先日一時間ほど電車に乗る事になった。到着した電車に乗り込んだが車内は混雑はしてはいないものの、座席は空いていなかった。
次の停車駅で目の前の三人掛けの席がすべて空き、私は左隅に、女の子が真ん中に、サラリーマンのおじ様が右隅に座った。すると発車間際にお婆ちゃまが二人乗り込んで来て、私たちの前に来た。居眠りする暇も無かったので、席を立ったが、それがちょうど同時に三人とも立ち上がった。左隅と真ん中に席にそれぞれお婆ちゃまたちは座ったが、サラリーマンの座っていた右隅は空席となっている。そのままサラリーマンが座るかと思いきや、女の子と同じく少し離れた場所に立っていた。
私はお婆ちゃんたちの前に立ちながら「私はその空席に座っても良いのだろうか?」とひとりブツブツ考えていた。私が座っていた席ならば、そのまま再度座っても問題はないと思うのだが、サラリーマンが善意で空けた席である。その「空振り」の善意に私は応えてしまって良いのか?座る者はいない空席を横目に車窓を眺めながら考えていた。
でも結局は次の停車駅での乗り降りに乗じて空席に座ってすかさず目を閉じた有限会社やな瀬不動産