映画「化身(1986年公開)」を観た。
【解説】若いホステスを自分好みのいい女に変身させようとする男の悲哀を描く。渡辺淳一原作の同名小説の映画化で、脚本は「ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎哀歌」の那須真知子、監督は「湾岸道路」の東陽一、撮影は「ひとひらの雪」の川上皓市がそれぞれ担当。主題歌は、高橋真梨子「黄昏人」。
あの「失楽園」の渡辺淳一原作の作品である。タクシーの初乗り420円の時代背景。男性ならば誰もが一度は憧れる話ではないだろうか?束縛したい気持ちがエスカレートして行く中年男性の姿は実に惨めで情けない。観終えて「化身」したのは女だけではないんだと気が付く。ただ女が男に嫌気が差して別れた訳ではないことだけが、唯一の救いだったかも知れないが、でもこれは女の最後の優しい嘘なのかも知れないな~ラストの近くで、中年男性の恋愛の意義について語るシーンがあるのだが、「渡し守(わたしもり・渡し船の船頭)」で十分じゃないかと思う。多くを望んじゃいけんのだよ。ちなみに黒木瞳が惜しげも無く裸体を披露している。
女遊びを続けている元旦那に対して元嫁が言う台詞がなかなか深かった。「死ぬまで少年ですか?日が暮れてもまだうちに帰りたくないの?」