今年を最後に消えてゆく、名残の忘年会(イメージ)
これまでに何回酒を酌み交わしただろう。何回笑い合って心底楽しんで来ただろう。花見、ビアーパーティ、忘年会などなど。
もちろん、飲んで騒ぐのが目的の集団などではなく、積極的にお勉強する会、言うなれば向学の士の集まりである。
その名を「岩国エッセイサロン」という。エッセイをしたため、各種の新聞読者投稿欄に投稿を志す有志が集う会である。
その歴史は丸っと14年。長いのか短いのかはそれぞれの判断にお任せするとしよう。
スタートは2006年1月。一人の定年退職者がひまを持て余し気味の中で「何か楽しい時間の過ごし方はないか」と考えた上たどり着いたのが、自由気ままなエッセイを書いて新聞に投稿する会、つまりエッセイサロンである。もちろん代表は発案者の茅野 友氏。
向学の士の集まる会が何故サロン(遊び場)なの?というご質問もあろうが、そこに発案者の心の広さ、大らかさを感じるのである。
「エッセイを書く会」というと、ちょっと腰が引ける人も多かろう。そうではなくてサロン、遊びの広場として気軽に集まりましょう、と呼びかけたのが始まりで、多くの人が軽い気持ちで参加してきた。最高19人という会員に膨らんだ。それが今である。
月に1度、3~3.5時間のサロン定例会活動は、代表が作る資料と個人製作途中のエッセイ合評が中心となる。
その運営方法といい、内容の濃さ幅広さは、博学多才、ウイットに富み、皆を笑わせたり煙に巻いたり。
会員にとっては、月1回の定例会がそれはそれは楽しみであった。笑いの中に確かな栄養が隠されていた。
そんな楽しみの会が、今年の忘年会をもって終止符を打つことになった。代表が高齢になられたとか、格別体調不良というわけでもないのだが、ここはご本人の「ここらが潮時、いつかは終わりが来るのだから」というツルの一声で、皆が元気に笑って別れられる時を「けじめ」ということで、サロンの幕を閉じることになった。
それぞれに思いはあろうが、辞めて欲しいなどと言う人が一人もいない。むしろ「何で辞めるの?もっと続けて欲しい」の声が圧倒的ではあるが、後を引き受けられない我々にも責任の一端があるし、代表の決断を覆すことは出来ない。
今となっては、ただただ長い間の代表努めご苦労様。楽しい時間を有難う。で締めくくりたい。
今年1年分の新聞掲載作品を1冊にまとめる「花水木第14号」の出来上がりを受け取るのが来年1月24日。
その日が、14年続いた岩国エッセイサロン最後の日。
皆さんの気持ちをまとめて代表に贈る感謝状。さてどんな風に仕立て上げようか。腕にヨリをかけて、最後のご奉公を。