「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「隠岐の島こぼれ話」

2016年07月09日 | 旅行・レジャー

 

島根半島の北方、40〜80キロの日本海に浮かぶ隠岐は、住民の住む隠岐の島町・西ノ島町・海土町(あまちょう)・知夫村の4つの大きな島と、他の約180の小島からなる諸島である。円形で最も大きな島を島後(どうご)と呼び、西ノ島、海土町の中ノ島、知夫里島の3島を島前(どうぜん)と呼ぶ。総面積は350平方キロで、人口は約2万3千人と言われている。

隠岐は、国賀海岸や白島などに代表される雄大で美しい自然景観を誇っている。また暖流と寒流が交差するため、オキシャクナゲやナゴランなど特有の花や希少植物が豊富で、学術的にも貴重な地域で、マリンスポーツや魚釣りなどの観光客が多く訪れる島である。こういったことから民謡でも「隠岐は絵の島、花の島」と唄われているようだ。
隠岐は古くから「隠岐の国」と呼ばれているが、今に伝わる数々の史跡や伝統行事は、訪れる人を悠久の世界へと誘う。(ネットより)

人が住んでいる4つの島も、さぞかし荒波が押し寄せているのであろう、と想像していたがそれは大いなる誤解であることに気付かされた。
もっとも、外洋に面する部分は、岩肌や岸壁が紛れもなく大きな荒波に揉まれ、年がら年中穏やかなる日はない、ということだった。
ところが、ホテルが立ち並ぶ観光地や、民家が軒を並べる集落は、島の入り江や湾の奥まった位置にある。

つまり外洋の荒波から隔離され、島陰に守られて、極めて穏やかな、鏡のような海面が日常であり、のんびりゆったりの人情が育まれるようだ。この地を求めて、マリンスポーツや釣り客は年間を通して多く訪れるという。
特に4・5月と9・10月に殺到する。これからのシーズンは海水浴客で全島的に賑わうという。

1泊目のホテルの1階レストランは、海面から1mくらいの高さに建てられている。
「潮が満ちたらどうなるんじゃろう?」「床下浸水などないのか?」気をもみながらおそるおそる訊いてみた。
「いまは満潮なのですか?」「・・・ ・・・?」返事が要領得ない。
早い話が、日本海のど真ん中は、潮の干満がほとんどなくて、潮位が上がったり下がったりしないということ。
海面が一定だから、海のすぐそばまで庭先が伸びていても、潮に漬かることはないのだそうな。
満潮と干潮とでは2~3m潮位が変わるこのあたりとは、まるで感覚が異なることに驚かされた。

そしてもう一つ。ホテルまえの係留場に長さ7m幅2.5mくらいのヨットがつながれていた。
で中からオジサンがゴミ袋を抱えて出てきた。「ヨットの生活ですか?」すかさず訪ねた。にっこり笑って「海上ホームレスですよ」
「定年退職といっても、早期退職で、退職金の上積み分を当ててヨットの中古を買った」「1年のうち半年は日本中の海をまたにかけ洋上生活。あとの半年は資金を稼ぎに丘に上がってますよ」「船籍は千葉県、登録寄港地は大分県。関西以東は漁師さんの気が荒くて、一時停泊も喜ばれない。その点関西以西は、どこに寄っても優しく歓迎してくれる。日本人の心意気もずいぶん違いますよ・・・」と。

ホームレスという言葉にちょっと引っ掛かりはあるものの、ヨットで洋上一人旅。これなら人もうらやむ優雅なホームレスではある。
やってみたいが、先ずは航海技術と免許が要る。次に資金と度胸と勇気が要る。考えてみればどれ一つ今の自分は持ち合わせない。

ある種贅沢な洋上浮浪生活にあこがれを抱いてはみるが、人並みに穏やかで、孫に囲まれる今の丘の生活も決して悪くはないよね~。
と、まあこんなおもろい話にも出会えた隠岐の島の旅であった。 - 完 -

コメント (4)
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