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畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

マックス奇跡の大冒険

2013-02-03 04:21:56 | マックス

 朝の固定用ロープの状態。こんな風にも抜けの殻だった。(復元写真)


 ロープの先端の金具はこんなフックになっていて、バネで口は閉じている。


 三回ほど、軽トラで近隣を探し回っていたけれども、やはり姿は見えない。
九時を少し過ぎてから保健所にも電話を入れたが「保護されていません」との返答。
十時には「越後の台所 すずきち」さんのマスターが来宅するので一旦帰宅した。

 携帯に「すずきち」さんから「30分ほど遅れます」との連絡が入った。
携帯を切って間もなく、スベルべママママ=バーちゃんから驚きの電話が入った。

 「トーちゃん、そこんしょは犬を放さんかったかえ?憩いの家の周りに似た犬が居るけれど」
話を聞いて驚いた。間違いでは有っても探しには行かなければならない。
来宅した「すずきち」さんに訳を話して手短に用件を済ませ、同行してくれると言う近所のオジサンと軽トラを飛ばす。

 その「老人憩いの家」まではかなりの距離が有ると思い、トリップメーターを0に戻して出発。
山中で湧き出る温泉を利用した「老人憩いの家」は、オジサンが「この奥に家が有るの?」と問うほどの山奥。

 「老人憩いの家」の所在が分からずもう一軒の温泉宿の受付で聞き、ようやく建物を見つけ、駐車場に入った。
すると玄関に敷かれた座布団に座った見覚えのある、マックスのお尻が見えた。

 管理人の女性が出て来て、「良かったー」と声を掛けて下さり、そして、バーちゃんと仲間たちも出てくる。
皆さんが一様に「良かった、良かった」と口にされます。

 心配事が解消されて気分も晴れたのか「マー、犬に似て飼い主も可愛くて優しそう」なんて言って下さる方も。
「いやー、申し訳有りません。こんな頭ですよ」なんて私も帽子を脱いで坊主頭を下げました。
「アハハー、お前さん、頭なんて歳を取ったら仕方ないてー」なんてあくまでも優しいオバーさん達。

 聞くと管理人の女性が8時半に出勤すると、マックスは建物の周りを歩き回っていたと言います。
そして、バーちゃんの乗ったバスが到着し、全員が降りると、なんとマックスはバスに乗り込み座席に座ったとか。
その様子を見てバーちゃんはマックスだと確信したようでした。


 軽トラのトリップメーターを見ると15キロ丁度の距離を示していました。
夜でも自動車の往来の激しい国道17号線を通り、252号線を通って約8キロ。
そして、夜はほとんど自動車の往来も無いと思われる県道に入って約7キロの合計15キロです。

 良くぞ交通事故にも巻き込まれずに、夜の凍った遠路をたどり着いたものです。
そして、山中の小とは言え、何軒かの住宅、建物が有るうちバーちゃんの通うところに辿り着いた不思議さ。

 「おら家に来ようとして、間違えたんかのー、そしてオレの匂いでもしたのかな」と不思議そうなバーちゃん。
そう、妻の実家の有る村とは「憩いの家」が有る沢と、手前五キロほどで沢で別れているのです。

 皆さん再度お礼を述べ、なお、保健所にも発見の報を入れて帰宅の途に着きます。
軽トラで家に向かいながら「マックス、タクシーで温泉に入りにでも行ったの?」と聞いても知らんぷり(笑)。
マックスは軽トラの座席でトーちゃんとオジサンの間に入って、室内が暖まると居眠りを始めました。

 写真は家に帰り軽トラから降りたところです。
のどが渇いたのか、お腹が空いたのかまだ凍って固い雪をガリガリと齧っていました。


 帰宅したのは12時少し前でしたが、餌と水を与えます。


 完食とまでは行かないけれど、ほぼ大盛りの餌を食べ、ようやく人心地、じゃなかった犬心地の着いたマックス。
なんだか一気に痩せたような感じさえ有りました。


 やれやれとばかりに小屋に入ったマックスです。
マックスも間もなく満14歳になります。
今回の事件も大冒険と言うよりは、単なる年寄りの「徘徊」だったのかも知れません。

 しかし、一度も行ったことの無い所へ、しかも、週二回のバーちゃんが行く施設に、行って出会ったこと。
考えたら不思議が重なったマックスの行動でした。
一昨日は丁度バーちゃんも来宅の予定で、夕方の帰宅を待って迎えに行きました。

 来宅したバーちゃんは、早速マックスの小屋に行き、「マックス、どうして来たったやー」なんて話しかけます。
そして、夕方の餌を上げる際にも、マックスの所に来て「はて、本当に不思議だったいやマックス」なんて声掛け。
元来動物好きのバーちゃんをマックスも好きなのです。

 御心配頂いた皆様ありがとうございました。
マックスは体力だけはまだまだ有りそうです。
でも、今回のような大脱走、大冒険、大徘徊はさせないように注意します。

                         (このお話終わり)
コメント (14)
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