この季節になると、孫三兄弟が通った小学校では、400年に及ぶ長い歴史と伝統を誇る相撲大会が行われる。
かつて、豊臣秀吉が大勢の将兵を従えて海上を九州に赴く際、瀬戸内海通津沖にさしかかったところで、風待ちをすることになり、一旦将兵を通津に上陸させた。風待ちが長引くと将兵の士気が低下するのを恐れた秀吉は、各部隊のつわものを選りだして相撲を取らせ、士気を高めた。という由来に基ずく由緒ある相撲大会である。
各学年別に予選が組まれ、男子女子それぞれ勝ち残った2人が土俵に立てる。
応援団の大声援を受けて やや緊張の面持ちで土俵へ
1回戦。「呼び出し」から声高らかに名前を呼ばれて土俵に上がる悠雅君。「ユーガ、ユーガ!」の大声援に緊張は最高潮に達する。相手は1年先輩の4年生。体はでかい。身長も違う。まともにいっては勝ち目が薄い。
立ち合い一瞬の作戦か、「下から両手で挟むように押し上げる」というジジの戦略も頭をよぎったのか、相手に抱き着くように双差しで密着。しばし揉みあいのうちに相手が弱ったところを寄り切った。「行司」の勝ち名乗りにも笑顔なし。ホッと一息。
ハッケヨイ! 大きな相手にもろ差しで攻め立てる 勝ち名乗りを受ける悠雅君
2回戦はもう優勝決定戦。1回戦で勝ったもの同士のぶつかり合う。こちらも4年生で体はでかい。同じように食いついて行って相手の根負けを誘い出す。再び勝ち名乗りを受けて、3、4年生男子の部優勝決定。そこでやっと頬がゆるむ。
実行委員長さんから賞状とトロフィー授与
喜びの学年別、男女別優勝者(右から3人目)
体重はともかく、身長は決して自慢できないが、下半身の頑丈さとその俊敏さ・瞬発エネルギーは引けを取らない。高三の兄ちゃんに負けず劣らずの、スポーツ万能で小学校生活を謳歌しているようだ。褒めてやろう。
特にソフトボールには努力させたい。三つ褒めたら二つ叱って戒めて、テングを抑え、何事も「基本動作」と「本質の大切さ」を教えてやろう。それが、実績らしいものは何もない、経験則と理屈だけはわきまえていると自負するジジの役目だと思っている。本人にとっては大いに迷惑であるに違いない、と思いつつ。