で、すし桶を抱えた花道の引込み、本心を明かす場面など、みどころにあふれます。初世尾上辰之助追善の義太夫狂言の名作をご堪能ください。

二、暗闇の丑松(くらやみのうしまつ)・・・料理人の丑松には、お米という恋女房がいます。しかし、お米の母お熊が、お米を妾奉公させようとしていることを知り、丑松は争ううちにお熊と見張りの浪人を手にかけてしまいます。兄貴分の四郎兵衛にお米を託し、丑松は一人江戸を離れるのでした。1年後、お米恋しさに江戸へ戻った丑松は、偶然立ち寄った妓楼で女郎に落ちぶれたお米と再会します。四郎兵衛に騙され売り飛ばされたのだと語っても信じてもらえず、絶望したお米は…。哀しい運命に翻弄される男女の生き様を描き出した、長谷川 伸による新歌舞伎の傑作。初世尾上辰之助追善の舞台にご期待ください。

三、団子売(だんごうり)・・・団子売の夫婦、杵造とお臼が餅屋台を担いで賑わう街にやって来ます。二人は曲に合わせて餅をつき、おかめとひょっとこのお面をつけて軽快な踊りを見せるのでした。江戸庶民に親しまれた名物「景勝団子」を売り歩く様を描いた賑やかな舞踊をご覧いただきます。

40歳で急逝した初世尾上辰之助33回忌追善狂言でロビーには遺影と香華が供えられていた。

前から二列目の花道すぐ横の席にわくわくしながら席につく。第一幕「義経千本桜」では「下町ロケット」のギアゴースト社長・菊之助を始め、芝翫が花道で約1mの至近距離で演じてくれる。辰之助の長男・松緑の通る声はなかなかの存在感だった。第二幕「暗闇の丑松」はタイトル通り暗闇での展開で、序盤では二階だけを見せ、階下の「肝心」な出来事は見せない斬新な演出が終始続いた。中でも風呂屋裏側のシーンは緊迫感が溢れていた。第三幕「団子売」上演時間15分の短い舞踊であったが、第二幕が暗かったせいか、さらに華やかに感じる中、大阪の天満宮を舞台に賑やかに滑稽に舞う夫婦がとても心地良く、お臼の孝太郎とは花道からしっかりと目が合った。そして第一幕に続き芝翫の存在感は素晴らしかった。

ただ前の席過ぎて首が少しだけ痛くなりり、歌舞伎座を後にした・・・

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歌舞伎:「八月納涼歌舞伎・盟三五大切」

2018年08月25日 09時46分20秒 | 歌舞伎の話

八月納涼歌舞伎・第三部を歌舞伎座で観た。

【あらすじ】浪人の薩摩源五兵衛は、芸者の小万に入れ込んでいますが、小万には笹野屋三五郎という夫がいます。源五兵衛は元は塩冶家の侍でしたが、御用金紛失の咎で勘当の身。源五兵衛は名誉挽回し、亡君の仇討に加わるため伯父が用立てた100両を借り受けますが、三五郎の罠により騙し取られます。自分が騙されたことを知った源五兵衛は、その晩三五郎夫婦が泊まった家に忍び込みますが、三五郎と小万はなんとか逃げ延び、源五兵衛はその場に居合わせた五人を手にかけるのでした。三五郎は騙し取った100両を父の了心に渡します。実は三五郎夫婦が源五兵衛から金を巻き上げたのは、父の旧主の危急を救うためだったのです。やがて、源五兵衛が三五郎夫婦の前に再び姿を現すと…。『盟三五大切』は四世鶴屋南北によって『東海道四谷怪談』の続編として書かれ、「忠臣蔵」と「五大力」の世界が「綯い交ぜ(ないまぜ)」という手法で結びつけられています。凄惨な殺しの場など、南北ならではの世界が展開される生世話物の傑作をお楽しみください。

私にとって5年ぶりの納涼歌舞伎。この日の演目は忠臣蔵外伝「盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)」は2011年にシアターコクーンで観たことが好きな内容だった。首ちょんば、腕ちょんぱありの文字通り「納涼歌舞伎」で幸四郎、七之助、中車、獅童の豪華な顔ぶれが舞台を彩る。中でも獅童の存在感はなかなかだった。あんなことされればそりゃ~怒るよな~と思いつつ、三五はそんなにも悪い奴なのだろうか?騙される奴にも問題があるんじゃないか?と現代にも十分に通ずる内容にあれこれと考えてしまった。

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新作歌舞伎:「NARUTO-ナルト-」

2018年08月11日 09時00分00秒 | 歌舞伎の話

【本日8/11(土祝)~8/18(土)まで夏休みとさせて頂きます。予約投稿にて】

新橋演舞場で新作歌舞伎「NARUTO-ナルト-」を観た。

【みどころ】かつて忍五大国の一つである火の国に、謎の仮面の男が操る九尾(きゅうび)という巨大な狐の化け物が現れ、国に禍をもたらした。国を守る忍びの里である木ノ葉隠れの里長、四代目火影とその妻は、自らの命と引き換えに九尾の化け物を幼い息子の腹中に封印した。その息子の名前はうずまきナルト(坂東巳之助)。十数年後、ナルトは忍者養成学校であるアカデミーに通い、一人前の忍者を目指していたが問題児の落ちこぼれだった。また里を襲った九尾が封印されていることで周囲の人々から嫌われていたこともあり、幼い頃からいつも孤独だった。さまざまな試練を乗り越えてアカデミーを卒業したナルトは、うちはサスケ(中村隼人)、春野サクラ(中村梅丸)とともに、はたけカカシ(嘉島典俊)率いる第七班に配属され、木ノ葉隠れの里の忍者として任務を遂行することになる。
ナルトは里の皆から認められる存在になることを目指して努力していたが、常に自分より先を行くサスケに対してライバル心を持っていた。だが同時に、サスケがもつ影に対してどこか共感するような思いも持っており、友情を感じていた。一方、サスケは、幼い頃に両親を含む一族全員が実の兄、うちはイタチ(市瀬秀和)の手によって殺されるという暗い過去を持っていた。サスケは他人に心を閉ざし、里を抜けた兄を自分の手で殺すことをただ一つの目標とし、誰よりも強くなろうとしているのだった。ナルトたちは数々の試練に立ち向かい、やがてナルトの師匠となる自来也(市川猿弥)、五代目として火影を継ぐことになる綱手(市川笑也)との出会い、抜け忍として木の葉隠れを狙う大蛇丸(市川笑三郎)との争いを経て、世界を揺るがす強大な敵、うちはマダラ(市川猿之助、片岡愛之助)を倒すためにナルトの戦いが始まるのだった。

以前観て実に面白かったスーパー歌舞伎 Ⅱ「ワンピース」同様の歌舞伎と漫画との融合で、台風接近にも関わらず楽しみに向かった。ただワンピース同様、私はナルトの知識がほとんど・・・いや、まったく無かったが・・・入口で紀香に出迎えられる。館内にはワンピース同様、グッズ販売コーナーが充実していた。

私の好きな二階席に座る。

背景画が実に素晴らしく、サスケ役の中村隼人は遠目で観ても艶ぽく、ラストの大詰めでは大量の水で圧倒された。またサクラ役の中村梅丸が女性?と思ってしまうほどの可愛いらしさだった。

カーテンコールが終わると足早に駅に向かおうとすると娘が車でわざわざ迎えに来てくれた。有難い・・・

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