映画館の鑑賞チケットの有効期限が6日前となった時点で残り3枚あった。
そのまま放棄してしまうのもひとつの方法であるが、どうにも勿体無いと貧乏性が顔を覗かせる。視聴するには主に終業後であったが6日のうち3日は予定があったので、3日で3本、1日1本のペースでの消化が必要となる。少し気が重い状態で上映時間を調べる。上映館で観たい映画候補は「96時間/レクイエム」「さよなら歌舞伎町」「アゲイン 28年目の甲子園」「シン・シティ」の4本で、「アゲイン」は一番に当確となり、残り3本と上映時間を見比べる。あれこれ比較していると、18時の終業後に2本観れる上映回の組み合わせがあることに気がついた。3日通うよりも1日で2本消化しておくとあとが気が楽になる。ただ18時の終業後にすぐに出掛けても上映時間に少し遅れてしまうが、予告編は大抵10分程度だと予想して、急いで電車に乗り込み劇場に向かう。
食事をする時間もないので、ゼリー飲料を片手に館内に入ると予想通りまだ予告編の上映だった。暗闇に目が慣れてから席に着く。1本目は「96時間/レクイエム」で20時10分に終演なので、2本目の「さよなら歌舞伎町」の上映開始20時05分に間に合うよう、エンディングロールが流れると同時に席を立ち、階上の別の劇場へと階段を駆け上がる。
2本とも面白い作品だったので、まったく飽きもせずに楽しめた。上映時間さえ上手く合えば4時間半で映画2本を楽しめるものである。また5時間近くも起きてる状態でも禁煙も出来るんだな~と変な感動すら覚えた。そして残り1本は、水曜日の休日に「アゲイン 28年目の甲子園」をゆっくりと観て、チケットを1枚も無駄にせずに消化完了した。
妻の「そこまでして無理に行かなくても」との言葉にも頷けるが、映画好きの入居者さんは「そうでもしないと行きませんからね」の言葉ももっともだと思った。切羽詰まった状態での3本であったが、映画ってやはり劇場で観るものだとつくづく思った。だってやっぱり上映毎にワクワクしてしまったからね。