今年も夏の一大イベントを無事終えた。
やんちゃ坊主とたおやか姫を引き連れて、田舎の川遊びに出かけた。
♪♪ うさぎ追いしかの山 小鮒釣りしかの川 ・・・・・・ ♪
と歌われるほどのことでもないが、カミさんの実家のある山深い小さな川に浸かりながら、ハヤを釣り、メダカをすくう孫たちの嬉々とした顔や、お腹を空かしてフランクフルトや焼きそばをぱくつく様を見ていると、孫守りは何かと骨の折れる仕事ではあるが、楽しみの一つでもある。
彼らが遊びに興じるころ、椅子に座って眺めるジジの目は、上下の瞼が互いを呼び寄せくっつきたがって仕方がない。
思わずコックリさんの沈思黙考?。「じいちゃんを起こしちゃいけんよ」という小3の声が聞こえる。「じいちゃんはクルマを運転するし、朝ご飯を食べたオレの茶碗もみんな洗ってくれる。じいちゃんが一番疲れとるんじゃけー」と、思いもよらぬ言葉を発する。
目に見えるじいちゃんの苦労を思い遣ってくれるのは有り難いが、その数倍の働きで孫の面倒をみているお疲れのばあちゃんにまでは気が回らないようである。そのくせ、ハヤ釣りの手作り練り団子を針に付けるのも、釣ったハヤを針から外すのも、一から十までばあちゃん頼りなのである。それなのに「ふーん、じいちゃんが一番疲れとるん?ばあちゃんは?」の質問には特に答えないところが男の子っぽい。と笑ってしまう。
5歳姫は、日の暮れ前の中天に浮かぶ半分の白いお月さまを見て「あのお月さまはのんちゃんと同じ5歳なんよ」と教えてくれる。
「そうなん、まん丸になったら何歳になるの?」「まん丸は18歳よ」などと他愛もないおしゃべりしながらの散歩道。
なんで半月が5歳で満月が18歳なのか。そんなことはどうでもよろし。本人の頭の中で思いを巡らせばそれで十分。
今、高校3年と1年に成長した孫君も、かつては散歩しながらじいちゃんに色んな語録を残してくれた。
今度は小3と5歳がそれぞれに感じたり、聞きかじったりした言葉をジジババに投げかけて来る。
言葉のキャッチボールを上手に出来るように、ジジババも感性と若さを磨いて応じてやらねばなるまい。