吉香公園に今を盛りと咲く花菖蒲
年に一度、岩国工場定年退職者の会、総会 懇親会
花菖蒲が咲き誇るこの季節。毎年楽しみに待つ一大イベントがある。
長年勤めた会社の「岩国工場定年退職者の会」である。今年は45周年という記念の総会と懇親会であった。
定年退職者の会なのだから、高齢者の集まりであることは言うまでもない。出席者の数も年々減ることはあっても増えることはない。
そんな中でも、今年は総会出席者125人を数えた。懇親会に至っては現在の工場長はじめ、工場幹部や組合関係者などの参加で総勢150人に及ぶ大宴会である。
ここ何年か総会議長職を仰せつかっている。鼻手術の病み上がりを感じさせないよう、鼻詰まり対策など万全を期して臨んだ。
何はともあれ、午前中の総会を無事クリアー。いよいよお目当ての懇親会。
約2週間に及ぶ禁酒生活。といっても、生まれながらの下戸は、晩酌などと言うと人が笑うほどのわずかな量を口にするだけ。
それでも、ほとんど毎日のように体内にアルコールが入るということに変わりはない。
退院後初めて口にするビール、どんな味わいじゃろうか。
何の心配することやある。全員による乾杯の食前酒に続いて、冷たいビールで隣同士のカンパ~~イ!!
この一杯目のうまいこと。「あ~生き返った、元気になったんだ」などと自らを鼓舞するうちにまた一杯、そしてまた一杯。
そのうち、いつもの如く顔を真っ赤にして段々テンションは上がってくる。
どの顔を見ても、遠い記憶がふと蘇る。年の差を超越し、職場環境の違いを忘れて昔話に花が咲く。
机を並べた同窓会の楽しさはもちろん十分経験済みだが、それとはまたひと味異なる、あたたかな懐古の空気が流れる。
時あたかも6月10日「時の記念日」。
我々年齢を重ねた者にとって、年々確実に減っていくと実感するもの、それが「アレ」と「残された時間」であろう。
「彼はこんなことをしている」「こんな世界を楽しんでいる」などといった新しい発見もあった。
今の自分を眺めて、決して暇を持て余すような日々ではないと承知してはいる。が、更に工夫を凝らし、時間の無駄遣いを戒めようと、時の記念日に開かれた定年退職者の会の会場を見渡しながら、ふと頭をよぎる自戒の念である。