プロ野球セ・リーグ。三連覇に向かってまっしぐらの広島東洋カープ。と言いたいところだが・・・・・・。
待望のというか、ついにというか、優勝へのマジックナンバーが点灯した。だからどう、というほどのことではない。
選手はもとより、野球を心得た熱心なカープファンも、マスコミが大騒ぎするほどのこの数値に反応を示さない、というのがこのマジックナンバーの特徴かな。
何度も言われているように、プロ野球の優勝マジックナンバーとは、一言で言えば「優勝が確定するために必要な勝利数」のことであり、これがゼロになったときに優勝が決まる。ということ。
もう一つ言えば、カープ以外の5球団が「自力優勝の可能性が消滅したときに点灯する」のがこのマジックナンバー。ということは、他の5球団は、直接対決でカープに全勝しても、他のチームに負けたら優勝の可能性が消える。という限りなくカープ優勝の可能性が高い、という数字であることに間違いはない。
但し、厳しいカープファンの眼から見れば、「本当に強いの?」「危なっかしい試合が多すぎない?」「強さを発揮して勝ち切る試合が少ないんじゃない?」という素朴な疑問が付きまとう。それらをまとめれば「本当に三連覇できるの?」という疑問になる。
相手チームのずっこけのお陰で勝てているんじゃないか。逆転されてもおかしくない試合が続いているんじゃないの。といういら立ちが感じられて仕方がない。
本当に強いと言われるチームの特徴を考えてみると、野手陣は、7・8・9回の終盤に必ず点を取る。投手陣は、7・8・9回の終盤に相手に点を与えない。という、まさに盾と矛の関係、つまり大きな矛盾を乗り越えて、有無を言わせず勝利に導く。この姿こそが勝利者の理想像である。と思っている。それがここ数試合のカープには矛盾を乗り越えられていない。勝ってもハラハラドキドキ、満足感の薄い勝利。リードしていても終盤に逆転負けをする。少し油断が生じていないか。勝者ゆえのおごりはないか。不安で仕方がない。
先発投手陣のだらしなさで、中継ぎ、抑え投手に負担が掛かり過ぎる戦略的齟齬を招いている。
とはいえ、この時点ではカープ以外の優勝は考えられないと思うが、『三連覇の勝者』と呼ぶにふさわしい試合運びを見せて欲しいものだ。