孫たちが、笑ったり喜んだり時々首を傾げたりして観ていた、子供向けテレビアニメ「ちびまる子ちゃん」。
本気で観たわけではないが、孫たちのペースに乗って横目でチラチラ眺めたこともあった。その割には、決して具体的ではないが、ちょっと世間を皮肉ったり、大人の世界を揶揄したり、子供の鋭い観察眼で物申したりする場面に共感した記憶がある。
そんな風刺漫画ともいうべき、ちびまる子ちゃんを世に送り出した漫画家「さくらももこ」さんが53歳という若さで亡くなった。
『毎日、人の数だけ違うことが起こっている。同じ日なんて無い。一瞬も無い。自分に起こることを観察し、面白がったり考え込んだりする事こそ人生の醍醐味だ』と彼女はおっしゃる。まさに至言だと大きくうなずいている。
こういったような、生きることへの達観みたいなものを原点にして描き出されるものには、漫画であろうと小説であろうと、エッセイであろうと、大いなる共感を呼び起こす魅力や魔力が仕込まれているようだ。
❝現状維持は退歩である❞とは、現役のころに先輩から教わった言葉であるが、現状に甘んじることなく、面白がったり、深く考えたりして、己を見直す気持ちのゆとりを持つこと。そしてささやかにでも進歩する中で、来るべき終焉を待ちたいと思う意欲だけは少しあるのだが。
そんな新聞記事のすぐ横に目をやれば、「青春は 終わったと思う時終わる」という川柳が載っていた。
偶然の偶然ではあるが、面白い取り合わせに思わずクスリッ!やはりそうか、自分に起こることを冷静に観察する眼を養うこと。それを喜んだり怒ったりしながら、前向きに捉えて楽しまなけりゃ、生きている醍醐味を失うことになりそうだ。
ついでに、まだまだやれることがあるかもしれん、と自分を鼓舞して、ホンの少しでいい、今日より明日を楽しむことが出来たら、やがて迎えてくれるであろう、おふくろがアタマをナデナデしてくれるかも。