畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

お尻チクチクでネズミが退散「杉の功罪」

2014-11-26 04:47:51 | 暮らし

 農道の脇の杉の木の近くに軽トラを停める。
最近は杉の木の枝打ちなど、手入れをする人は少なく、枝葉は伸び放題。


 もちろん間伐などもしないので、雪で捻じ曲げられた杉が乱立状態になっているケースが多い。
建築資材が、安価な外材中心となって久しく、杉の需要なんて無いも同然の時代が続いているのです。

 このためばかりでは無いとしても、毎年春になると花粉をまき散らし厄介な「花粉症」の元となる。
人工造林では無くて、元来の広葉樹に拠る自然な雑木林の方が水資源などとして役立つと思うのですが。



 杉の木の悪い事ばかり並べたけれども、役立つ事もある。
この簡単に手の届く杉の小枝を折り採る事から仕事は始まります。



 折った杉の小枝は軽トラの荷台に。
向こうのコンテナの中身は、来年の種採りように植え替えるための「地蕪」です。



 下の農天市場の畑に到着し、近所のオジさんが雪に備えて縛ってくれた柿の木のもとへ行く。


 そして、柿の木の根元に採って来た杉の葉を敷き詰めます。
こうして、杉の葉で根元を防護しておくと、雪の下でのネズミの食害が防止できます。


 きっと、雪の下で忍び寄ろうとするネズミも顔やらお尻が杉の葉の尖った先でチクチクとやられて退散するのでしょう。
何年か前の豪雪の年に、柿の木を始め大切な「ジュンベリー」などが根元をことごとく齧られてしまったのでした。



 これはもう30年も前の豪雪時の光景です。
当時は大根を表で藁で作った「大根だて」に入れ、雪の下にして仕舞っていました。

 その際にも役立ったのがこの杉の葉です。
大根を立てに並べる前に「大根だて」の底面に敷きつめ、ネズミの食害から守っていたのです。

 なお、傍に柿の木が見えるけれども、これは接ぎ木で有り、台木となる柿は渋さで知られる「マンガキ」。
博識家の義母は「昔の人は知恵が有った。この台木だとネズミが齧らない」と教えてくれました。

 本当は建築資材に使ったら風雪に耐えて育った越後の杉は丈夫で長持ちすると言います。
厄介な花粉症の元となる杉花粉をまき散らす元凶の杉も功罪相半ばと言ったところなのでしょうか。
コメント (4)
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