
(数学の授業の後かなー、終わって休み時間になると一斉に突っ伏して寝始める)
「貧乏旅行」(その2)
平泉での宿泊地には貧乏旅行の節約精神も有り、ユースホステルを選んだ。
しかしその宿は後年内容を知り驚くことになる。
その宿は御寺で有り「毛越寺」と言う名刹だったのだ。
今では宿泊など考えられない事だが、あの有名な史跡でもある寺院だったのです。
開山の歴史は藤原三代よりも前の時代らしいが、藤原氏が手を加え、
浄土庭園と呼ばれる形式の大庭園にしたと言う。
その「毛越寺」の庭には大きな池も有り、
往時船を浮かべて遊んだ貴族の姿が幻の様にまぶたに浮かぶようにさえ思えた。
翌朝は早立ちし、東北本線の普通列車に乗る。
列車内は行商に出かけると見受けられる年配の女性が大きく、元気な大声が車内を行き交う。
会話の内容は異国の車内の様で全く分からない。
でも、しきりに「オシラサマ、オシラサマ」と言う単語が耳に入り、
柳田國男の編纂した「遠野物語」の中に入り込んだような幻覚を楽しんだ。
何処をどういう風にさすらったのか遠い昔で記憶に薄いのだが、
海岸部の宮古市も訪れ浄土ヶ浜にも足を運んだ。よほどお腹が空いていたのか、
近くの食堂で食べた炒飯のサラサラとした出来上がりと味の良さが忘れられない。
(続く)