

我々の身の回り、つまり世の中には思いがけない出来事が色々あるものだ。
嬉し涙をぬぐいもせず、喜びを身体全体で表すこともある。
一方で、唇を噛み当面の課題とどう取り組むか思案に暮れることもある。
喜びばかりの人生を送るに越したことはない。が、誰に聞かずとも分かるように、世の中そんなに甘くない。
かといって、目の前真っ暗という状態ばかりが長く続くこともない。
何故なら、人間は強いのだ。真っ暗な状態に長くいると、目も感覚も暗闇に慣れて少しずつ周りが見えてくる。その時を待って明るさを求めて這い出ればいい。
しかしそれさえままならぬこともある。
ある日突然、身体の異常を医師から告げられた場合など、どうやってその事実と向き合って行くのか。ひしがれた気持ちをどうコントロールして立て直すか。他人事では済まされない。
親しい友や近しい人がそんな立場に追い込まれたとき、どんな手助けが出来るのだろう。どんな激励の言葉を贈って上げられるのだろう。普段は気安く軽口を叩きながら談笑出来て、気持ちが通じ合っていると思えるのに、イザとなるとおのれの無力を知ることになる。
言葉少なになる。
ただ自分にも出来ることはある。神様仏様に祈ることである。何が何でも事なきを得るように、と。
明日は我が身だ。今はなんともなくても、経年劣化という問題は避けて通れない。
その時のために、自分自身を慰める言葉を探してみたいが、やはり見つかりそうもない。