
先日もアップした「文藝春秋三月号」です。
「芥川賞」受賞作品を単行本では無く、安く読もうと言う魂胆から購入。

受賞インタビューが掲載されているけれど、受賞記念パーティー時のような気負いは無い。
淡々と来し方を語られていると言う印象。
学歴が工業高校のみってところも興味を引かれますね。
だって、私も今では自分でも不思議にも感じるけれど工業高校の機械科卒ですから(笑)。

田中慎弥さんが受賞記念パーティーで揶揄、いやからかった審査員「石原慎太郎」氏の選評も面白い。
結構辛口で頷ける部分も有るけれど、ご自身の受賞作「太陽の季節」と比較してどうかなー。
ま、彼も順調に成長して、それなりの七十八歳を迎えられていると言うことかな(笑)。

ま、口はばったい評も出来ないけれども、石原審査員の評も当たっていると思う部分も。
さすがに何回も受賞候補に成っているだけに、情景の表現とか場面の設定には面白さを持っている。
でも、うーん、なんだか心を打つもの、酔わせるものが感じられないなー。
これは、石原審査員じゃないけれど、私も老いて感受性が薄れてきたのが原因かもしれないが。
先日、別の週刊誌のインタビューに答えていたけれど、
あの、話題になったスピーチが元で、結構受賞作品「共喰い」の発行部数が増えた。
なんて、率直な発言がまた結構好感も感じさせてくれる。
今までの「芥川賞」受賞作家には色々な方が居られましたねー。
受賞作品一発限りで、後は鳴かず飛ばず。いつの間にか名前を忘れられている作家さえ少なくない。
そして、純文学的要素で選ばれても、その後お色気路線に舵を切ったりしてね(笑)。
そんなことを言うと叱られるかも知れないけれど、「芥川賞」「直木賞」共に粗製乱造にすぎないかなー。
活字離れが言われ始めて久しいが、その小説自体の面白さって、どうなんだろう。
開高健、遠藤周作、北杜夫、阿川弘之、浅田次郎、五木寛之、玄侑宗久。
受賞されたか、また、どの賞を貰ったのかも定かではないけれど、やはり面白かった。
開高健さんなんて、器用に純文学から釣り中心の紀行文までこなされていたからなー。
出よ大型新人、もっと活字の世界に現代人を引きずりこむような。