昨年10月の終わりに植えたタマネギ。7か月を経てやっと収穫期を迎えた。
元肥を入れ、しっかり耕して作った畑に、450本の苗を1本1本丁寧に植え付ける。「期待に応えて大きくなってくれよ」との願いを込めて。
正月が明けて寒の頃に「寒肥」を与える。ちょうどそのころヨトウ虫(芯切り虫)との闘いが始まる。なんせ「無農薬」が自慢の自家製品。
虫退治の農薬など使わないので、虫たちも大きな顔して寄って来る。
寒さをこらえて畑に足繁く出て行き、ヨトウ虫の兆候を観察する。ちょっと油断すると、たちまち芯を切られて細い葉っぱが転がっている。
割り箸でその周辺をほじくると、割り箸に負けないほどのヨトウ君がコロッと出てくる。「ご苦労さん」薄氷の張ったカンカンの水に泳がせる。
「キジも鳴かずば撃たれまい」。悪さをしに出て来なければ、氷水のお仕置きを受けることもなかったろうに・・・と。そんなこんなで7か月。
大きく伸びた茎が自然に倒れるころが収穫時期の目安。
タマネギが直接天日を受けて乾きやすいように、お天気続きの予報に合わせて引っこ抜くタイミングを計る。
ヨシッ今日だ!ということで一気に引き抜き、畑に転がして天日に晒す。この作業でまた一段と味がよくなる、と教えられた。
何の分け隔てもなく、同じように作った畑に同じ時季に、同じように植えて同じ時期に収穫したのに。
ああそれなのに出来栄えは・・・。まん丸く肥って「どこからでもかじって・・・」と催促するような玉もあれば、「なんでもっと根を張らんかったのか」と叱ってやりたくなる華奢で細身、遠慮がちに育った玉もある。「これラッキョウの大型?」というのもある。「一口サイズでそれはそれでおいしいんよ」と慰められて、まいいか、たとえ小さくても全てを並べて天日干し。
こうして並べて上から見ると、まさに「不揃いのタマネギさん」。
肥やしが効きすぎて太るに太れなかったものもある。隣同士の玉がお互いの養分を取り合って、成長しきれなかったものもある。
畑の端っこで崩れそうな土をしっかり掴んで、大きく立派に育ったヤツもいる。
失礼を承知で勝手に言わせて頂くなら、4月に行った中学校の同窓会を思い出させるような、不揃いのタマネギたち。
こんな生意気なことを言う当人は、さてさて一体どのくらいの位置を確保できているんだろうか。